流水会目白だより

裏千家茶道 流水会のお稽古の様子などをご紹介しています。

目白庭園の四季

今後の稽古予定、
11月13日(水)
12月11日(水)、12月25日(水)
1月15日(水)、1月22日(水)
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11月6日のお稽古ー炉の平点前、平花月之式

 11月になりました。今年も昨年に続いて気温の高い日が十月まで続いた影響なのか、木々の葉はまだ青々としています。
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 茶道の世界では11月になると炉を開いて畳よりも低い場所に釜を据えてお点前をするようになります。炉を開くことを「炉開き」といい、茶人は茶会を開いて炉開きを祝います。流水会ではそこまで特別なイベントは致しませんが、お稽古の時に炉開きの菓子である「亥の子餅」を頂きました。

 亥の子餅は桜餅や柏餅ほど一般的な知名度はありませんが、茶道に世界ではとてもポピュラーです。 昔、宮中では旧暦の亥の月亥の日に猪の子(ウリ坊)をかたどった餅を食べる玄猪(げんちょ)という風習がありました。猪が多産であることからこれにあやかって子孫繁栄を祈願したそうです。 

  また、陰陽五行説では亥は水の卦にあたることから、亥の月亥の日に火を使い始めると火事にならないと言われてきました。そこでこの日に炉開きを行い、亥の子餅を食するということになったそうです。

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 この亥の子餅は九段の宝来屋本店で購入しました。胡麻の風味が香ばしく流水会の皆様にも好評でした(写真は稽古の日の朝に自宅で撮影したものです)

  お稽古の方は半年ぶりの炉ということで、薄茶の平点前を中心に行いました。午前中は人数が多かったので、平花月之式をやりました。五人ひと組で行う集団稽古です。これまでにも何度か花月のお稽古はしてきましたので大丈夫だろうと思っていたのですが、皆さま足運びに苦労されていました。

 午後と夜間は第二和室のみでのお稽古でしたので、薄茶と濃茶の稽古をしました。

 お隣の第一和室も私たちと同じ裏千家茶道を学ぶグループが利用されていて、花月の稽古らしき声が聴こえてきました。今の時期、お稽古することは皆一緒ですね。

 さて、お庭の様子も簡単にご紹介しておきます。

 
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  木々の葉はまだ紅葉、黄葉という感じではありません。色が変わるというより、枝の先からか
枯れてきたような感じにも見えます。

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  例年通りならそろそろ真っ赤になっているはずのドウダンツツジもまだこんな具合でした。 来週もお稽古がありますが、果たしてどうなっていることやら。
 

10月30日のお稽古ー竹台子平点前、行之行

 10月30日は竹台子を使った特別稽古を致しました。朝はあいにくの雨です。

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 台子は茶道で使う棚類の中では最も大きなものです。竹台子は地板と天板が木地、四本の柱が竹で作られている台子です。

 私たちが学んでいる裏千家流の茶道では、この棚は主に「行之行」という上級の点前をする時に使いますが、同じ台子を使って薄茶、濃茶の平点前をすることもできます。

 この日は薄茶平点前、濃茶平点前、行之行という三種類のお点前のうちのいずれか一つを7名の皆さまにお稽古していただきました。

 台子にはあらかじめ建水、蓋置、柄杓など他の点前では点前開始後に茶碗に続けて水屋から運び出すことになっている茶道具類があらかじめ棚の上に配置してあります。建水は台子から畳に下ろして使うのですが、問題は柄杓です。

  柄杓は柄杓立て(杓立)の中に飾り火箸と共に立てられて入っており、台子を使う点前では必ずこの火箸と柄杓の出し入れがあるのですが、慣れないうちはこれがなかなか難しく感じられると思います。

  火箸独特の扱い方や、いつ出し入れをするか、柄杓の出し方、出すタイミングなどは実際に台子で点前をしてみないことにはなかなかわからない部分でもあります。平点前をなさった方にはこれらの扱い方と、濃茶薄茶の違いにポイントを置いてお稽古しました。

 行之行のではさらに茶入、茶碗、茶杓、蓋置、水指の蓋や水次なども平点前の時とは扱いが異なる部分が多々あります。

 私の個人的な意見では行之行という点前は現在裏千家流で習えるお点前の中では最も手順を覚えるのが大変な点前ではないかと思います。三人の方がこの点前のお稽古をされましたが、皆さん本当によく頑張って下さいました。

