流水会目白だより

裏千家茶道 流水会のお稽古の様子などをご紹介しています。

2024年08月

今後の稽古予定、
10月9日(水)、10月16日(水)
11月6日(水)、11月13日(水)
12月11日(水)、12月25日(水)
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8月21日のお稽古ー茶箱点前の特別稽古

 流水会では毎年夏に茶箱のお稽古をします。稽古は原則月二回ですが、年にたった二回ほどの稽古では茶箱の点前の習得はなかなか難しいので、今年は二回ほど余分に茶箱の特別稽古を入れました。

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 いつものお稽古は午前中から夜までですがこの日は午後だけの稽古です。午後一時の気温は33度。曇りがちではありますが時折日射しの除く蒸し暑いお天気で、駅から茶室まで着物で歩くとそれだけで目眩がしそうなほどの暑さでしたが、茶室はよく冷房が効いて無理なくお稽古が出来ました。

 この日は雪点前がお二人、花点前と卯の花点前がお一人ずつでした。卯の花点前をなさった方は何と茶箱のお稽古自体が初めてでした。長い間お茶を習っていた方の中にも「茶箱はあまりやったことがない」とおっしゃる方は時々いらっしゃいます。

 どの点前をいつ教えるかは、教える先生の裁量に任されています。茶箱は元々野点や旅先での点前を想定して作られているので、点前の格としては高くありませんから、教えるのを省略される先生もいらっしゃるのでしょうね。
 
  ちなみに初めて茶箱の点前をなさった方の感想は「なんだかよくわからないままに終わった、でも面白かった」でした。最初はそれでいいと思います。卯の花点前のお稽古は「まず茶箱に慣れる」ことが大切なのですから。

 流水会では卯の花のお稽古で茶箱に慣れたら花点前に進みます。実はこの日花点前をお稽古された方も「はじめての花点前」でした。卯の花との大きな違いは茶碗と棗と茶杓が仕覆に包まれていることです。そこで花点前のお稽古は「仕覆の扱いに慣れる」ことを主眼にしています。

 仕覆の扱いを除けば、花点前での道具の配置は初歩で習う盆略点前にそっくりなので、それほど戸惑うことはありません。

 雪点前はお盆を使わない茶箱点前です。道具立てがシンプルでとてもよく考えられた点前です。この点前を学んでおけば、色々な応用が効きます。この日雪点前をお稽古された皆様はかなり茶箱に慣れた方々でしたが、それでも途中で手が止まることがありました。茶箱の点前を滞りなく行うのは易しいようで意外に難しいものです。

 なかなか茶箱点前が覚えられない、それはみんな一緒です。私もそうでした。

 茶箱点前を理解するためには一つの点前だけをお稽古するのではなく、複数の茶箱点前をお稽古する必要がある、というのが私の持論です。そんなわけで次回28日は月点前のご用意もしておきます。やってみたいという方はぜひ挑戦してくださると嬉しいです。

 最後にお庭の様子も少しだけご紹介します。今の時期は庭園にもあまり花がありませんが、秋に向かって生き物たちが活発に動いていました。

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 シオカラトンボでしょうか。この日も池の上には沢山のトンボがいました。

 そしてお次は小さなトカゲです。

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 すばしっこく動き回るのでレンズに収めるのが大変でした。

 花の少ない庭園にはこんな実が落ちていました。
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 庭園に柿の木があったなんて今まで全然気づいていなかったのでちょっとびっくりでした。

 

 

8月7日のお稽古ー茶箱卯の花、花点前、雪点前

 8月にはお茶の稽古をお休みにする先生もいらっしゃると聞きます。昔は冷房のない茶室も多かったそうですから、そういうお部屋でお稽古するのはさぞや大変だったでしょう。

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 今年は昨年に引き続き猛暑を超えた酷暑の夏ですが、幸い赤鳥庵は冷暖房完備の茶室です。とはいえやはり釜の前に座って点前をするには暑いので、盛夏の時期には茶箱の点前をお稽古します。

 私たちの学ぶ裏千家流には現在6種類の茶箱点前があります。この日はその中から卯の花、花、雪の点前をお稽古しました。

 卯の花は別名「茶箱の平点前」というくらいで、茶箱を習う方がまず最初に取り組む点前です。この点前では棗や茶杓、茶筅、茶巾などを置いておく台としてお盆を使い、茶碗は茶箱の蓋の上で点てます。

