流水会目白だより

裏千家茶道 流水会のお稽古の様子などをご紹介しています。

お稽古日誌

今後の稽古予定、
10月9日(水)、10月16日(水)
11月6日(水)、11月13日(水)
12月11日(水)、12月25日(水)
流水会のWebサイトはこちら
流水会のFacebookページもご覧ください

9月25日のお稽古ー大津袋と茶通箱

 秋のお彼岸を過ぎてようやく過ごしやすくなってきました。この日の目白のお天気は曇り時々雨、最高気温は24℃、猛暑から一足飛びに秋になった、そんな感じでした。

IMG_2024-09-27-134623

 お休みの方が多く時間的にも余裕がありましたので、久しぶりに大津袋と茶通箱のお稽古をしました。どちらも濃茶の点前です。

 茶道では薄茶の時は棗に、濃茶の時は茶入と呼ばれる陶器の器に抹茶を入れます。ですが、私たちの習う裏千家流では棗を使って濃茶点前をすることができます。棗を大津袋と呼ばれる袋に入れて茶入の代わりに使います。これを用いて行う点前を大津袋といいます。

 棗の扱いには皆さまかなり慣れてきておられますが、大津袋は見るのも初めてという方が多く、今回はこの扱いに慣れることに主眼を置いてお稽古しました。

 裏千家流ではもう一つ、茶通箱と呼ばれる点前でも「大津袋に入れた棗」を使うことができます。茶通箱は異なる二種類の濃茶をお客様にお出しする点前で、一種類めの抹茶は茶入に、 もう一種の抹茶は棗に入れ、その二つを「茶通箱」という桐の箱に入れて用います。

 時間のかかる点前なのでお稽古される方が多い日にはなかなかできません。この日は人数が少なく時間的に余裕がありましたので、中級以上の許状をお持ちの方々に挑戦していただきました。

  茶通箱という点前では、客との問答が点前を進めるきっかけになります。正客からの声掛けで点前が進んでいくので客になる方もこの点前の全体の流れを把握しておく必要があるのですが、一回で全てを覚えようと思ってもなかなか難しいです。

 「先生から言われたとおりにやっただけ」とお感じになられた方もいらっしゃると思いますが、最初はそれで構いません。稽古を重ねていけば、全体の流れがどのようになっているのかを段々と掴めるようになります。

 どんな点前でも言えることではありますが、お稽古を重ねていくことでいつか必ず習得できます。大切なのは「実際にやってみること」「諦めないこと」です。

 大津袋も茶通箱もいずれまた機会を見てやってみたいと思いますので、今回出来なかった方もぜひ次の機会にお稽古致しましょう。

 さて、恒例のお庭の様子です。萩の花が本格的に咲き始めました。
IMG_2024-09-27-134820

 「本格的に」と書いたのは、実はこの萩の花、初夏から時々咲いているところを見かけています。が、その頃は咲いている花も僅かでポツリ、ポツリと見かける程度でした。

IMG_2024-09-27-134937

 秋は萩の花にとって本番なのでしょうね。いまや続々と花開いて賑やかです。9月に使われる茶杓の銘にも「萩の露」「萩の宿」といったものがあります。まさに今の季節の花ですね。

 こちらはちょっと見えにくいですが、未央柳の葉にキタキチョウがとまっていました。

IMG_2024-09-27-135003

 この黄色い蝶、実は幼虫の大好物が萩の葉、なのです。私も昔ベランダで萩の花を育てていた時によく見ました。そして、その後鉢植えにはたくさんの青虫が付き、今度はその青虫を狙う雀たちがやってきて大騒ぎになりました(その頃になってようやく事態に気づいたのでした)

