流水会目白だより

裏千家茶道 流水会のお稽古の様子などをご紹介しています。

2023年03月

今後の稽古予定
7月17日(水)
8月7日(水)、8月28日(水)
9月11日(水)、9月25日(水)
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茶せんの選び方・買い方

 先日お稽古のときに「家でお茶を点てるときどんな茶せんを使っていますか」とうかがったところ、「八十本立ての茶せんをAmazonで買いました」という方がいらっしゃって衝撃を受けました。一言ご相談いただければ別のものをお勧めしたでしょう。
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 私たちが学んでいる裏千家流では薄茶の表面全体にふんわりと泡の立った姿を理想としています。八十本立を使うと比較的簡単に泡を点てることができそうな気がしますね。インターネットで茶せんを検索すると百本立、百二十本立などというものもあります。○○本立というのは穂の数の目安です。実際に八十本、百本ちょうどの数というわけではありません。

 でも、これらの茶せんは裏千家のお点前では使いません。使うのは「数穂」という種類です。  お家元がお使いになるのは白竹の「真数穂」です。数穂と真数穂は穂の形(全体のシルエット)が違いますが、どちらも穂の数は四十八本から六十四本くらいです。

 なぜ、泡のたちやすそうな八十本立ではなくわざわざ数穂を使うのか。それは穂ではなく持ち手にあたる軸の部分に違いがあるからです。穂の数を増やすためにはより太い竹を使わなければ茶せんが作れません。つまり軸の部分は数穂<八十本立<百本立<百二十本立とどんどん太くなっていくわけです。

 太い茶せんを持つとどうしても五本指で鷲掴みにする形になってしまいますが、お点前のときはそれでは美しくありません。お茶のお稽古のときに習ったような持ち方をするためには、太すぎる茶せんは不向きなのです。

 また、軸が太くなればなるほど「振る」のが難しくなります。筒茶碗のように口径の小さい茶碗になると、少し軸の細い茶せんでないと振ること自体難しいでしょう。

 家で八十本立を使っていると、そのときの振り方の癖がお点前のときに出てしまいます。 お点前を習わずに薄茶だけを飲みたいという方、喫茶店や日本料理屋さんなどお点前なしで薄茶を提供したいという方は別として、お茶のお稽古をされている方はそのご流儀で使われている茶せんを購入した方が良いでしょう。

 裏千家流なら白竹の数穂、または真数穂を買う、ということですね。
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 そして次に「どこで買うか?」ですが、可能ならご自身の先生にお願いして買ってきてもらうか、先生が購入されているお茶道具屋さんから買ってください。白竹の数穂は一本三千円、真数穂なら四千円というのがだいたいの目安です。

 ええ!Amazon ならもっとずっと安いのに。と思われた方、Amazonで売っている安価な茶せんのほとんどが中国産です。中国の茶せんがすべてダメとは言いませんが、あたりはずれがあります。買ってはみたもののすぐに穂が折れた、なんだかお稽古のときとお茶を点てるときの感触が違う、それは仕方がありません。中国産の茶せんは国産の茶せんを真似て作られた模造品です。

 国産の茶せんを作る竹は時間をかけて乾燥させたものが使われますが、中国産の茶せんは乾燥にかかる手間を省略するため、防腐剤や防カビ剤などが使われているものもあるそうです。

 国産の茶せんは茶せん師による手作りで、奈良県生駒市高山町にあるわずか十数軒だけがその生産を手掛けています。手作りですから作り手によって同じ白竹の数穂でもそれぞれ特徴があります。私たちの流水会で使っている茶せんは「和北堂 谷村丹後」と「竹茗堂 久保左文」です。

 裏千家の関連会社である淡交社で扱っている茶せんは前述の谷村丹後と「翠華園 谷村弥三郎」です。以前当代の谷村丹後さんの講演を聞いたことがありますが、裏千家のお家元は丹後さんの真数穂をお使いだそうです。

 茶道具屋さんによっては茶せん師のブランドを出さずに、自社ブランドで茶せんを売っているお店もあります。たとえば「清昌堂やました」さんの茶せんはやましたブランドです。亡くなった私の師匠はいつもこちらで購入されていました。

 茶道を学んでおられる方はご自身の先生が使っているのと同じ茶せんを選べば間違いがありません。買い方は先生がご存知です。先生を介すると同じ茶せんでもインターネットで検索して出てくるお値段より安く購入できるケースも多いと思います。

 事情により先生に頼めないという方、昨今では茶せん師さんがインターネット通販で直販もしていますからそれを利用する手もあります。(別途奈良県からの送料がかかります)

