流水会目白だより

裏千家茶道 流水会のお稽古の様子などをご紹介しています。

お稽古日誌

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5月28日のお稽古ー平花月之式

 久しぶりに花月の特別稽古を致しました。流水会の通常のお稽古は朝から夜までですが、この日は午後からの稽古です。赤鳥庵の前は強い日差しに照らされていました。

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 花月は五人一組で行うお稽古です。折据(おりすえ)と呼ばれる小さな紙箱に札を5枚入れて、それを全員が順番に引いていきます。札の表側には松の絵が描かれており、裏には「月」「花」「一」「ニ」「三」の文字が書かれています。

 花月ではこの札を引いて役割や席順を決めます。また席入りした後にもこの札を引いて薄茶を点てる人、お茶をいただく人を決めます。全員が一斉に息を合わせて立ち座りしたり、札を開けたり、席を移動したりしますので気が抜けません。

 5月に入って風炉の点前に切り替わって間もないことから、この日は一番基本となる平花月を三回お稽古しました。札の扱いや畳の歩き方など、花月の稽古では普段の点前稽古に含まれない要素も多々ありますが、皆様とても熱心にお稽古してくださいました。

 同じ稽古でも引いた札で役割が変わったり、イレギュラーな場合の対応にも決まりがあったり、花月はやる度に違うパターンになりますので、頭の体操になりますし、立ち座りの回数も多く体の運動にもなります。「ゲームみたいで楽しい」とおっしゃる方もいらっしゃいます。

 平花月をしたことがあると、それだけで一生お茶が楽しめると言っても過言ではないくらい、裏千家茶道ではとても広く行われているお稽古の形態です。指導してくださる先生が居ない席でも折据一つあればみんなで気軽にお茶を楽しむことができます。

 このところ花月の稽古に参加してくださるメンバーが固定化しつつあるのですが、ぜひまだの方にもチャレンジしていただきたいと思います。

 さて、最後にお庭の様子も簡単にご紹介します。この日はお天気が良く、青空が綺麗でした。小径の両側に所々咲いている黄色い花は未央柳(びようやなぎ)です。

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 シモツケもピンクの花を咲かせていました。

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 白い小さな花は姫沙羅(ひめしゃら)です。椿をミニサイズにしたような愛らしい花、庭園入り口近くと奥の芝生広場に向かう池よりの二箇所に木があります。木肌の綺麗な美しい樹木です。

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 すっかり居着いた感のある二羽のカルガモ、人への警戒心はほとんどありません。

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 そしてこの日は珍しい珍客がいました。大きなヘビ、アオダイショウでしょうか。

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 こちらの庭園には大きなカエルが何匹もいるので(夜になると出てくるので昼間はあまり見かけません)、ヘビもいるのでしょう。でも、初めての遭遇でびっくりしました。

5月21日のお稽古ー四ヶ伝、平点前、立礼

 流水会の5月2回目のお稽古日は朝から晴れました。気温がグングン上昇、昼間は30度まで気温が上がる暑い一日となりました。

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 このところ流水会ではちょっとした着物ブームが起きていて、昼間はお着物でお稽古に来られる方も多いのですが、さすがに殆どの方が単衣でした。

 着物は大まかに分けると袷(あわせ)、単衣(ひとえ)、夏物の三種類があります。単衣というのは裏地を付けずに仕立てた着物のことで、着用時期は通常六月と九月と言われています。でも、近年は暑くなるのが早いので、五月から単衣を着ることも増えてきましたね。

 さて、お稽古の方ですが前回から風炉のお点前になりましたので、前回薄茶をなさった方には濃茶、濃茶をなさった方にはその上の中級の点前をお稽古していただきました。

 お茶の点前はどの科目も炉と風炉とで少しずつ違いがあります。「この科目は風炉でやるのは初めてです」とおっしゃる方もありました。

 また、この日は立礼のお稽古もしました。こちらの茶室には長机が何台もありますので、以前はそれを重ねて高さを調節して立礼のお稽古をしていましたが、最近、新しい備品として「長机に取り付ける脚」というのが入ったと聞き、さっそく使ってみることにしました。

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 写真は立礼での稽古の様子です。本来なら専用の立礼棚を使うところですが、これなら小さなお茶会でも使ってみて良いかもしれない、などと感じました。

