流水会目白だより

裏千家茶道 流水会のお稽古の様子などをご紹介しています。

2023年02月

今後の稽古予定、
10月9日(水)、10月16日(水)
11月6日(水)、11月13日(水)
12月11日(水)、12月25日(水)
流水会のWebサイトはこちら
流水会のFacebookページもご覧ください

2月22日のお稽古ー唐物・台天目・絞り茶巾

 目白庭園には正門を入ってすぐのところに大きな梅の木があります。その梅がようやく綻び始めました。この梅が咲き始めると「ああ、寒い日もあと少しだ」と感じます。
IMG_1849

 暖かい日が来たかと思うとまた寒くなる。二月の後半はそんな日々の繰り返しです。ここ数日は寒い日が続いたせいでしょうか。この日はお二人の方から「体調を崩したのでお休みします」というご連絡がありました。誰もいない茶室は寂しいものです。
IMG_1839

 他にも学校や仕事の都合でお休みされる方が相次いで、この日の私は相当がっかりしていたのですが、その分来てくださった皆さんがいつも以上に熱心にお稽古してくださいました。

 この日のお稽古では唐物・台天目をいたしました。これらの科目では古い時代に中国から渡って来た唐物茶入、天目茶碗の扱いを学ぶためにお稽古します。

 これらの科目は茶道の歴史に深く関わっています。唐物茶入や天目茶碗などをお稽古で使ってみると、それらが身近なものに感じられて、美術館などで茶道具を見るのが楽しみになります。器物を通して日本の文化の歴史を知っていくと、知識も増えて心がさらに豊かになります。

 流水会では随分大勢の皆様に初級の許状をお取次いたしましたが、中級まで進まれた方はまだそれほど多くはありません。私としてはぜひ挑戦していただければと思っております。

 また、この日は風が冷たく寒い一日でもありましたので、前回に続いて絞り茶巾のお稽古をしました。寒い時期にお客様に少しでも暖かさを感じていただくための点前ですが、お客様の前で茶巾をきちんと畳む、筒茶碗でお茶を点てる、どちらも決して簡単ではありません。

 絞り茶巾はもっともっとお稽古したい、という気持ちにはなるのですが、筒茶碗を使う点前のお稽古は二月いっぱいで終わります。

 最後にお庭の様子をもう少しご紹介しておきましょう。

 池の向こう側では梅の木に白い花がたくさん咲いているのが赤鳥庵の中からもよく見えました。今はちょうどこんな感じです。
IMG_1857

IMG_1854


 赤鳥庵の前では寒あやめが咲き始めました。あやめは初夏の花、とお思いの方もいらっしゃるかと思いますが、このあやめは冬の寒い時期に咲きます(いわゆる「狂い咲き」ではなくそういう品種です)

IMG_1875

 この花のとても残念なところは、茎がとても短いこと。花の姿が美しいのでぜひ茶花にと思うのですが、花そのもののバランスがよくないので使いにくい花でもあります。

  次回のお稽古はしばらく間が空いて3月15日です。皆様体調に気をつけてお過ごしください。お忙しい時期ですが、ぜひお稽古にもいらしてくださいね。

2月15日の特別稽古ー平花月之式

 2月15日は午後から赤鳥庵の第二和室をお借りして特別稽古「平花月之式」(花月)を致しました。流水会では約半年ぶりの花月のお稽古ですが、七名の方がご参加くださいました。

 五人で一緒に稽古をする、というとびっくりされる方もいらっしゃるかもしれませんが、これはいわゆる「お点前のお稽古」とは違います。一人が亭主、あとの四人が客としてお茶室に入り(席入り)、折据(おりすえ)に入った札を引いて「花」が当たった人が薄茶を点て、「月」が当たった人がそのお茶を飲みます。これを四回繰り返すのです。
IMG_5537

 花月の稽古では客の一人がお点前をするときには、その客が座っていた席に亭主が座ります。以降も同様に空いた席に前のお点前の人が座っていくので、四回繰り返している間にどんどん座る場所が変わっていきます。四服めの茶碗が戻ったところで、全員が最初に自分のすわっていた席に戻る「座がわり」をします。 