 いずれにしましても茶せんは直接抹茶と触れるものですから「お茶が点つならなんでもよい」「安ければ安いほど良い」などとは言わずに、ご自身の茶道のお稽古に役立つものを選んで購入しましょう。
 

3月22日のお稽古ー貴人濃茶、入子点

 目白庭園の枝垂桜が見ごろを迎えました。私たちがここでお稽古をするのは月に二回なので、今日のようによく晴れた暖かい日に桜の花に迎えられてお稽古ができるのは珍しいこと、とても運の良いことだと言えるでしょう。
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 お茶の世界では三月は利休忌の月として、利休居士を偲ぶお茶会が各地で開かれます。私たちもこの日は利休像を掛けて菜の花を飾ってお稽古を致しました。 
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 毎年この時期に菜の花を入れている唐銅の花入はお茶室の備品で箱には「今宵の主」という名称が書かれています。細川三斎にゆかりのある花入で今宵の主というちょっと変わった名前は平家の武将平忠度の詠んだ和歌からとられています。

 行き暮れて木の下陰を宿とせば
 花や今宵の主ならまし

 ここでいう「花」は桜のことでしょう。桜の木の下で野宿するならば宿の主人はこの満開の花ということになるだろうか、そんな歌です。桜の時期に桜にちなむ名前の花入が使えるのはありがたいことです。

 この日は急なお休みの方もなく、ご見学の方も含めて皆さまお茶室の滞在時間がいつもより長めでした。お茶日和、お稽古日和というのでしょうか。二回以上お点前をされる方が多かった印象です。ゆらゆら揺れる釣釜に苦戦しながら皆さま熱心にお点前をされていました。

 科目は貴人点濃茶、入子点を中心にしました。とくに入子点はそう頻繁にお稽古する科目ではないので珍しかったかもしれません。棚の上に使った茶道具を建水以外全てかざり残すちょっと面白いお点前です。

 お仕事が終わってからお稽古に来られる皆様は仕事の関係でお休みされることも多いのですが、この日はお約束通り皆さまお越しくださって、茶道具の片付けまで一緒にお手伝いくださいました。午後から夜まで途切れることなく稽古が続くと片付けの頃には体力的に辛いのでとても助かります。

 最後に荷物をまとめてさぁ帰ろうとなった時、ゴミを入れた袋が見当たりません。もしや、と思ってLINEで聞いてみると片付けを一緒にしてくださったMさんがゴミ袋を持ち帰ってくださったとわかりました。荷物が減って本当にありがたかったのですが、こういう時は一言「ゴミ持っていきます」とその場で声をかけていただけると嬉しいですね。

 最後にもう一度の写真を。
 
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 せっかく桜が咲いたところなのにこれからしばらく雨の日が続くそうです。皆さまも体調管理にお気をつけください。

 次回のお稽古は4月5日の予定です。
 

3月15日のお稽古ー釣釜と流し点、台天目

 春が急ぎ足でやってきました。暖かくなって皆様もスケジュールがいろいろ入ってきているのでしょうか。この日は稽古当日になって「時間の変更をお願いします」という方が多く、午前中が一番空いていて午後三時過ぎにお稽古に来られる方が集中しました。珍しいことです。

 それでもお休みせずにお稽古に来ていただけるのは嬉しいことです。よく「継続は力なり」といいますが茶道の場合も同様で休まずお稽古をすることが点前の上達、ひいてはその奥にある茶道の精神への理解の深まりにつながります。

 さて、春風が吹き始めると釣釜の季節。この日は鎖と弦を持ち出して釣釜にしてみました。茶釜は茶室の中でも存在感のある茶道具ですが、その釜を天井から鎖で吊す釣釜は茶室にいつもと違った雰囲気をもたらしてくれます。
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 私たちの学ぶ裏千家流では一年のうち3月から4月上旬にかけての時期だけ釣釜を使います。春風に吹かれてゆらーりゆらーりと釜の揺れる様は今の季節だけのものです。

 使った釜は風炉用の筒釜、稽古場である赤鳥庵の備品です。姿は申し分ないのですが元々風炉用なので炉用の柄杓を入れるには少し釜の口が小さくて、お点前は少しやりにくかったかもしれません。

 釣釜では主に薄茶平点前の稽古をしました。何名かの方には流し点の点前をお稽古していただきました。流し点は炉釜の正面を向いて行うちょっと変わった点前で、お客様は一人だけ。亭主が客とが向かいあって行う点前なので「お見合い点前」という別名もあります。