 7月にここで茶会を開くことを計画しております。流水会の皆様にはすでにお知らせ済みですが、近いうちにお客様方にも詳細をご案内しますのでしばらくお待ちください。

 最後にお庭の様子も簡単にご紹介しましょう。

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 早くもガクアジサイが咲き始めました。

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 黄色い花は未央柳(びようやなぎ)です。未央とは中国にあった未央宮という宮殿のこと、柳とは柳のような美しい眉を持つ美人のこと。未央柳の葉が美人の眉のようだ、ということらしいのですが、私はこの花を見るたび長いまつ毛を思い出します。

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 お庭の片隅にはこんな鉢も置かれていました。中にいるのは鯉の赤ちゃんでしょうか。

 今月はもう一回、特別稽古として花月をする予定です。

5月7日のお稽古ー風炉濃茶、薄茶平点前

 2週間ぶりのお稽古はさわやかな好天に恵まれました。木々の間から溢れる日の光もなんだか力強く感じられます。

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 5月になると茶道では半年間使った炉を閉じて風炉の季節になります。赤鳥庵では炉のあった畳を丸畳に替えて下さるので茶室の雰囲気もガラリと変わります。

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 久しぶりの風炉ですのでこの日のお稽古は濃茶、薄茶の平点前を致しました。写真の棚は寒雲卓(かんうんじょく)です。水指が置かれていないのを不思議に思われる方もあると思いますが、この棚は地板がないので水指は運びの扱いになります。

 皆様が風炉の点前を覚えていてくださるか少し心配していたのですが、ほぼ大丈夫でした。何年かお稽古を続けていると道具の配置が変わると自動的に自分の中のスイッチが入ってお点前ができるようになります。

 風炉の方が手数が少なくて済むこともあり、皆様思いの外上手く切り替えができていました。それでも間違いやすい共通のポイントが幾つかありました。

 一つは「中じまい」です。広間のお部屋で平点前をする際は中じまいにするという約束事がありますので、炉の時とは手順が変わります。もう一つは「客付の位置が変わること」です。炉の点前の記憶に引きずられるのでしょうか。茶碗や拝見ものを出す位置が定まらない方が何人も見受けられました。

 稽古の回数を重ねるうちに手も慣れてきますので、ぜひ休まずお稽古に来てくださると嬉しいです。

 最後にお庭の様子も少しだけご紹介します。赤鳥庵前では石楠花が咲いています。見頃にぎりぎり間に合いました。

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 管理者の方が落ちた花を水盤に入れた花手水のようなものを作ってくださいました。新しい管理会社の方々はお庭の手入れなどもとても熱心に行なってくださっていて、好感度アップ!です。

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 お庭は新緑が眩しいほど、この日午前中からよく晴れて澄んだ青空と緑のコントラストが見事でした。

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 5月になってもお天気は変わりやすく、この日も午後からは雲が出て夕方からは雨も降り出しました。
利休七則の一つに「降らずとも雨の用意」というのがありますが、春から初夏にかけては まさにそうした心構えで動かないといけませんね。

 最近お着物でお稽古に来られる方々が増えてきましたが、天気に関わらず晴雨兼用の傘を一本必ずお持ちになることをお勧めいたします。 

4月23日のお稽古ー和巾点 立礼、四滴茶入

 4月2回目のお稽古日はまたしても雨模様です。目白庭園の木々は次々と若葉が出て庭園全体が明るい緑色に覆われていました。

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 この日のお稽古では中級以上の許状をお持ちの方は唐物、台天目、盆点、和巾のいずれか一つ、ご自身の復習したい科目を選んでいただく形としましたが、和巾点を選ばれた方が多かったです。

 和巾点は裏千家十一代の玄々斎が、孝明天皇に抹茶を献上されたのを記念して、その後の茶会で行われた点前として伝わっています。献茶の際に使われた中次に仕覆を着せ、宮中から拝領した布地を使った古帛紗にその中次を載せて行う濃茶点前です。

 唐物、台天目、盆点をお稽古したことのある方にはそれほど難しくは感じられないだろうと思っておりましたが、中次や古帛紗の扱いをすっかり忘れておられる方もあったり、意外にも苦戦しておられる方が多かったです。

