流水会目白だより

裏千家茶道 流水会のお稽古の様子などをご紹介しています。

茶道について

今後の稽古予定、
4月9日(水)、4月23日(水)
5月7日(水)、5月21日(水)
6月11日(水)、6月18日(水)
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淡交会と研究会のこと

 裏千家茶道を習っていると「淡交会」(たんこうかい)という名前を耳にすることがあるかと思います。淡交会とは一体何なのか、私たち茶道を学ぶ者とどういう関係があるのか、なかなかお話しする機会がないのでここで少しまとめて書いておこうと思います。

 淡交会は裏千家の傘下にある会員組織で、入門された方は必ずこの会の会員(普通会員)になります。淡交会は全国に支部があり、支部ごとに研究会(社中を超えて一緒にお点前の勉強をする会)、お茶会などの行事を行なっています。

 淡交会の一番身近な行事が「研究会」です。広い会場(東京は人見記念講堂)に集い、会員の代表の方が舞台の上で点前をしているのを客席から観ます。点前中は京都の裏千家から派遣されてきた先生が解説や指導を行います。

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 この研究会に参加できるのは「行之行」以上の許状を取得して 淡交会への正式な入会手続きを済ませて年会費を支払った方だけです。(普通会員は会費無料)

 実は淡交会の会員種別にには普通会員以外にも「正会員」「終身正会員」「終身師範会員」「特別師範会員」があり、お持ちの許状資格に応じた会員になることができます。

 この会員種別によって、出席可能な研究会の回数が変わります。東京の場合正会員は二回、終身正会員は四回、終身師範会員は五回、特別師範会員は七回(全ての研究会)です。

  研究会に行くと、京都の先生の貴重なお話が伺えますし、自分がまだやったことのない点前を見るチャンスもあります。また、研究会の会場には茶道具や足袋、茶道関連書籍などの販売コーナーもあったりします。

 実は先頃、私自身がこの研究会に出場する(つまり舞台の上に出る)機会がありました。科目は「結び帛紗花月」、花月は五人で行うので、同じ支部の四名の方々とご一緒でした。大勢の方の注目を浴びながら舞台上で花月をするというのはなかなか得難い経験でしたが、この日はお点前が当たらなかったのでお茶を一服いただいて後はほぼ座っているだけで終わってしまいました。

 お稽古でもよく申し上げておりますが、茶道を学ぶ者にとって経験は金(きん)です。淡交会に入会して研究会に参加する、チャンスが有れば舞台に出てみる、それらは大きな糧、とても良い勉強になります。

 流水会では行之行を取得された方には、淡交会への正式入会をお勧めしています。許状をお持ちで手続きがまだの方もぜひ検討してみていただきたいと思います。 

稽古場見学・体験稽古をご希望の方へ

 流水会では一年中入会を受け付けています。中にはストレートに「来月からそちらに入会したい」というご連絡をくださる方もあるのですが、必ず入会前に「稽古場の見学」または「体験稽古」をしていただくようお願いしております。

◆見学・体験とは?

 稽古場見学は文字通り「他の方が稽古をするところを見学する」、体験稽古というのは見学プラス「自分でお茶を点てる」というのをご経験いただくものです。

 基本的にはどちらも「初めてお茶を習う方」あるいは「裏千家の初心者教室を卒業した」「中学・高校の部活、大学の茶道部などでお稽古していた」という初心者の方々を想定しております。

 新たに稽古を始めるなら「春から」「新年から」と思われる方が多いのか、3月と4月、それから11月と12月は初めての方、初心者の方からのお申し込みが増えますが、茶道を始めるタイミングは「ご自身がその気になったとき」で良いと私は思います。

 ご見学にいらっしゃる方々はほとんどの方が私どものWebサイトやこのブログをよく読んでから来られるのですが、一番見落としてほしくない情報は「稽古は原則月二回」「水曜日」だということです。「朝は10時ごろから夜7時過ぎくらいまでの時間帯に目白に稽古に来ることが可能」かどうか、それができない場合は他の稽古場をお探しください。

◆茶道経験者の方へのお願い

 私がブログで稽古科目を公開しているせいでしょうか。中級以上の許状をお持ちの茶道経験者の方からのお問い合わせも時折いただいております。経験者の方にお伝えしたいのは流水会は「なんでも稽古できる場所」ではないということです。