 次回は一週空いて10月9日の予定です。お稽古は一年振りの中置になります。

9月4日のお稽古ー茶箱点前と茶箱付花月の特別稽古

 九月に入って朝夕は少し過ごしなってきました。日の出が遅くなり、日の入りが早まってきた影響でしょうか。それでも日中はまだまだ残暑が続いています。

IMG_2024-09-07-133236


 九月はまず茶箱の特別稽古からです。今年は8月から茶箱での稽古を始めましたが、今シーズンはこの日が最後になります。科目は卯の花、雪点前、月点前、花点前、そして茶箱付花月です。

 全員が同じ点前をする方が準備も楽ですし、自分と同じ点前を人がやっているのを見ることができるという利点もあるのですが、流水会ではその方の経験年数や進捗の度合いに応じてお稽古する点前を変えています。

 自分がまだやったことのない点前を見る、というのも勉強になりますし、しばらくやっていなかった点前を見るというのもまた勉強になります。茶箱は点前の共通点、相違点を明確にしながら覚えていくので他の方が自分とは異なる点前をしていても、参考になることはたくさんあります。

 この日は最後に総仕上げとして茶箱付花月をしました。名前こそ「茶箱付」ですが、これはいわゆる付ものの花月とは違って茶箱の卯の花点前で平花月をする、というお稽古です。

 茶箱ですから帛紗は亭主のものを全員が使いますので、平花月のように客が帛紗を付ける必要はありません。もう一つ、平花月との大きな違いは「月」が当たった人はお茶を飲む前に振出しからお菓子を出して食べる、というのが加わります。

 席中でお菓子を食べる花月のことを「菓子付き」と呼んだりしますが、その場合、花が茶杓を持ってから折据を回すのでは遅すぎるので、花が茶巾を取って茶碗を清め始めたタイミングで折据を回して、四客が折据を止めたらすぐに札を開けて名乗ります。

 月、花が名乗ったら今度はすぐに月の前に振出を送り、月の人は直ちに懐紙を出してその上に振出しからお菓子を出し、お茶が点つ前には食べ終わっておくことが必要になります。これがなかなか忙しいのです。

 一人を除いた残り四人が「菓子付き」は初めての経験でしたので、なかなか苦労しましたがこれも良い経験になったのではと思います。

 次回からは従来通り風炉に釜を掛けてのお稽古に戻る予定ですが、天気予報を見る限りまだまだ暑そうです。皆さま体調管理には十分ご注意ください。

 最後にお庭の写真も少しだけ。あずま屋のちょうど後ろにあるサルスベリ、ピンクに花を咲かせています。晩夏の庭園はまだ花が少ないですね。

IMG_2024-09-07-133337

 そしてこちらはキノコ?でしょうか。雨が降って地面が濡れると突然現れて、またあっという間に見えなくなる、キノコって不思議ですね。

 
IMG_2024-09-07-133312

8月28日のお稽古ー茶箱

台風10号が直撃するのではと心配していましたが、当初の予想よりはるかに台風の速度が遅くなって無事にお稽古の日を迎えることができました。赤鳥庵の前は朝から日差しも届いています。 
IMG_2024-09-01-101405

 この日のお稽古も前回に続いて茶箱です。今年初めて茶箱のお稽古をなさる方、まだあまり慣れていない方は卯の花点前、中級の許状を取られた方は花点前、上級までお持ちの方は雪点前というのが流水会で茶箱をお稽古していく順番です。

 この日はこれに月点前も加えてお稽古することにしました。月点前は香合、小羽根、ウグイス、器据といった他の茶箱点前では使わない道具を用いますが、使う道具が多い分だけ手順も増えます。雪点前にもある程度慣れている方でないと難しいのですが、この日はお二人の方が月点前に挑戦して下さいました。

 よく頑張って下さったと思います。

 茶箱の点前は実は結構好き嫌いが分かれる点前です。お好きな方はとても面白く感じられるとおっしゃいますが、嫌いな方、苦手意識をお持ちの方も少なくありません。

 流水会の皆様にいつも申し上げているのは「経験すること、慣れること」が茶箱点前では大切だということです。覚えるのは二の次でかまいません。

 裏千家では現在初級の許状を申請すると茶箱点雪月花のお許しも頂けるようになっていますが、私の頃は茶箱の許状は初級とは別で、後から申請するものでした。易しくて覚えやすい点前ではない、という認識は正しいのです。

