6月になって、日差しが一段と強くなりました。最近はお天気も曇りがちですがこの日は朝から澄んだ青空、絶好のお稽古日和です。

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 お稽古科目は久しぶりの貴人点と貴人清次です。貴い人と書いて貴人(きにん)、これは生まれつき身分の高い人、つまり皇族や貴族を指す言葉です。貴人点は貴人お一人にお茶を差し上げる点前、貴人清次は貴人とそのお供の方々にお茶を差し上げる点前で、どちらも濃茶点前、薄茶点前があります。

 貴人点や貴人清次では貴人茶碗と呼ばれる形状のお茶碗を使います。お菓子を供する器も高杯と呼ばれる脚のついたものを使います。あいにくこれらの茶道具は赤鳥庵にはありません。

 そうした理由もあって、なかなかお稽古ができずにいたのですが、中級の許状を取得された方も増えてきましたので久しぶりにお稽古してみることにしました。

 貴人点は茶碗の扱い方がきちんとできればさほど難しい点前ではありませんが、貴人清次には皆様苦戦していました。貴人(清)用とお供用、茶碗と茶巾と茶筅を二組使います。油断しているとお供の茶碗なのに貴人の茶筅を使ってしまいます。

 そんな時は「打ち首になりますよ」とご注意するのですが、現代に生きる私たちは幸い生まれつきの身分の差がほとんどない社会に暮らしていますので、「身分の差で使う茶筅を変える」には相当意識していないとできません。

 貴人清次の稽古では、客側のお一人に「お姫様」「お殿様」になっていただきます。一人だけ座布団に座り、お菓子もお茶も拝見のお道具も全て目の前に運ばれてきますので、普段の客の稽古とは違った気分が味わえたのではないでしょうか。

 逆にお供の者になられた方は、貴人に茶碗や拝見の道具を取り次いだり、それをまた返したりとなかなか忙しかったかと思います。

 点前や客の稽古を通じて、身分に差があった時代の動きを追体験できるという点で貴人点や貴人清次はとても興味深い科目だと言えるでしょう。

 この日は他にも濃茶平点前に初めて挑戦された方、唐物の点前をされた方もあり、それぞれの方がご自身の進捗に合わせてお稽古しました。貴人点の出来なかった方からもぜひやってみたいというお声が上がりましたので、次回もご用意はしておく予定です。

 最後にこの日の庭園から写真を何枚かご紹介します。
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 こちらは桔梗の花。桔梗は秋の七草の一つに数えられますが、最近は6月ごろから花が見られます。

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 そしてこちらは前回もご紹介したヒメシャラです。庭園入り口近くのヒメシャラの木は花がほぼ終わってしまいましたが、池の方から芝生広場に向かう途中にある木はまだ沢山の花が咲いていました。写真に写っている黒いものは昨年できた実だと思います。

 芝生広場の横では八重のクチナシが咲いていました。良い香りです。

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 次回のお稽古は二週間後、去年の6月は庭園の池で生まれ育ったカルガモたちで大渋滞でしたが、今年はまだ雛誕生のニュースを聞きません。春先にずっと池のメンテナンスで水を抜いたりしていた影響でしょうか。