 さて、恒例のお庭の様子です。

 秋明菊がようやく咲きましたが、雨のせいなのか地面に倒れてかわいそうな姿に。

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 雨に濡れた紫式部(コムラサキ)の実

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 こちらはお茶の木の花です。

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  お茶の木(チャノキ)は椿やサザンカの近縁なので花の雰囲気もどことなく似ていますね。

 次回のお稽古は11月、いよいよ炉の季節の始まりです。
 
 

10月16日のお稽古ー中置濃茶、唐物

 10月二回目のお稽古です。お稽古の前日がちょうど十三夜でしたので、この日は月に因んだ禅語の軸を掛けました。

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 茶室の掛け物は何と書かれているのか分かりにくいものがよくあります。この軸は「吾心似秋月」と読みますが、ほとんどの方は読めませんでした。書道をなさる方なら毛筆の崩し字もある程度読めるのでしょうが、そうでない方は書かれている禅語の方から覚えると良いでしょう。

 茶席でよく見る禅語はせいぜい20から30種類程度ですから、「そのうちのどれか」だと思って見ると二文字程度読めれば全体が何という禅語なのか推測がつきます。興味のある方は「茶席の禅語」というキーワードで検索してみてください。

 さて、お稽古の方は引き続き中置で、今回は皆さまに濃茶を中心にお稽古していただきました。中置は小板の場合と前回やった大板や五行棚を使う場合では蓋置と柄杓を置く場所が変わります。

 小板の中置で濃茶をすると、点前座の左、勝手付側に細水指、蓋置、仕覆、建水が縦に並びますのでかなり渋滞します。実際、水指がの太さや仕覆の大きさによって、微妙に配置を調整することが必要になってきます。そこがこの点前の一番難しいところです。

 少しベテランの方々には唐物のお稽古をしていただきました。唐物は中置ではなく常据で行う点前ですので、風炉を畳の中央から左に移動してのお稽古です。「唐物は中置ではしないのですか」という質問がありました。「しない」というのが答えですが、理由は皆様それぞれに考えてみてください。

 唐物の点前をお稽古するのは久しぶりでしたので、皆さまが覚えていらっしゃるかどうか心配でしたが、それほど心配する必要はなさそうでした。ただ、茶入に入れる抹茶の量については濃茶平点前の時との違いとその理由をしっかり覚えてくださいね。

 今月はあと一回特別稽古として奥伝をする予定です。今回の唐物の稽古は良いウォーミングアップになったのではないでしょうか。

 さて、最後は恒例の庭園の様子です。赤鳥庵の前ではようやくホトトギスが咲き始めました。

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 ホトトギスというのは元々鳥の種類であることは皆様もご存知でしょう。この花の花びらの点々模様が鳥のホトトギスの腹の模様に似ていることからついた名前だそうです。

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  庭園は相変わらず萩の花盛りです。

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 池の向こうにあるススキの穂がちょうどお月見にぴったりな感じでした。お稽古翌日はちょうど満月、今年一番大きなスーパームーンのようですよ。

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10月の抽選会

 10月3日は12月分の赤鳥庵利用者抽選会でした。

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 この抽選会でお茶室を予約できた日 が流水会のお稽古日になります。抽選ですからうまく予約できない時もありますが、これまでのところ何とか月に最低二回は稽古日を確保できています。

 抽選会はその日集まった方々が抽選箱から札を引いて、番号の若い人から順に希望日を予約するという超アナログな方式で行われていますが、本日目白庭園の片平園長から「 豊島区からは、いずれ施設予約システムが利用できるようにしたいと計画していると言われました。ただ時期はまだ未定だそうです」という発表がありました。

 今では都内のどの区でもインターネット経由で公共施設の予約ができることが当たり前になってきていますのでいずれは赤鳥庵の予約もそうなるだろう、と思い続けて10年目、果たしてその日は本当にやってくるのでしょうか。

 今月の参加者は48名、12月初旬は写真撮影で使われる方々が まだ多いです。最近は結婚式の前撮りだけでなく成人式の写真を撮る人もいらっしゃるようでした。

 今月の抽選運は悪くはないがそれほど良いわけでもなく、希望していた12月一週目こそ取れませんでしたがなんとか通常稽古二回分と特別稽古の分のお部屋が確保できました。と言ってもそのうちの一回は12月25日のクリスマス。

