流水会目白だより

裏千家茶道 流水会のお稽古の様子などをご紹介しています。

2023年05月

今後の稽古予定、
10月9日(水)、10月16日(水)
11月6日(水)、11月13日(水)
12月11日(水)、12月25日(水)
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5月24日のお稽古ー茶筅荘など

 前日の冷たい雨もあがって、五月2回目の流水会のお稽古は爽やかな晴天に恵まれました。
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 流水会では皆様のお時間が集中して混雑ないように、予約の時点である程度配分をしてはいるのですが、中にはお稽古日の直前にならないと翌日の仕事のスケジュールが判明しないという方もいらっしゃいます。この日は夕方から夜間にかけてお稽古が集中してしまいました。

 とくに、夜の時間にお仕事を終えてからお稽古という方が多かったので、久しぶりにお稽古にきてくださったのにお稽古時間が十分に取れなかった方もいらして、大変申し訳なく思いました。

 実を言うと前回のお稽古までは逆に夜の時間がとても空いていて「お稽古に来られる方を新たに募集した方がいいだろうか」と考えていたくらいだったのです。皆様のお仕事の波を読むことまではなかなかできません。

 さて、この日の稽古では主に濃茶と薄茶の茶筅荘(ちゃせんかざり)をお稽古しました。前回から風炉に切り替わったばかりですので、まだまだ皆さんところどころお点前がギクシャクしている印象です。

 この日も部屋に入ってから畳の中央に座るのか、右に座るのかを迷う人が続出しました。この日お稽古した茶筅荘というお点前は平点前と微妙に手順に違いがあって、そこでも迷う人が多かったです。

 「どうして自分は間違えてばかりいるのだろう、なぜ覚えられないのだろう」と悩むこともあるかと思うのですが、茶道の点前というのは半分以上は「慣れ」です。あきらめずに繰り返しお稽古を続けていけばいずれ点前の手順や所作は自分のものになります。ただ、慣れるまでの時間は人によって個人差がありますので、他人とは比べない方が良いと思います。

 お茶のお稽古で大切なことは、自分の頭と体と心をフル稼働させて集中してお点前をすること、うまくいかないことがあっても「できなかった自分」を決して見捨てないこと、そして稽古の時間を自分なりに楽しむことであると私は考えています。

 「今日のお菓子は美味しかった」「茶花の名前を覚えた」「茶入の紐が結べた」「点てたお茶が美味しかったと言ってもらった」など「今日お稽古に来てよかったこと」を毎回一つで良いのでご自身の糧にしていただければ何よりです。

 さて、恒例のお庭の様子ですが、この日は紫陽花(アジサイ)と未央柳(ビヨウヤナギ)の花が咲いていました。

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 水色の額紫陽花の花は涼しげで爽やかです。

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 目白庭園には未央柳がたくさんあります。柳とついていますが柳の仲間ではありません。葉の形が柳に似ているというのが名前の由来だそうです。未央は中国にある未央宮という宮殿の名から取られています。未央宮の柳を見て玄宗皇帝が楊貴妃の眉毛を思い出したという唐時代の詩人白居易の「長恨歌」の一節が元になっているようです。

 こちらは池の様子です。
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 カルガモの雛たちも成長してずいぶんとカモらしい見た目になりました。でも、稽古中には相変わらず「キュキュキュキュキュ」という雛独特の声が何度も聞こえてきました。「ガァガァ」というアヒルによく似た声で鳴くようになるまでまだもう少しかかりそうですね。

 

5月10日のお稽古ー茶花を入れる、桑小卓の点前

 5月になりました。赤鳥庵前の青楓が青空に映えて見事です。

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 世間ではマスクを外す方が増えてきました。今後はマスクの着用は個人の判断に任せるというのが国の方針となり、裏千家のお家元からもその方針に準ずるお達しがありましたが、流水会ではこの日も引き続き皆様にマスクの着用をお願いいたしました。

 お稽古に来られる方の中にはいわゆる「高リスク」の方もいらっしゃいます。お互いを思いやるというのが茶道においては最も大切です。誰もが安心してお稽古できるようにするためのマスク着用ですので、どうかご理解いただきたいと思います。

 さて、茶道の世界では5月は大きな節目です。前年の11月から使ってきた炉を閉じ、畳を敷きかえて5月からは風炉を使ってのお稽古となります。

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 掛軸は「和敬清寂」です。この四文字が茶の心のすべてを表すと言われています。いつもと違って花入がたくさん飾ってあります。この日はお花が多く手に入ったので、皆様にもお花を入れていただきました。

 「茶道のお稽古なのに花?」と思われた方もあるかもしれませんが、茶室に花は欠かせません。茶道の花は「茶花」と呼びます。華道とは違って少ない本数を自然な形に見えるように花入に入れます(「花を活ける」とは言いません)。

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 上の写真では細長い唐銅(からかね)の花入に、花菖蒲を一本だけ入れています。茶花は茶席の主役ではありませんから、技巧を凝らしてたくさんの花を入れるのではなく、さりげなく、あっさりとした姿にする方が良いとされています。

 畳の床に唐銅の花入を置くときは上の写真のように薄板を敷きます。薄板、花入、花の三つが揃って初めて茶花になります。花入の種類によっては薄板を用いないものもありますし、床柱に掛けて用いる掛け花入というものもあります。