 どんな点前も稽古を重ねていけば必ずいつかは覚えられますが、茶箱の場合それはある程度の時間がかかる、ということを知っておいていただくと少しはお気持ちが楽になるのではないでしょうか。

 最後に、お庭の様子も少しだけご紹介します。

 池の様子です。青空ではありますが雲が多いのでお天気が少し心配です。
IMG_2024-09-01-101541

 お庭に露草が咲いていました。この花が見られるのはおそらく午前の間だけ、夏の花は儚いものが多いですね。
IMG_2024-09-01-101610

  秋明菊の蕾が膨らんできました。咲くのが待ち遠しいですね。
IMG_2024-09-01-101434
 

8月21日のお稽古ー茶箱点前の特別稽古

 流水会では毎年夏に茶箱のお稽古をします。稽古は原則月二回ですが、年にたった二回ほどの稽古では茶箱の点前の習得はなかなか難しいので、今年は二回ほど余分に茶箱の特別稽古を入れました。

IMG_2024-08-22-130401

 いつものお稽古は午前中から夜までですがこの日は午後だけの稽古です。午後一時の気温は33度。曇りがちではありますが時折日射しの除く蒸し暑いお天気で、駅から茶室まで着物で歩くとそれだけで目眩がしそうなほどの暑さでしたが、茶室はよく冷房が効いて無理なくお稽古が出来ました。

 この日は雪点前がお二人、花点前と卯の花点前がお一人ずつでした。卯の花点前をなさった方は何と茶箱のお稽古自体が初めてでした。長い間お茶を習っていた方の中にも「茶箱はあまりやったことがない」とおっしゃる方は時々いらっしゃいます。

 どの点前をいつ教えるかは、教える先生の裁量に任されています。茶箱は元々野点や旅先での点前を想定して作られているので、点前の格としては高くありませんから、教えるのを省略される先生もいらっしゃるのでしょうね。
 
  ちなみに初めて茶箱の点前をなさった方の感想は「なんだかよくわからないままに終わった、でも面白かった」でした。最初はそれでいいと思います。卯の花点前のお稽古は「まず茶箱に慣れる」ことが大切なのですから。

 流水会では卯の花のお稽古で茶箱に慣れたら花点前に進みます。実はこの日花点前をお稽古された方も「はじめての花点前」でした。卯の花との大きな違いは茶碗と棗と茶杓が仕覆に包まれていることです。そこで花点前のお稽古は「仕覆の扱いに慣れる」ことを主眼にしています。

 仕覆の扱いを除けば、花点前での道具の配置は初歩で習う盆略点前にそっくりなので、それほど戸惑うことはありません。

 雪点前はお盆を使わない茶箱点前です。道具立てがシンプルでとてもよく考えられた点前です。この点前を学んでおけば、色々な応用が効きます。この日雪点前をお稽古された皆様はかなり茶箱に慣れた方々でしたが、それでも途中で手が止まることがありました。茶箱の点前を滞りなく行うのは易しいようで意外に難しいものです。

 なかなか茶箱点前が覚えられない、それはみんな一緒です。私もそうでした。

 茶箱点前を理解するためには一つの点前だけをお稽古するのではなく、複数の茶箱点前をお稽古する必要がある、というのが私の持論です。そんなわけで次回28日は月点前のご用意もしておきます。やってみたいという方はぜひ挑戦してくださると嬉しいです。

