流水会目白だより

裏千家茶道 流水会のお稽古の様子などをご紹介しています。

2025年10月

今後の稽古予定、
11月12日(水)
12月3日(水)、12月17日(水)、12月24日(水)
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10月29日のお稽古ー特別稽古 行之行など

 10月29日は風炉最後の特別稽古を行いました。流水会の通常稽古は午前から夜まで、それぞれの皆様の進捗に応じた科目をお稽古していますが、特別稽古は午後のみまたは午前から夕方までの時間帯に科目を絞って行っています。

 この日のお稽古は上級点前の行之行と台子を使った平点前でしたが、風炉の最後でもありますのでもう一箇所常据の点前座を作って、更好棚で濃茶薄茶平点前の復習をしました。

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 この写真は竹台子を置いた方の点前座になります。通常の点前とは違って建水、柄杓などもあらかじめ飾られています。

 風炉の行之行の点前については奥伝ですので公開はできませんが、それまでに習ってきた台子の濃茶平点前、唐物、台天目、盆点などの要素が盛り込まれたお点前で、習得するには何度も繰り返しお稽古を重ねる必要があります。

 この日はお二人の方が行之行、三人の方が台子での濃茶平点前をお稽古されました。時間の都合で台子薄茶平点前は一回しかできなかったのですが、両方をご覧になった方は釜の蓋の開け閉めや拝見のタイミングなど細かな違いがいくつかあることがお分かりになられたのではないでしょうか。

 流水会では台子を使う奥伝稽古があるたびに、台子平点前のお稽古もしていますが、そのおかげなのか皆さま火箸の扱いなども随分と上手にできる様になっていて驚きました。

 他方、更好棚の濃茶薄茶も皆さま危なげなくできる様になりました。10月は二週続けて中置でお稽古をしておりましたので、混乱してしまわないかと案じておりましたがそんなこともありませんでした。

 夕方にお稽古が終わるので、普段はお釜やポットの片付けなどしたことのない方が手伝ってくださったのですが、手に熱いお湯がかかってしまうトラブルがありました。すぐに水道水で冷やして大きな火傷にはなりませんでしたが、こうしたところでも日頃やり慣れているかどうかの違いが出てきます。

 お茶の稽古というのは、まず点前の練習から始まりますが、その前に道具を準備して湯を沸かし、床や点前座を整え、点前を終えたらそれらを全て元の様に片付ける、というところまで全てが稽古です。どの様にして準備が行われ、またそれらが仕舞われるのか、多くの方はご存知ありません。

 夕方で終わる特別稽古は普段見られない片付けの様子を見る絶好の機会でもあります。茶道具の箱の紐の縛り方、軸の上げ方、釜の片付けなどは人のやっている様子を見ながら覚えていくものですので、時間に余裕のある日はぜひ点前稽古以外にも参加していただきたいと思います。

 さて、最後は恒例のお庭の様子です。

 朝から青空の見える爽やかなお天気、と言いたいところですがもはや少し肌寒いくらいの陽気になりました。

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 赤鳥庵の前では秋明菊が咲いていました。

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 こちらの青い花はイトシャジンでしょうか、キキョウの仲間ですが下向きに咲くのですね。

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 そして、またしてもアオサギです。この日は飛んでいる姿もよく見えました。

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 次回の稽古からはいよいよ炉になります。お楽しみに。

10月15日のお稽古ー中置,五行棚

 10月二回目のお稽古の日は曇り空、ようやく少し気温も下がって来て袷の着物が着られる様になりました。赤鳥庵の前の木々も葉を落とし出して以前より空が見える様になって来ました。

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 お稽古はこの日も中置です。前回のお稽古では全員小板でお点前をしていただきましたが、この日は二つの点前座のうちの一つに五行棚を据えました。

 五行棚は裏千家十一代のお家元、玄々斎が考案された一重棚で、棚の中に風炉と釜がすっぽりと収まる中置の時期だけに用いられるお棚です。普通小棚で点前をする際は地板に水指を置きますが、五行棚には水指を置くスペースはありませんので小板の中置の時と同様に細水指を運び出してお点前をします。

 実はこの五行棚、地板の大きさが大板と同じなのです。ですから蓋置と柄杓を置く位置は大板の時と同じく地板の上になります。

 また、濃茶の時は天板左手前角に仕覆を置くことができますので、小板の時の様に勝手付側が混雑したりはしません。その点ではかなりお点前はしやすいのですが、ちょっと位置決めが甘いと今度は柄杓を置くときに茶杓に手が当たったりします。