 一年ぶりなので皆様すっかり忘れてしまったのでは、と心配しておりましたが、不思議なものです点前座に座って茶箱を目にすると、スイッチが入るように茶箱点前の動きを思い出された方も多かったようでした。

 花点前と雪点前では棗、茶杓、茶碗がそれぞれ仕覆に入っています。茶道具を仕覆から出す、最後にまた仕覆に戻す、という手続きが加わる分、卯の花より複雑になります。 花点前ではお盆を使いますが、卯の花とは違ってお盆の上でお茶を点てます。雪点前では茶箱に掛合という一種の中蓋を付け、その掛合の上でお茶を点てます。

 茶箱点前は一つの点前だけをお稽古していても中々手順が覚えられません。複数の茶箱点前をお稽古するようになると初めて「共通のルール」「点前の種類による違い」が見えてきます。地道にお稽古を続けているとある日突然視界が開けてきますので、どうか諦めずにお稽古していただければと思います。
 
 さて、この日は午前中と午後の早い時間にお稽古に来られる方が多く、夜はAさんお一人だけでした。お稽古中に遠くで雷の鳴る音が聞こえてきたので、少し嫌な予感がしたのですが、Aさんが二回目の卯の花点前をする頃には稲妻が光り雨が降り出しました。

 そして稽古を終えて片付けを済ませた頃にはバケツをひっくり返したような大雨、帰るに帰れなくなってしまったのです。小一時間ほど赤鳥庵で雨宿りをしていたでしょうか。そろそろ最終退出時刻が迫ってきた頃、何とかタクシーを呼ぶことに成功して帰路についたのでした。

 最後に、この日の朝撮影しておいたお庭の様子もご紹介しておきます。

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 百日紅(サルスベリ)の花、よく咲いていますね。

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 暑い日差しの下で頑張っている河原撫子です。

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 池には久しぶりにカルガモの姿が見えました。来年はぜひここで子育てを再開してほしいものです。


 

7月31日の稽古ー茶会形式のお稽古

 7月最後の水曜日には初めての試みとしてお茶会形式のお稽古を致しました。

 お茶を習っているのにまだ一度も正式なお茶会に参加したことがない、お茶会と言われると何かハードルが高そう、そうお感じの方は意外に多いものです。そこで今回は「お茶会のお客様」「お茶会の亭主側」の両方を、お稽古という形で経験していただくことにしました。

 お客様になられた皆様には席入りの仕方、床の間や点前座の拝見の仕方など、亭主側になられた皆様にはお茶会の時の点前の仕方、半東のお稽古、水屋でのお菓子の準備、お菓子やお茶を出すタイミング、下げるタイミングなど、どちらも普段のお稽古ではあまりできないことを体験していただきました。

 何名かの方にはお花と茶碗を持ち寄っていただいて、花入に花を入れてみる、自分の茶碗でお茶を点ててお客様に差し上げるということもしていただきました。

 ランチタイムには「お茶会の点心(ちょっとしたお昼ご飯)」にはどのようなものが相応しいか、と言ったお話もしました。

 この日は約十名のほどの方がご参加くださったのですが、暑い最中というのに気合を入れて着物で来られた方も多く、中には「初めて着物を来てお点前しました」という方もありました。

 私も気合を入れてこの日は床の間などもお茶会の形式でご用意したのですが、お稽古に気を取られすぎて写真を撮るのをすっかりわすれてしまいました。下の写真は待合の床の間の飾りとして何を使おうかと家で検討した時のものです。

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 ガラスの大皿に水を張って梶の葉に見立てたコウゾの葉を入れてあります。梶の葉といえば葉蓋、そして葉蓋といえば七夕、と裏千家のお茶を学んでいる方なら容易に連想がはたらきます。

 実はこの日の茶会の趣向は七夕でした。他にも七夕にちなんだ茶道具を使いましたが、どんなお道具だったのかは参加された方だけの楽しみとしてここには記さないでおきます。

 茶会形式のお稽古は初めてでしたが、皆様にもお茶会では何が行われるのか、そのためにどんなことを知っていたら良いのか、お茶会はどんなところが楽しいのか、何か一つくらいは伝わったのではないかなという手ごたえを感じることができました。


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