10月29日は風炉最後の特別稽古を行いました。流水会の通常稽古は午前から夜まで、それぞれの皆様の進捗に応じた科目をお稽古していますが、特別稽古は午後のみまたは午前から夕方までの時間帯に科目を絞って行っています。

 この日のお稽古は上級点前の行之行と台子を使った平点前でしたが、風炉の最後でもありますのでもう一箇所常据の点前座を作って、更好棚で濃茶薄茶平点前の復習をしました。

IMG_2025-10-30-125151

 この写真は竹台子を置いた方の点前座になります。通常の点前とは違って建水、柄杓などもあらかじめ飾られています。

 風炉の行之行の点前については奥伝ですので公開はできませんが、それまでに習ってきた台子の濃茶平点前、唐物、台天目、盆点などの要素が盛り込まれたお点前で、習得するには何度も繰り返しお稽古を重ねる必要があります。

 この日はお二人の方が行之行、三人の方が台子での濃茶平点前をお稽古されました。時間の都合で台子薄茶平点前は一回しかできなかったのですが、両方をご覧になった方は釜の蓋の開け閉めや拝見のタイミングなど細かな違いがいくつかあることがお分かりになられたのではないでしょうか。

 流水会では台子を使う奥伝稽古があるたびに、台子平点前のお稽古もしていますが、そのおかげなのか皆さま火箸の扱いなども随分と上手にできる様になっていて驚きました。

 他方、更好棚の濃茶薄茶も皆さま危なげなくできる様になりました。10月は二週続けて中置でお稽古をしておりましたので、混乱してしまわないかと案じておりましたがそんなこともありませんでした。

 夕方にお稽古が終わるので、普段はお釜やポットの片付けなどしたことのない方が手伝ってくださったのですが、手に熱いお湯がかかってしまうトラブルがありました。すぐに水道水で冷やして大きな火傷にはなりませんでしたが、こうしたところでも日頃やり慣れているかどうかの違いが出てきます。

 お茶の稽古というのは、まず点前の練習から始まりますが、その前に道具を準備して湯を沸かし、床や点前座を整え、点前を終えたらそれらを全て元の様に片付ける、というところまで全てが稽古です。どの様にして準備が行われ、またそれらが仕舞われるのか、多くの方はご存知ありません。

 夕方で終わる特別稽古は普段見られない片付けの様子を見る絶好の機会でもあります。茶道具の箱の紐の縛り方、軸の上げ方、釜の片付けなどは人のやっている様子を見ながら覚えていくものですので、時間に余裕のある日はぜひ点前稽古以外にも参加していただきたいと思います。

 さて、最後は恒例のお庭の様子です。

 朝から青空の見える爽やかなお天気、と言いたいところですがもはや少し肌寒いくらいの陽気になりました。

IMG_2025-10-30-125305

 赤鳥庵の前では秋明菊が咲いていました。

IMG_2025-10-30-125225

 こちらの青い花はイトシャジンでしょうか、キキョウの仲間ですが下向きに咲くのですね。

IMG_2025-10-30-125419

 そして、またしてもアオサギです。この日は飛んでいる姿もよく見えました。

IMG_2025-10-30-125501


IMG_2025-10-30-125335

 次回の稽古からはいよいよ炉になります。お楽しみに。