流水会目白だより

裏千家茶道 流水会のお稽古の様子などをご紹介しています。

2022年07月

今後の稽古予定、
10月9日(水)、10月16日(水)
11月6日(水)、11月13日(水)
12月11日(水)、12月25日(水)
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7月30日の稽古ー花月之式(特別稽古)

 連日暑い日が続いています。流水会の稽古は通常水曜日と決めておりますが、夏季特別稽古として土曜日の午前中に茶室をお借りして、花月を致しました。
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 「花月」と書いて「かげつ」と読みます。 正式名称は「花月之式」(かげつのしき)といいます。いつもの点前稽古と違って、八畳の部屋で五人が同時に稽古をするというものです。

 くじを引いて亭主、正客、次客、三客、四客を決めて席入をし、茶道具を運び出して準備が整ったらまたくじを引いて点前をする人を決めます。薄茶を点てている間にもう一度くじを引いてお茶を飲む人を決めます。これを四回ほど繰り返します。客は途中何度か座る場所が入れ替わりますので、最後に元の位置に戻る「座がわり」をします。

 花月のくじ引きは折据と呼ばれる箱の中に、五枚の札を入れておき、それを一人一枚ずつ取っていくという形で行うのですが「花」の絵が描かれた札を取ったらお点前をし、「月」の絵が描かれた札を取ったらお茶を飲む、というのが花月での基本ルールです。
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 見方によってはお茶を点てたり飲んだりするゲームのようにも感じられますが、これは遊びではありません。花月の稽古とは、その場その場で自分が次に何をすれば良いのかを「考えて動く」という鍛錬なのです。

 繰り返し稽古をして、五人が息を合わせて花月ができるようにするというのが目標ですが、今回集まってくださった皆様はしばらく花月の稽古から遠ざかっていたり、まったく初めてだったりで、とても「息を合わせる」ところまではいきませんでした。

 それでも、花月之式という稽古の一端に触れていただくことができたことは喜ばしく、また皆様もふだんのお稽古とは異なる緊張感を楽しんでくださったように思います。

 今回「土曜日の午前中」というふだんとは異なる時間帯のお稽古をしましたが、朝の時間帯でも電車が空いていて私自身の移動も楽でしたので、今後はときどきこうした形で「特別稽古」を入れていこうかと思っております。

 今回は薄茶平点前をベースに行う「平花月之式」でしたが、実は私たちの学ぶ裏千家流には花月のバリエーションがあります。茶箱で花月をしたり、全員が一つの帛紗で点前をする花月もあったりします。これら様々な花月の稽古も機会を見てやっていけたら良いと思っております。

 さて、今日もいくつかお庭の写真をご紹介します。いつもは稽古の前(午前中)に写真を撮ることが多いのですが、今日の写真は午前中の稽古が終わった後、正午に近い時間帯に撮りました。
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 青い空に白い雲、写真で見ると清々しいですがなかなかの暑さです。この日、目白の最高気温は35度でした。
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 庭園の滝の様子です。滝の水は循環式(池の水を汲み上げて滝から流す)になっているそうですが、それでもマイナスイオンを感じますね。清々しいです。

 次回の稽古は来週3日です。都内の新型コロナウィルス陽性者の数がまた増加しています。皆様もお体に気をつけてお過ごしください。
 

7月20日のお稽古ー葉蓋・洗い茶巾・続き薄茶

 流水会7月2回目のお稽古は、珍しく雨の心配の要らない日でした。本格的な夏らしい天気というわけではないものの、午後には最高気温が34度まで上がりました。
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 幸い茶室は冷房が入りますし、窓を開けて換気をよくしていますので稽古中は着物で過ごすことができます。浴衣でお稽古される方もありました。

 稽古は葉蓋、洗い茶巾など夏のお点前を中心に行いました。気温が高くなってきましたので、涼しげなガラスの平茶碗もご用意しました。

 茶道具にガラス?とお思いの方もいらっしゃるかと思いますが、この季節には茶道でも見た目に涼しげなガラス製の水指や茶碗、蓋置などを使うことがあります。茶道具の場合はガラスは「義山(ぎやまん)」と呼びます。 

 一番よく見かけるのは義山の平茶碗ですが、これには耐熱性のものとそうでないものの二種類があります。耐熱性のあるものは陶器の平茶碗と同様にお湯を入れてお茶を点てることができますが、そうでないものは冷茶といって冷たい水で点てるお茶専用です。
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 ガラスの平茶碗をお求めになる際、耐熱性の有無には気をつけていただきたいと思います。

 中・上級の皆様方とは「続き薄茶」のお稽古をしました。続き薄茶は濃茶と薄茶を続けて行うお点前で、夏のお茶事(懐石料理、濃茶、薄茶をいただくお茶のフルコースを「茶事」と呼びます)ではよくこのお点前が行われます。

 濃茶の平点前の手続きでお茶をお客様にお出しし、お茶碗が戻ってきたあとお客様の方から「続いてお薄頂戴いたします」と声がかかります。濃茶で使った茶碗と建水を水屋に下げ、そのあとは薄茶の手続きに変わります。

 正式な茶事ですとここで薄茶の前に座布団・莨盆(たばこぼん)・干菓子器をお客様にお出しします。この日の稽古では座布団は略して莨盆と干菓子器を出しました。ふだんの稽古では莨盆は使いませんので「茶席ではたばこが出てくる」ということに驚かれた方もいらっしゃいました。