 中置で点前をする時は小板であれ、五行棚であれ、「道具を正しい位置に置く」ことができないと点前に支障が出ますので、その点を注意しながらお稽古を致しました。

 五行棚では点前の最後に柄杓と蓋置をかざることができます。濃茶の時は天板に棗がありますので柄杓はその左側にまっすぐ引くのですが、薄茶の時は少し飾り方が変わります。濃茶点前だけしかご覧にならなかった方は、薄茶の時はどうなるのかぜひ考えてみてください。

 この日の午後はもう一つ、お茶会のお稽古もしました。今月末に青年部のお茶席でお点前をすることになった方がありましたので、常据(じょうずえ、中置ではないいつもの風炉の位置)に渚棚を置いての薄茶点前です。

 お茶会の場合は主茶碗の他に替え茶碗、しまい付け様の茶碗と合計三碗を使いますので、普段のお稽古とはやや勝手が違うところがあります。何よりいつもお稽古している茶室とは別の場所で、知らないお客様の視線を浴びてお点前しますから緊張感もあります。

 ですから、以前にお稽古したことのある点前であっても、やはり本番前にしっかり点前をして確認することはとても大切です。

 この日は見学者の方もなく、お休みの方が何人かありましたので夜は少し早めにお稽古を終えました。夕方から降り出した雨も止み、無事に家路につきました。

 最後に恒例のお庭の様子をご紹介しておきます。

 赤鳥庵の前では次々とホトトギスが咲き出しています。これからが見頃です。

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 この緑色の実はマンリョウです。赤く色づく頃には冬がやってきます。

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 池の向こう側で見られる白萩です。
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 ススキの穂の向こうに赤鳥庵が見えます、でも赤鳥庵の中からはこのススキは見えません

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10月8日のお稽古ー中置・小板

 10月に入りますとさすがに朝夕は少し涼しくなって来ました。空の色もそよぐ風も秋の訪れを告げています。

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 茶道の世界では10月は中置といって風呂を畳の左右センターに据えて点前をします。この日は中置でじっくりと薄茶、濃茶の平点前をお稽古致しました。

 風炉と釜を畳の中央に置くと、いつもより風炉の右側の空間が狭くなりますので、棚を置くことができません。どうするかと言えば棚は使わずに全て運びで点前を致します。また、中置の時は細水指と呼ばれる口径が小さく背の高い水指を用います。この水指はいつもと反対の側、風炉の勝手付側に置くのです。

 となると蓋置はどこに置けばいいのか、柄杓はどうやって引くのか等々さまざまな茶道具の配置がいつもとは少しずつ違って来ます。お点前自体は平点前であっても、茶道具を置く位置が異なると言うのがこの中置の点前の特徴です。

 ただ、お点前の手順そのものは風炉の平点前ですので、さほど時間はかかりません。流水会ではお稽古に来られるとお点前を一回、お客様を一回するというのがお約束ですが、この日は濃茶と薄茶、両方のお点前をお稽古された方も何人かいらっしゃいました。

 点前の回数が増えるとお茶をいただく回数もその分だけ増えますので、お菓子が足りなくならないか少し心配でしたが、幸い台湾旅行のお土産にお菓子を買って来てくださった方がありましたので、皆さんと一緒に私も頂きました。

 緑豆の粉を使って落雁のように型で固めたものでしたが、台湾では夏の時期は小豆ではなく緑豆をお菓子に使うことが多いのだそうです。面白いですね。

 この日のお稽古は全て小板中置で行いましたが、風炉の敷板にはもう一つ大板という一回り大きい板を使うことができますので,今月2回目のお稽古では大板を使ってみようと思います。

 最後は恒例のお庭紹介です。秋の花が少しずつ見られるようになって来ました。赤鳥庵の前ではホトトギスが咲き始めました。花や葉に見られる斑点が鳥のホトトギスに似ていることからついた名前です。秋の茶花としてもよく使われます。

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 お庭の白萩も咲いていました。白い萩はミヤギノハギの変種だと聞いたことがあります。ここ目白庭園では池に大きく枝を張り出している姿が茶室の中からもよく見えます。

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 コムラサキの実も良い色に染まって来ました。庭園には白式部、あるいはシロミノコムラサキと呼ばれる白い実をつける品種もあるのですが、写真を撮るのが難しい場所にあって遠目で見るのがやっとです。

 こちらの実はシャリンバイですね。コムラサキより大きな実、ブルーベリーに似ていますが食べるには不向きです。

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 そしてこの日も現れたアオサギ。すっかりこの池が気に入ったのでしょうか。相変わらずカルガモは現れません。

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ギャラリー
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  • 10月29日のお稽古ー特別稽古 行之行など
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