 最後にお庭の様子も少しだけご紹介します。今の時期は庭園にもあまり花がありませんが、秋に向かって生き物たちが活発に動いていました。

IMG_2024-08-22-130517

 シオカラトンボでしょうか。この日も池の上には沢山のトンボがいました。

 そしてお次は小さなトカゲです。

IMG_2024-08-22-130606

 すばしっこく動き回るのでレンズに収めるのが大変でした。

 花の少ない庭園にはこんな実が落ちていました。
IMG_2024-08-22-130648

 庭園に柿の木があったなんて今まで全然気づいていなかったのでちょっとびっくりでした。

 

 

8月7日のお稽古ー茶箱卯の花、花点前、雪点前

 8月にはお茶の稽古をお休みにする先生もいらっしゃると聞きます。昔は冷房のない茶室も多かったそうですから、そういうお部屋でお稽古するのはさぞや大変だったでしょう。

IMG_2024-08-09-142433

 今年は昨年に引き続き猛暑を超えた酷暑の夏ですが、幸い赤鳥庵は冷暖房完備の茶室です。とはいえやはり釜の前に座って点前をするには暑いので、盛夏の時期には茶箱の点前をお稽古します。

 私たちの学ぶ裏千家流には現在6種類の茶箱点前があります。この日はその中から卯の花、花、雪の点前をお稽古しました。

 卯の花は別名「茶箱の平点前」というくらいで、茶箱を習う方がまず最初に取り組む点前です。この点前では棗や茶杓、茶筅、茶巾などを置いておく台としてお盆を使い、茶碗は茶箱の蓋の上で点てます。

 一年ぶりなので皆様すっかり忘れてしまったのでは、と心配しておりましたが、不思議なものです点前座に座って茶箱を目にすると、スイッチが入るように茶箱点前の動きを思い出された方も多かったようでした。

 花点前と雪点前では棗、茶杓、茶碗がそれぞれ仕覆に入っています。茶道具を仕覆から出す、最後にまた仕覆に戻す、という手続きが加わる分、卯の花より複雑になります。 花点前ではお盆を使いますが、卯の花とは違ってお盆の上でお茶を点てます。雪点前では茶箱に掛合という一種の中蓋を付け、その掛合の上でお茶を点てます。

 茶箱点前は一つの点前だけをお稽古していても中々手順が覚えられません。複数の茶箱点前をお稽古するようになると初めて「共通のルール」「点前の種類による違い」が見えてきます。地道にお稽古を続けているとある日突然視界が開けてきますので、どうか諦めずにお稽古していただければと思います。
 
 さて、この日は午前中と午後の早い時間にお稽古に来られる方が多く、夜はAさんお一人だけでした。お稽古中に遠くで雷の鳴る音が聞こえてきたので、少し嫌な予感がしたのですが、Aさんが二回目の卯の花点前をする頃には稲妻が光り雨が降り出しました。

 そして稽古を終えて片付けを済ませた頃にはバケツをひっくり返したような大雨、帰るに帰れなくなってしまったのです。小一時間ほど赤鳥庵で雨宿りをしていたでしょうか。そろそろ最終退出時刻が迫ってきた頃、何とかタクシーを呼ぶことに成功して帰路についたのでした。

 最後に、この日の朝撮影しておいたお庭の様子もご紹介しておきます。

IMG_2024-08-09-142637

 百日紅(サルスベリ)の花、よく咲いていますね。

IMG_2024-08-09-142536

 暑い日差しの下で頑張っている河原撫子です。

IMG_2024-08-09-142722

 池には久しぶりにカルガモの姿が見えました。来年はぜひここで子育てを再開してほしいものです。


 
ギャラリー
  • 10月の抽選会
  • 10月の抽選会
  • 10月の抽選会
  • 大寄せ茶会に参加する
  • 大寄せ茶会に参加する
  • 9月25日のお稽古ー大津袋と茶通箱
  • 9月25日のお稽古ー大津袋と茶通箱
  • 9月25日のお稽古ー大津袋と茶通箱
  • 9月25日のお稽古ー大津袋と茶通箱
プロフィール

soujun

メッセージ

名前
メール
本文
アーカイブ