 莨盆を使ってたばこを吸うお客様は今日の茶会ではほとんど見かけませんが、皆様に莨盆というものの存在を知っていただくよい機会だったのではないかと思います。

 さて、お庭の様子も少しご紹介しておきましょう。

 お庭の緑はいっそう濃くなってきました。夏木立という雰囲気です。
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 今の季節、咲いているお花はあまり多くありません。萩の花はそろそろ終わりです。
 
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 こちらは八重咲きのくちなしの花。
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 庭園の池は相変わらずのかるがも天国です。ちょうど池に向かって飛び降りる写真が撮れました。
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 次回の稽古日は8月3日ですが、今月中に「夏の特別稽古」として花月之式を行う予定です。
 

7月の抽選会とかるがも茶席

 7月1回目のお稽古の翌日、7日には9月分の利用者抽選会がありました。

 流水会のお稽古で使っている目白庭園・赤鳥庵は公共施設ですので利用希望日が予約できるかどうかはこの抽選会で決まります。 今回抽選に参加したのは22名、思ったほど多くはありませんでしたが、土日祝日にお茶会での利用のために予約される方が増えてきました。

 私の抽選番号は15番で順番としてはあまり良い方ではありませんでしたが、水曜日を予約するライバルがほとんどいらっしゃらなかったので、スムーズに二回分を予約することができてほっとしました。

 さて、いつもなら抽選が終わるとお庭を一巡りして帰るのですが、この日は流水会でお稽古しているKさんと二人で「かるがも茶席」に参加しました。

  かるがも茶席というのは豊島区の茶道華道文化連盟所属の先生方によるこじんまりとしたお茶会です。様々な流儀の先生方がお茶会を開かれますが、ちょうど7月は私たちと同じ裏千家流の先生が担当されるということで、ちょっとのぞいてみようかということになりました。

 ちょうど7月7日でしたのでテーマは七夕。お点前は平茶碗を使っての葉蓋でした。この時期の茶会だけにお菓子はプラスチックのケースに入れたまま懐紙に載せて出され、お盆の上から客が自分の分を取る形式でした。お茶の方も同様です。

 私が一番驚いたのはお点前をされた男性が中国の方であるとご紹介があったことでした。よほど日本文化にご興味をお持ちの方なのでしょう。着物に袴をつけての立ち座りも見事でした。

 席主の先生のお話しによると、かるがも茶席も以前は一席で40名近いお客様を入れていたそうですが、コロナなのでその半分程度になったとのこと。ゆとりのあるお席と心尽くしのおもてなしがとても心地よく感じられました。

 かるがも茶席は参加費がお一人800円ととてもリーズナブルなので、また機会があれば流水会の皆さんをお誘いしてみたいと思います。

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  お茶会の写真はありません。お客としてお茶会に参加する際は「茶道具や床の間の写真を撮らない」のがマナーです。自分の前に出されたお茶やお菓子も写真を撮るのはマナー違反です。どんなお茶会だったかはしっかりと「目と心に焼き付ける」もの。お茶を習っている方はぜひ覚えておいてくださいね。

7月6日のお稽古ー葉蓋、和巾点など

7月最初のお稽古日のお天気は曇り、東京都内はすでに梅雨明けが発表されていますが、前日までの天気予報では台風くずれの低気圧の影響で大雨になるとも言われていたことを思うと「お天気に恵まれた」と言っても良いでしょう。
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七夕の前日ということもあってお稽古科目は葉蓋です。葉蓋は名前の通り水指の蓋に替えて植物の大きな葉をのせて行う、裏千家独自のお点前です。このお点前を考案された裏千家十一代の玄々斎が七夕の茶会でこの点前を披露したと伝えられていることから、私たち裏千家を学ぶ者には七夕と葉蓋は切ってもきれないご縁がある、ということになります。

玄々斎が葉蓋に使われたのは梶の木の葉ですが、この日のお稽古では蕗の葉とアカメガシワの葉を用意しました。蕗は茎を食べるものですし、アカメガシワも新芽や若葉を食用にすることができます。

葉蓋点前の面白いところは、お点前中に葉を畳んで建水に落とすところにあります。私の師匠は「お人形さんの着物のようにたたむと良い」と教えてくれましたが、この言い方は着物に馴染みのない若いみなさんにはなかなか伝わらないので、毎年稽古のたびに「どういう風にご説明しようか」と悩むところではあります。

中級の許状をお持ちの皆様は和巾点のお稽古をしました。和巾点も葉蓋と同じく裏千家十一代の玄々斎が考案されたお点前です。幕末から明治初期という激動の時代に考案されたお点前ですので、背景となる逸話をお話しながらのお稽古でした。
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稽古中は忙しくほとんど写真が撮れませんでしたので、この日ご用意していた干菓子の写真(翌日に自宅で撮りました)をご紹介します。ピンク、白、ブルーの三色の錦玉糖は豊島屋さんの「星乃橋」紅白の小さな和三盆は両口屋是清の「二人静」です。
 
流水会の皆様にはご自宅でもお抹茶を点てたり和菓子を召し上がったりしていただきたい、というのが私の七夕のささやかな願いです。

さて、この日のお庭の様子も少しご紹介しておきましょう。今回は目白庭園の生き物シリーズです。まずは毎度おなじみのカルガモから。寛いでいて人が近寄っても逃げません。
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こちらはコシアキトンボ。水面に映っているわけではなく二匹です。
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そしてこの小さな鳥はどうやらムクドリの雛のようです。巣から落ちてしまったのかもしれませんが、どうやら親鳥が近くにいるらしく、その声を聞いてはピーピー鳴いていたので保護はしませんでした。
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次回の稽古は20日です。またあの灼熱のような強い陽射しが戻ってくるのでしょうか。


 
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