 和巾点をお稽古する機会をもう少し増やした方が良いのでしょうけれど、炉の半年間でお稽古できる回数は限られています。難しいものです。

 また、この日は脚を怪我して正座が難しいという方がおられましたので、八畳のお部屋の方にテーブルを出して御園棚の薄茶点前のお稽古をしてみました。

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 裏千家の立礼(テーブルと椅子の点前)と言えばまずはこれを指すというくらいポピュラーな点前ですが、その割にお稽古で取り上げる機会は多くありません。「私もやってみたいです」という声が多く、思っていたより大勢の方にお稽古していただくことになりました。

 薄茶点前をなさる方には、いくつかいつもと違う薄茶器をご用意しました。四滴茶入のうちの弦付、水滴、そして甲赤茶器です。薄茶の平点前はまずは棗でお稽古しますが、ある程度お稽古が進んだら棗以外の薄茶器の扱いもぜひ覚えていただきたいと思っております。

 偶然にもこの日は本来薄茶器として使われる中次を濃茶に使う和巾点、陶器で作られ、茶入という名前でありながら薄茶器として使う四滴のお稽古でした。どんな形の茶器をどのような点前で使うのか、これもぜひ覚えていただきたいことです。

 本日のちょっとしたハプニング。ある方が茶道口でお辞儀をして顔をあげた途端に「あっ」と声をあげられました。

 赤鳥庵ではお点前をする方が茶席に入ろうと茶道口に座るとちょうどお庭の方向を向くことになります。ちょうどその時、飛んできた大きなアオサギが松の木の上に降りるのが見えたようです。私の座っていた位置からは見えなかったので、何事が起きたのかと思いました。

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 目白庭園を代表する野鳥は長年カルガモだったのですが、最近はこのアオサギにお株を奪われているようですね。

 次回からはいよいよ風炉での稽古が始まります。お点前もガラリと変わりますのでお稽古に来られる皆様、どうぞお楽しみに。


4月9日のお稽古ー平花月を中心に

 お稽古のない水曜日が二回続いた後、ようやく4月最初のお稽古日がやってきました。お天気は快晴、目白庭園の枝垂桜も満開です。

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 昼間のお稽古科目は花月です。

 普段花月は「特別稽古」として、通常のお稽古日とは別に時間をとってお稽古しています。ですが、この日は一つの茶室で大勢の方がお稽古をせざるを得ないという事情から、花月をすることにしたのでした。

 花月は五人がひと組になって行うお稽古です。この日は一番始めに習う「平花月之式」(平花月)を致しました。平花月は薄茶四服、拝見なしの棚点前です。薄茶を点てる人、それをいただく人は折据(おりすえ)と呼ばれる箱から札を引いて決めます。「月」を引いた人はお茶を飲み、「花」を引いた人は次のお茶を点てます。それ以外の札(一、ニ、三)は一回休み、ということになります。

 平花月では薄茶の棚点前しかしませんので、点前の負担はさほど難しくないはずなのですが、お点前をする時には必ず他の四名の参加者に注目される、というのが初めての方には大変だったようです。それ以外にもお部屋の歩き方、移動の仕方、折据の扱いなど、覚えることも沢山あります。

 ただ、お茶のお稽古はどんな科目もそうですが、怖がらずに自身でやってみることがとても大切です。細かいルールがわからなくても、まずは「花月に慣れる」を目標にしていただくとよろしいかと思います。

  この日は午前に三回、午後に三回花月をして、そこから後は通常のお点前のお稽古になりました。18時からは二つの茶室が使えるようになりましたので、唐物のお稽古もしました。

 お稽古場を探している方のご見学などもあり、忙しい一日でした。

 最後は恒例のお庭の紹介です。赤鳥庵の前ではシャガの花が咲き始めました。

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 池のほとりにあるあずまやの隣には桜によく似た花海棠が咲いていました。サクラと同じバラ科の花ですが、サクラよりリンゴに近い植物です。

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 こちらの可愛いツツジには「ミツバツツジ」の名札がついていました。薄紫の花です。
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  椿もまだまだ咲いています。ドウダンツツジも小さな花が咲き出しました。目白庭園は春爛漫、花の季節を迎えていますが、最近の春は駆け足で過ぎて行くように感じます。次回のお稽古は二週間後、さてお庭にはどんな変化があるでしょうか、楽しみです。
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