12月11日は約一ヶ月ぶりの流水会のお稽古日でした。

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 しばらくお茶室に来ない間にいつのまにか冬の気配が漂っています。季節のうつりかわりが早い、というより夏と冬に挟まれてあっという間に秋が過ぎていった感があります。

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 こちらの掛け軸は毎年12月になると流水会の稽古に登場します。書かれている言葉は「時不待人」時人を待たず、と読むのだと思います。時間はどんどん流れていく、だからこそ私たちは目の前にある一つ一つのことを大切にしていきたいですね。

 この日のお稽古は数日後に控えた青年部にお茶会に出られる方々はそのお稽古、それ以外の皆様は濃茶平点前、唐物、台天目などそれぞれの進捗に合わせてお稽古を致しました。

 お茶会に出るというのは人前で点前をするだけではありません。半東としてお菓子を出したり、お茶碗を取り次いだり、亭主役としてお正客とお話をする仕事もあります。今回初めて亭主の役をすることになった方には当日のお道具を説明する練習もしていただきました。

 青年部のお茶会で使う茶道具は皆様が持ち寄られたり、先生方からお借りしたものを使うことになりますので、全てのお道具の名前を覚えてお客さまに説明するだけでもなかなか大変ですが、ご自身にできる精一杯の準備をすればよい、とお話ししました。

 たとえ手元のメモを読みながらの説明であっても、お客様にきちんとお伝えしようと言う気持ちが伝わればそれでも構いません。お茶会の亭主は誠実にお客さまに向き合うことが一番大切なのですから。

 濃茶のお稽古の皆様は炉の季節ならではの中蓋、中じまいといった手順を覚えることに、また唐物、台天目の点前をお稽古された皆様にはそれぞれの道具の扱い方を知って頂くことに主眼を置いてお稽古を致しました。

 目新しい形の茶入や茶碗、茶杓、そして初めて見る帛紗の捌き方、中級以上のお点前は道具の扱いだけでなく手順にもこれまでちは違う部分が多々ありますが、ぜひしっかりと身につけていただきたいと思います。

 最後に簡単にお庭の様子をご紹介しておきましょう。赤鳥庵の紅葉はもう盛りを過ぎていました。それでもまだ一部に赤や黄色の木々が見えます。

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  こちらはマンリョウの実です。

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  よく似た赤い実を付ける千両は葉の上に実がなるもですが、マンリョウは葉の下側に木からぶら下がるような形で実がなります。小さなさくらんぼのようにも見えますね。

 この日の池にはカルガモも数羽訪れていました。来年はまたここで雛を育ててくれると良いのですが、春が来る前にはまた水を抜いての清掃が行われるそうです。カルガモたちに見限られてしまわないと良いのですが。