 経験上クリスマスの日にはお稽古を休む人が多いので、できれば避けたい日程でした。いっそのことクリスマス茶会でもやったら良いのかもしれませんが、何か工夫をする必要はありそうです。

 さて、この日の庭園ですが、驚いたことに彼岸花が咲いていました。今年は彼岸花の開花が遅い年だなぁとは思っていましたが、10月初旬とは随分遅いです。

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 庭園は萩の花盛り、池の向こう側では白萩も咲き始めました。来週のお稽古日にはもっと沢山の花が見られるでしょう。

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 次回のお稽古日は10月9日、中置でのお稽古を予定しております。

9月25日のお稽古ー大津袋と茶通箱

 秋のお彼岸を過ぎてようやく過ごしやすくなってきました。この日の目白のお天気は曇り時々雨、最高気温は24℃、猛暑から一足飛びに秋になった、そんな感じでした。

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 お休みの方が多く時間的にも余裕がありましたので、久しぶりに大津袋と茶通箱のお稽古をしました。どちらも濃茶の点前です。

 茶道では薄茶の時は棗に、濃茶の時は茶入と呼ばれる陶器の器に抹茶を入れます。ですが、私たちの習う裏千家流では棗を使って濃茶点前をすることができます。棗を大津袋と呼ばれる袋に入れて茶入の代わりに使います。これを用いて行う点前を大津袋といいます。

 棗の扱いには皆さまかなり慣れてきておられますが、大津袋は見るのも初めてという方が多く、今回はこの扱いに慣れることに主眼を置いてお稽古しました。

 裏千家流ではもう一つ、茶通箱と呼ばれる点前でも「大津袋に入れた棗」を使うことができます。茶通箱は異なる二種類の濃茶をお客様にお出しする点前で、一種類めの抹茶は茶入に、 もう一種の抹茶は棗に入れ、その二つを「茶通箱」という桐の箱に入れて用います。

 時間のかかる点前なのでお稽古される方が多い日にはなかなかできません。この日は人数が少なく時間的に余裕がありましたので、中級以上の許状をお持ちの方々に挑戦していただきました。

  茶通箱という点前では、客との問答が点前を進めるきっかけになります。正客からの声掛けで点前が進んでいくので客になる方もこの点前の全体の流れを把握しておく必要があるのですが、一回で全てを覚えようと思ってもなかなか難しいです。

 「先生から言われたとおりにやっただけ」とお感じになられた方もいらっしゃると思いますが、最初はそれで構いません。稽古を重ねていけば、全体の流れがどのようになっているのかを段々と掴めるようになります。

 どんな点前でも言えることではありますが、お稽古を重ねていくことでいつか必ず習得できます。大切なのは「実際にやってみること」「諦めないこと」です。

 大津袋も茶通箱もいずれまた機会を見てやってみたいと思いますので、今回出来なかった方もぜひ次の機会にお稽古致しましょう。

 さて、恒例のお庭の様子です。萩の花が本格的に咲き始めました。
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 「本格的に」と書いたのは、実はこの萩の花、初夏から時々咲いているところを見かけています。が、その頃は咲いている花も僅かでポツリ、ポツリと見かける程度でした。

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 秋は萩の花にとって本番なのでしょうね。いまや続々と花開いて賑やかです。9月に使われる茶杓の銘にも「萩の露」「萩の宿」といったものがあります。まさに今の季節の花ですね。

 こちらはちょっと見えにくいですが、未央柳の葉にキタキチョウがとまっていました。

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 この黄色い蝶、実は幼虫の大好物が萩の葉、なのです。私も昔ベランダで萩の花を育てていた時によく見ました。そして、その後鉢植えにはたくさんの青虫が付き、今度はその青虫を狙う雀たちがやってきて大騒ぎになりました(その頃になってようやく事態に気づいたのでした)

 次回は一週空いて10月9日の予定です。お稽古は一年振りの中置になります。
ギャラリー
  • 11月6日のお稽古ー炉の平点前、平花月之式
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  • 11月6日のお稽古ー炉の平点前、平花月之式
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  • 10月30日のお稽古ー竹台子平点前、行之行
  • 10月30日のお稽古ー竹台子平点前、行之行
  • 10月30日のお稽古ー竹台子平点前、行之行
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  • 10月16日のお稽古ー中置濃茶、唐物
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