 この稽古の目的は五人がそれぞれ「自分が次に何をすべきか」を判断し、的確に、かつスピーディーに動けるようにすることです。しかし、そこまで到達するには何回も稽古を重ねる必要があります。

 今回は初めて花月に参加される方もいらっしゃいましたので、まずは「花月の約束事」を覚えていただくことを中心にお稽古を致しました。花月全体の流れと手順、席入の足運びや、自分の席から点前座への移動、点前座から仮座への移動、最後の座がわりのやり方などは、実際にやってみないとわかりません。

 今回の花月稽古では私がほぼしゃべり詰めでした。皆様に慣れていただくまではしばらくそれが続くと思いますが、皆様が思った以上にこの稽古を楽しんでくださったようでしたので、また機会を見てお稽古したいと思います。

 最後に庭園の様子も少しだけご紹介します。午後からの稽古で庭園の梅にちょうど日差しがあたって大変きれいに写真が撮れました。

 池の向こう側では隣り合った白梅と紅梅が咲いていました。

IMG_1697

IMG_1711


IMG_1706

 庭園入り口の白梅も少しずつ咲き始めています。次回のお稽古ではさらに梅が見頃になっているのではないでしょうか。



  

2月の抽選会

 2月2日は4月分の赤鳥庵の利用者抽選会でした。この日の参加者は30名を少し超えるくらい。思ったより多くはなかった、という感じでしょうか。
 
 3月末から4月の頭にかけては庭園のシンボルツリーであるしだれ桜が咲きます。この時期を狙って結婚式の前撮り写真などを考えている撮影関係者の方が多いのではと予想していましたが、だいたい予想どおりでした。

 もし、4月下旬の土日か祝日が予約できるようなら気候も良い時期なので小さなお茶会でも開こうかしら、という欲もあったのですが、私の抽選番号は15番目でしたので早々にあきらめてお稽古の日程を確保するのを優先しました。一巡目の予約で4月上旬、二巡目で下旬が予約できました。

 抽選で部屋を予約する以上、抽選の前にある程度作戦を立てておくことは大切です。

 もし、私がもっと若い抽選番号(たとえば1番や2番)を引いていたら、一巡目に下旬の日曜日を予約して、二巡目と三巡目でお稽古の日程を予約したでしょう。「抽選結果に応じた作戦をあらかじめ立てておく」とはそういうことです。

 起き得るであろう様々な事態を予測して柔軟に対応できるようにする、というのは私の場合、茶道のお稽古やお茶会の手伝いを通して鍛えられたように思います。当日のお天気や気温、お客様の属性(お年寄りか、若い方か、子供さんか)、それに応じて発生し得る状況(正座ができないので椅子が必要だとか、お客様が菓子切りを持ってこなかった等)を予測してあらかじめ準備しておく、それが気持ちよくお客様に過ごしていただくことにつながりますから。

 茶道を学ぶことはこうした意味でも「仕事や社会生活に役立つ」と言えるかもしれませんね。

 さて、お庭の様子も少しご紹介します。梅の開花が始まったことは前回のブログでもお伝えしましたが、この日は紅梅が咲いているのを見つけました。赤鳥庵の側から見てちょうど池の向こう側あたりです。
IMG_5093

 お隣の白梅はまだつぼみが固そうでした。
IMG_5095

 こちらは芝生広場のピンクの梅。私の自宅近くの梅園の「八重寒紅」という早咲き品種によく似ています。八重咲きは華やかですね。
IMG_5102

 次回は2月15日の午後に特別稽古をする予定です。




 

2月1日のお稽古ー唐物・濃茶・絞り茶巾

 2月に入りました。2月1日は東京都内では私立中学の入学試験の日でもあり、またそろそろ様々な行事やイベントが始まる時期でもあります。

 そんな影響もあってか、この日はいつもより欠席の方が多くお稽古に来られる方の人数も少なめでした。クリスマスイブの日もそうでしたが、こうした特別な日にお稽古をするのは避けた方が良いのかもしれません。勉強になりました。

 この日は床の間の花入にちょっと変わった植物を入れてみました。このクルルンと先端が巻かれた細長い植物はいったい何でしょう?