 絞り茶巾などと同じく薄茶の応用点前なのですが、茶道具の位置が通常の薄茶平点前とはがらりと変わるので、やってみるとよい頭の訓練にもなります。

 もう一つの茶室ではいつも通り炉釜を五徳に置いて台天目のお稽古をしました。台天目は塗りものの台にのせた天目茶碗の扱い方を学ぶお稽古です。
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 天目茶碗は鎌倉時代に宋に渡った禅宗の僧侶たちが抹茶の飲み方とともに日本に伝えたものです。天目山という場所に禅宗の修行道場のようなお寺があり、そこから「天目茶碗」と呼ばれるようになりました。

 茶道の稽古は茶を点てて飲むだけではなく、道具や点前を通じて文化や歴史を知ることができます。本を読んで勉強するのとは違って、点前という実践、茶道具という実物に触れながら古の時代に思いを巡らせるというのは楽しいものです。

 稽古の中に自分なりの楽しみを見つけることが、茶道を続けていくコツかもしれません。

 最後に恒例のお庭の様子もご紹介しておきましょう。先日、東京・靖国神社のソメイヨシノの標準木が開花したというニュースがありましたが、なんと目白庭園の枝垂れ桜も咲き始めていました。このまま気温の高い日が続くと次回のお稽古はお花見ができるくらいまで開花が進むかも。
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 鮮やかな赤色の花は木瓜(ボケ)、ピンク色の愛らしい花は乙女椿です。
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 いよいよ本格的に花の季節到来です。皆様お忙しい時期かと思いますがぜひ来週もお稽古にいらしてくださいね。
 

3月の抽選会とかるがも茶席

 3月2日は赤鳥庵の5月分利用者抽選会でした。目白庭園では門を入ってすぐの白梅がそろそろ見頃を迎えています。
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 寒さの峠も過ぎ、感染症の流行もこのところ少しおさまっているせいでしょうか。抽選に参加された方はなんと45名(遅れて来た方も含めると47名)というここしばらくでは一番の人気抽選会となりました。

 今回は5月の土日や連休狙いの方が大変多かったようで、抽選会が進み日程が埋まっていくにつれて途中であきらめてお帰りになられる方が何名もありました。 

 私のこの日の抽選番号は23番。ちょうど真ん中あたりです。以前ならこのくらいの番号でも楽に水曜日が二回とれたのですが、 今回は狙っていた1日目は無事に予約がとれたものの、もう1日は二つの部屋を借り切ることができず、第一和室終日、第二和室は午前と夜だけになってしまいました。

 やはり抽選で茶室を予約するのはなかなか大変です。

 さて、この日は抽選会の後、夫を誘って二人で「かるがも茶席」に参加しました。 かるがも茶席は豊島区の茶華道文化連盟に所属するお茶の先生が担当するミニ茶会です。参加費八百円で薄茶席一席、誰でも予約なしで参加できるとても気軽なお茶会です。

 今回釜を掛けられたのは私たちと同じ裏千家流の先生でした。3月の2日ということもあってお茶席の趣向は雛祭りにちなんだもの。季節のお道具や小さな雛人形の飾り物などもあり、季節のお菓子と薄茶を美味しく頂戴することができてとても楽しかったです。

 お点前をされた方、お運びをされていらした方々もとても手慣れていて、おそらくこうしたお席でのお手伝いを何度も経験されておられるのだろうと感じました。

 お客様の中には裏千家のお茶会でお見かけしたことのある先生もいらっしゃっていました。おそらく他のご流儀を勉強していらっしゃるのだろうな、と思われる方もおられました。かと思うと、お菓子やお道具にスマホのカメラを向けてパシャパシャ写真を撮る方も何名か見かけました。

 昨今ではもうなんでも見たらその場で誰はばかることなく写真を撮るという方が年齢を問わずいらっしゃいますね。せめてご亭主にひとこと断ってからにすればいいのに、と思いました。

 茶席の設えやお道具、お茶もお菓子もすべてご亭主がこの茶席のために何日もかけて選び抜き、手間をかけてご準備されたもの。客とは亭主の心づくしを見せていただく側であり、亭主の思い受け止めて感謝することが礼儀です。茶道を学んでいる者であればそのことを忘れずにいたいものです。

 このかるがも茶席、来年度から(つまり4月以降)は抽選会とは別の日(第二木曜日)に変更されるそうです。これからは「抽選に来たついでに茶席に入る」というわけにはいかなくなりますが、おかげで抽選会の開始時刻がまた4月から10時開始に戻ることになりました。助かります。

 目白庭園では梅に続いて木々の花が咲き始めました。黄色い小さな花を咲かせているのは山茱萸(サンシュユ)でしょうか。
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 芝生広場の寒緋桜も蕾がふくらんで、一つ二つと綻び始めています。
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 春はもうすぐそこまで来ていますね。

  
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