 お点前の稽古も大切ですが、掛軸や茶花など床のしつらえは茶室には欠かせないものですから、こうしたことも少しずつ稽古を通じて覚えていただければ幸いです。

 さて、この日のお点前では桑小卓(くわこじょく)と丸卓(まるじょく)を使いました。桑小卓はふだんのお稽古ではあまり使っていないので、初めてご覧になった方もいらっしゃったかと思います。この棚は点前の最後に柄杓と蓋置を飾る位置が変わっています。

 桑小卓を使うときは建水に平建水という底面が広く底の浅い建水を用います。 お点前の最後にこの建水に蓋置を入れて、棚の下の段に飾るというのが桑小卓の面白いところです。

 この日は薄茶平点前、濃茶平点前など基本のお点前を中心にしました。少し慣れている方には続き薄茶(濃茶に続いて薄茶をする点前)にも挑戦していただきました。中には久しぶり(あるいは初めて)の風炉のお稽古に戸惑う方もいらっしゃいましたが、これから少しずつ慣れていきましょう。

 お庭の写真も少しだけご紹介します。

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 朝の池の様子です。この時間帯は静かだったのですが、時間が経つに連れて池にかるがもの親子が出てきました(残念ながら写真はありません)。雛誕生のニュースは新聞にも載ったそうで、かるがも親子目当てに庭園に来る人も続々、この日のお庭は一日中にぎやかでした。

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 この緑色の細い棒のような植物は「木賊」(とくさ)です。茎の表面がざらざらしていて、日本では昔からこれを木製品などを磨く際にやすりとして利用されてきました。赤鳥庵の前にもたくさん生えています。

 棗や薄茶器にはこの木賊を図案化してものも見られます。まだご覧になっていないという方はぜひ見ておいてくださいね。

 次回のお稽古は5月24日(水)です。

 


 

5月の抽選会

 5月4日は7月分の茶室利用者抽選会でした。葉が生い茂って石畳の上に木漏れ日が射しています。春はあっという間に過ぎ去って季節は初夏。
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 ゴールデンウィークの最中ということもあり、抽選会の参加者はやや少なめでした。ひと頃に比べると写真撮影で赤鳥庵を利用される方がたが減ったように感じます。競争率が低かったので、うまく日曜か祝日が取れたら稽古茶会くらいはできるかな?と期待していたのですが、そう言う時に限ってくじ運がよくありません。
 
 結局、二回の稽古日と午後だけの特別稽古の日を予約するに止まりました。なかなか思うようにはいかないものです。

  帰ろうとふと顔を上げると、窓の外にカルガモの雛の姿が! 数えてみると少なくとも10羽近い雛がいるようでした。来週お稽古に来る頃には、この雛たちももう一回り大きくなっていることでしょう。
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 何とか写真を撮ろうと頑張ってみましたが、まだ雛たちは小さくて警戒心が強いのでなかなか近くには寄ってきてくれません。ちょっとピンボケな写真でごめんなさい。
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 のんびりと石の上で休んでいるのは母鳥でしょうか。
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 こちらは庭園のカエデの木。ドラえもんのタケコプターのように見えるのが実です。
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 こちらは通用門の近くで咲いていたお花。ガマズミでしょうか。
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  次回のお稽古は来週5月10日です。久しぶりに皆様にお目にかかれるのが楽しみです。
 

家で美味しく薄茶を飲むには?

 ゴールデンウィーク中はお稽古がありませんので、自宅で薄茶を点てて飲まれる方もいらっしゃると思います。「家で点てたお茶よりお稽古の時の方がお茶がおいしい」という声を時々耳にします。違いはどこにあるのでしょうか。

 自分で点てるより、人に点ててもらったお茶の方がおいしいということは確かにあるのですが、それ以外の条件をもう一度チェックしてみると、より美味しく薄茶を飲むことができるかもしれません。

▶︎ポイントその1.  抹茶の鮮度を見直す

 抹茶を美味しくいただくためには、抹茶の鮮度が重要です。一番香りが高く美味しく感じられるのはやはり缶を開けてすぐのタイミングです。1ヶ月以上たつとかなり香りが飛んでしまいます。冷蔵庫で保存すればしばらく持ちますが、缶を開けたらできるだけ早く飲みきると良いです。


▶︎ポイントその2.  「水」を変えてみる

 抹茶を点てるとき、案外盲点なのが「水」です。コーヒーや紅茶でもそうだと思いますが、薄茶はかなり水の味の影響を受けます。水道水を沸かしたものをそのまま使っているという方は、一度ミネラルウォーターを買ってそれを沸かしたお湯で薄茶を点ててみてください。違いがはっきりわかると思います。

 流水会のお稽古では水道に簡易型の浄水器をつけています。浄水器を通した水を使うだけでもかなり違います。水そのものが不味いとどんなに高い抹茶を使ってもおいしい薄茶にはなりません。

▶︎ポイントその3.  お湯の温度を変えてみる

 もう一つ大切なのはお湯の温度です。温度が高すぎるといくらがんばっても薄茶はうまく泡が立たないのです。お茶を点てるときにヤカンやポットで沸騰したてのお湯を使っているのなら、少し水をさして温度を下げてみましょう。

 私が家で薄茶を点てるときは、電気ポットで800ccのお湯を沸騰させて、そこに200ccほど水を足してから使っています(季節によって多少違いはあります)。

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 お稽古のないしばらくの間は、ぜひご自宅で「薄茶をより美味しく点てる」ことを追求してみてください。

 
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