 お茶の先生が自宅で開いている稽古場とは違って、使える道具には制限があります。大炉はありませんし、透木釜の点前などはしておりません。

 また、稽古場の赤鳥庵は豊島区の施設ですので火気厳禁のため、炭点前の稽古はしておりません。また稽古日が月2回ですので、茶事や口切などの稽古も今のところやっておりません。

 その代わりといっては何ですが、点前稽古は奥伝まで致します。稽古にこうした制約があることをご理解いただける場合に限り、入会のご相談を承っておりますので、どうぞご理解ください。

2月の抽選会

 2月2日は4月分の赤鳥庵の利用者抽選会でした。この日の参加者は30名を少し超えるくらい。思ったより多くはなかった、という感じでしょうか。
 
 3月末から4月の頭にかけては庭園のシンボルツリーであるしだれ桜が咲きます。この時期を狙って結婚式の前撮り写真などを考えている撮影関係者の方が多いのではと予想していましたが、だいたい予想どおりでした。

 もし、4月下旬の土日か祝日が予約できるようなら気候も良い時期なので小さなお茶会でも開こうかしら、という欲もあったのですが、私の抽選番号は15番目でしたので早々にあきらめてお稽古の日程を確保するのを優先しました。一巡目の予約で4月上旬、二巡目で下旬が予約できました。

 抽選で部屋を予約する以上、抽選の前にある程度作戦を立てておくことは大切です。

 もし、私がもっと若い抽選番号(たとえば1番や2番)を引いていたら、一巡目に下旬の日曜日を予約して、二巡目と三巡目でお稽古の日程を予約したでしょう。「抽選結果に応じた作戦をあらかじめ立てておく」とはそういうことです。

 起き得るであろう様々な事態を予測して柔軟に対応できるようにする、というのは私の場合、茶道のお稽古やお茶会の手伝いを通して鍛えられたように思います。当日のお天気や気温、お客様の属性(お年寄りか、若い方か、子供さんか)、それに応じて発生し得る状況(正座ができないので椅子が必要だとか、お客様が菓子切りを持ってこなかった等)を予測してあらかじめ準備しておく、それが気持ちよくお客様に過ごしていただくことにつながりますから。

 茶道を学ぶことはこうした意味でも「仕事や社会生活に役立つ」と言えるかもしれませんね。

 さて、お庭の様子も少しご紹介します。梅の開花が始まったことは前回のブログでもお伝えしましたが、この日は紅梅が咲いているのを見つけました。赤鳥庵の側から見てちょうど池の向こう側あたりです。
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 お隣の白梅はまだつぼみが固そうでした。
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 こちらは芝生広場のピンクの梅。私の自宅近くの梅園の「八重寒紅」という早咲き品種によく似ています。八重咲きは華やかですね。
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 次回は2月15日の午後に特別稽古をする予定です。




 

帛紗の手入れについて

 お茶の稽古では茶道具を清めたり、熱い釜の蓋の開け閉めしたりするときに「帛紗(ふくさ)」と呼ばれる布を使います。稽古で使う帛紗は、抹茶がついたままにしておくとだんだんその部分が黒ずんできます。汚れてしまったらどうしたら良いのでしょうか。

 帛紗は絹でできています。洗剤などで洗うとせっかくのふんわりとした絹の手触りが変わってしまったり、布地が縮んでしまったりするので、昔から「帛紗は洗わないもの」とされています。では、汚れてしまったらどうすれば良いでしょう? 

 まず、抹茶が付着したらできるだけ早めに帛紗同士をこすりあわせて抹茶を落とすことが大切です。それでもしばらく使っているとだんだん汚れが目に付くようになってきます。そうなったら新しいものと取り替えるわけですが、そうお安いものではないし、他の部分が綺麗なのにもったいないと思う方もいらっしゃるでしょう。

 私も汚れた部分を見ながら「ああ、もっと普段から抹茶を丁寧に落としておけばよかった」と感じることがよくあります。

 布同士をこすり合わせればついた抹茶が取れるのですから、何かもっと抹茶を落としやすい布地はないのでしょうか?実はあるのです。それはマイクロファイバーです。マイクロファイバーは化学繊維ですが非常に繊維が細く、これでこすると絹の布地の目に詰まった汚れも取ることができます。

 わたしたちに一番身近なマイクロファイバー、それは「めがね拭き用の布」です。お持ちの方は、まずはためしにメガネ拭きで帛紗の汚れをこすってみてください。めがね拭きをお持ちでない方は、100円ショップなどで購入することができると思います。帛紗同士をこするよりずっときれいになりますよ。

 帛紗のもう一つの敵はシワです。稽古が終わった後慌てて畳んだら、へんなところにシワがついてしまった。畳み方を間違えて不要な筋がついてしまった。そんなときはどうしたら良いのでしょう?

