「開炉」に続く十一月の行事といえば「口切」です。現代では抹茶は一年中新鮮なものがいつでも求められるようになりましたが、昔はそうはいきませんでした。茶師に預けておいた茶壺が届けられ、その口を切って初めて新茶を味わう「口切」は、一年のうちに最も美味しいお茶がいただける、心弾む行事だったのでしょう。そんな昔の茶人の気持ちを皆様にも知っていただこうと、この日は茶壺を出しました。
茶壺は網に入れて床にかざっておきます。この茶壺をお客様に拝見に出すのが「壺荘」(つぼかざり)というお稽古です。亭主役の方は茶壺を床からおろし、網を外して拝見に出します。お客さまになった方は畳の上で壺を転がすようにして全体を拝見します。拝見が終わると亭主はもういちど茶壺を網に入れて水屋に下がります。
本当の「口切の茶事」でしたら 、この茶壺から葉茶を取り出し、懐石の間に茶臼で挽いて抹茶にし、後座では茶入や棗に入れて、お点前をすることになります。後座になると茶壺は網から出して、写真のように口に紐を結んでおきます。
正面は真の結び、左が行、右が草の結びです。昔はそれぞれの家で結び方を工夫して、他人が簡単には壺を開けられないように(中に毒などを入レられないように)していたそうですが、裏千家ではこの結び方は公開されています。
この日のお稽古では、皆さんに唐物のお点前を一回ずつしていただいた後、昼は「壺荘付き花月」を一回、夜は「壺荘」を一回やりました。壺荘のお稽古は小習十六箇条に含まれていますので、初級の許状をお持ちの方ならお稽古できることになっていますが、実際にお稽古をする機会はあまりありません。この日初めて茶壺をご覧になったという方もいらしたので、お稽古できて良かったと思います。
お茶室の外、目白庭園はもうすっかり秋の装いになりました。管理の方のお話では三日ほど前から一気に色づき始めたとのことです。
茶壺は網に入れて床にかざっておきます。この茶壺をお客様に拝見に出すのが「壺荘」(つぼかざり)というお稽古です。亭主役の方は茶壺を床からおろし、網を外して拝見に出します。お客さまになった方は畳の上で壺を転がすようにして全体を拝見します。拝見が終わると亭主はもういちど茶壺を網に入れて水屋に下がります。
本当の「口切の茶事」でしたら 、この茶壺から葉茶を取り出し、懐石の間に茶臼で挽いて抹茶にし、後座では茶入や棗に入れて、お点前をすることになります。後座になると茶壺は網から出して、写真のように口に紐を結んでおきます。
正面は真の結び、左が行、右が草の結びです。昔はそれぞれの家で結び方を工夫して、他人が簡単には壺を開けられないように(中に毒などを入レられないように)していたそうですが、裏千家ではこの結び方は公開されています。
この日のお稽古では、皆さんに唐物のお点前を一回ずつしていただいた後、昼は「壺荘付き花月」を一回、夜は「壺荘」を一回やりました。壺荘のお稽古は小習十六箇条に含まれていますので、初級の許状をお持ちの方ならお稽古できることになっていますが、実際にお稽古をする機会はあまりありません。この日初めて茶壺をご覧になったという方もいらしたので、お稽古できて良かったと思います。
お茶室の外、目白庭園はもうすっかり秋の装いになりました。管理の方のお話では三日ほど前から一気に色づき始めたとのことです。