IMG_5082

 答えは「ぜんまい」です。春の山草として知られるぜんまいは煮物にして食べたりしますが、こちらは食用ではなくお花屋さんで売られていた観賞用のものです。珍しいのかこの日は皆さんお花をよくご覧になっていました。ぜんまいには近づく春を印象づけるものがありますね。根じめに入れた椿は胡蝶侘助という種類です。

 さて、この日もいつも通りにそれぞれの皆様の進捗に応じたお点前をお稽古しました。12月、1月に入会された方がたは初歩の割稽古や盆略点前、初心者の皆様は薄茶平点前、そして少し慣れた方々は濃茶の平点前や茶筅荘、中級以上の許状をお持ちの皆様は唐物。人数が少ない分時間に余裕がありましたので、濃茶のお稽古をされた方には絞り茶巾の稽古もしていただきました。

 人数が少なかった分だけお点前を二回なさった方も多かった、ということになるでしょうか。

  この日のもう一つのトピックは御菓子です。まず写真でご覧いただきましょう。(稽古の日の朝に自宅で撮影した写真です)

IMG_5078

 花の蕾を象った練り切り。さて何の花だかお分かりになりますでしょうか?何人かの方から「椿ですか?」と聞かれました。たしかに椿は冬のお花ですが茶室では花入に椿を入れることが多いので御菓子に椿を使うことは少ないです。本物の椿の花前では椿の御菓子は霞んでしまいますから。

 そして、この葉の形は椿ではありません。椿の葉には切れ込みがないのです。
 
 正解は「牡丹」です。牡丹は主に春から初夏にかけて咲きますが、実は冬の寒い時期に花をつける「冬牡丹」「寒牡丹」と呼ばれるものがあるのです。といっても、なかなか冬に牡丹を咲かせるのは難しいらしく珍しいものであることは間違いありません。

 茶人は牡丹が好きです。冬の牡丹は茶席でも珍重されます。寒い時期の茶席の花に牡丹が入っていたら、それはご亭主の苦労を思いやって大いに褒め称えなくてはなりません。
 
 本物の寒牡丹にはなかなかお目にかかれない。だからこそお菓子を牡丹の形にしてみたり、あるいは牡丹の花の絵が描かれている筒茶碗を使ったりします。面白いですね。

  最後にまたお庭の様子をご紹介しておきましょう。

IMG_1214

 写真の右側に見えるのはバードフィーダーですね。小さなミカンが吊るしてあるのがわかるでしょうか。さっそくメジロがつついているのを夫が見かけたそうです。目白庭園のメジロ。みられると縁起が良いかも。

IMG_5087
 
 こちらの黄色い花は蝋梅(ろうばい)です。蝋細工のように見えるから蝋梅と名付けられたそうです。小さな可愛らしい花なので気をつけてみないと見逃してしまいそうです。

IMG_1198

 芝生広場では梅がほころび始めました。目白庭園にはあちこちに梅の木があるのですが、このピンク色をした八重咲きの梅が毎年この庭園では一番最初に開きます。 

 一番大きな梅の木は庭園の門を入ってすぐ目の前にある白梅です。次回はお花が見られるでしょうか。
 
ギャラリー
  • 10月の抽選会
  • 10月の抽選会
  • 10月の抽選会
  • 大寄せ茶会に参加する
  • 大寄せ茶会に参加する
  • 9月25日のお稽古ー大津袋と茶通箱
  • 9月25日のお稽古ー大津袋と茶通箱
  • 9月25日のお稽古ー大津袋と茶通箱
  • 9月25日のお稽古ー大津袋と茶通箱
プロフィール

soujun

メッセージ

名前
メール
本文
アーカイブ