 アイロンをかける、というのは一つの手段ですがあまりギュウギュウ押してしまうと帛紗がつぶれてしまいます。私のお勧めは衣類用のスチーマーを使うことです。ハンガーにかけたまま蒸気でシワを伸ばす、「ハンディスチーマー」「ハンディアイロン」などと呼ばれるアレを使ってシワをとります。

 茶道具を清める帛紗は、日頃から手入れをしてなるべくきれいに保ちたいものですね。



稽古場見学・体験稽古のこと

お稽古場の赤鳥庵が工事中のため、ここ二週間ほどお稽古がなく私も寂しい思いをしています。その一方で、お稽古の見学や体験稽古のお問い合わせが増えてきました。
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私どもの流水会では、入会にあたって必ず「見学」または「体験稽古」をしていただくようお願いしております。

茶道の稽古を続けていく上で大切なことの一つが、先生や茶道教室との「相性」です。ここは自分に合いそうだな、ここでならお稽古を続けていけそうだな、と感じられるかどうかというのはとても大切なことです。

普通に何か習い事をしている時、たとえば英会話教室に通ったりスポーツクラブで何かレッスンを受けたりしている場合、ご自身の都合で他のクラスに移ったり、他の教室と掛け持ちしたりということはそう珍しいことではないと思いますが、茶道のお稽古ではそうしたことが簡単にはできませんし、そういうことはしないのがマナーだとされています。

理由は茶道の「稽古」というのが他の習いごとの「レッスン」とは少し性質の異なるものだから、とお考えください。

茶道の先生はお茶の点前の手順やお茶やお菓子をいただく時のやり方といったハウツーを伝えるだけではありません。茶道の世界観のような無形のものに触れていただく、感じていただく手引きをするという役割をお家元から与えられています。

そして有形・無形の形で受け継がれている茶道の教えを「どのようにして生徒さんに伝えるか」は指導する先生のお考え、先生ご自身が師匠から受け継いできたやり方などによってかなり大きな違いがあります。いったんこの先生の元で習おうと決めたら、その先生の方針にしたがって稽古を続けていくことになります。
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といっても、これからお茶のお稽古をはじめようという方、また稽古をはじめてからまだ日の浅い方にはこの「先生による違い」というのがどういうことなのかを想像するのは難しいことでしょう。

そこで大切にしてほしいのは皆様の「直感」です。最初にメールや電話で先生と接したときの印象、実際に稽古場に行ってみて感じる雰囲気、他の生徒さんたちの様子、そういったところにそのお茶の先生のお人柄や伝えようとするお茶の世界観が滲み出ているものなのです。

これから新たにお茶のお稽古を始めてみたいとお考えの方には、流水会だけでなく二、三箇所のお稽古場を見学することをお勧めしております。そうすることで「稽古場の雰囲気」「先生との相性」というのがどういうことなのかを多少なりとも実感していただくことができると思います。

そしてもう一つ大事なことなのですが、いったんお茶の稽古を始めたら、他の教室や他の先生のところに見学には行くのはどうかご遠慮ください。二箇所で習った方が早く上達する、効率よく習えるということはありません。ただ混乱するだけです。

「でも、今習っている教室でのコースがまもなく終わってしまうので次の稽古場を探したいのに」という方は、まず現在の稽古に集中してください。そのコースが終了する頃には先生から次のステップについて何らかのご案内があるはずです。それを待ちましょう。 

仕事の都合やご家族の事情で今までの稽古が続けられなくなりそうだから、別の稽古場を探したいという場合はまずご自身の先生に相談してみましょう。稽古日が変更できるかもしれないし、別の場所でお稽古してくださるかもしれません。

流水会では随時稽古場の見学・体験稽古を受け付けておりますが、上記のような理由から「現在、他の先生からお茶を習っている」ということが判明した際は、お申し込みをお断りしております。この点についてはどうかご了承いただきますようお願い申し上げます。
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