流水会目白だより

裏千家茶道 流水会のお稽古の様子などをご紹介しています。

2020年07月

今後の稽古予定、
10月9日(水)、10月16日(水)
11月6日(水)、11月13日(水)
12月11日(水)、12月25日(水)
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7月29日のお稽古ー桑子卓を使って

 7月もそろそろ終わろうとしているのに一向に梅雨が明けない東京です。今の赤鳥庵はちょうどこんな感じで濃い緑色に包まれています。
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 お稽古再開二回目となるこの日は桑子卓を出しました。この棚は毎年初風炉の五月ごろに出すことが多く、例年ならそろそろ茶箱の点前を始める時期ですが、今年は感染症の影響でしばらく稽古ができなかった上、長梅雨で気温も上がらないことから桑子卓となりました。

 桑子卓という棚は中板の位置が低い独特の形をしています。この棚を好んだのは裏千家四代の仙叟宗室と伝えられていますが、仙叟はこの棚を点前に使ったわけではなく、床に置いて天板に香炉、中板に花入を飾っていたようです。

 この棚を最初に点前に使ったのは表千家七代の如心斎だそうです。如心斎は裏千家八代又玄斎一燈の兄ですから、おそらくはその頃から裏千家でも点前用として用いられるようになったのでしょう。
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 写真のように天板には薄茶器、中板に水指、地板と中板の間の細い隙間にはお点前の最後に平建水を飾ります。この日は上級のは続き薄茶、それ以外の方はこの棚で洗い茶巾のお点前をしていただきました。

 利休居士の軸が掛かっているのはこの日初級の許状のお渡しがあったためです。随分前に許状は届いていたのですが、ようやくお渡しすることができてほっと致しました。

 また、この日は二月以来久しぶりにお顔を見せてくださった方もお二人ほどいらっしゃって、懐かしいような、いつもの日常が少しずつ戻ってきたような、そんな嬉しさもありました。

 さて、いつものようにお庭の様子も簡単にご紹介しておきましょう。今はお花が少ない時期のようですが、萩の花がチラホラと見られました。こちらの庭園には何種類かの萩がありますが、こちらは山萩でしょうか?
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 二週間前には生まれたばかりの小さな姿だったカルガモの雛たちもすくすくと育っています。写真のカルガモは姿はすっかり大人ですが、人間が近くによっても逃げる素振りすら見せませんでした。もしかしたら今年この庭園生まれのお兄さん(お姉さん)カルガモかもしれませんね。
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 次回の稽古は来週です。






 

棗にお茶を入れる

 先日のお稽古では皆様にご自分で使う棗にお茶を入れていただきました。棗にお茶を入れることを「お茶を掃く」と言ったりします。

 お茶は棗の中で中央が高くなるよう山の形に入れる、ということは皆さんご存知なのですが、意外にこれが難しい。茶掃箱の中には茶漏斗と呼ばれる道具が入っていて、これを使うとたしかに山にはなるのですが、何だか中央ばかりが尖ったパラマウント映画のオープニングのようになってしまいます。

 茶入にお茶を入れるときは茶漏斗があると便利ですが、中棗にお茶をきれいな山形に入れたい場合は漏斗は必要ではありません。使うのは茶杓だけです。
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 普通の茶杓を使うこと、一番最初から山形になるようにお茶を入れていく、というのがポイントです。棗をお持ちの方はぜひご自宅で練習してみてくださいね。

7月15日のお稽古ー葉蓋、洗い茶巾

 久しぶりにお茶室でのお稽古です。

 水屋には消毒・洗浄用の用具が増えたり、茶巾やタオルをご用意する枚数が増えたり、お菓子器が銘々皿に変わったり、全員がマスクをしているという違いはありますが、茶室に座って皆様にご挨拶をする段になってみると、そこは今までと変わらない「お茶の時間」がありました。
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 稽古再開にあたって選んだ軸は「平常心是道」です。

 三月から六月まで丸々三ヶ月お稽古をお休みしている間に炉の季節が終わって風炉になりました。季節に合わせて夏の薄茶点前である葉蓋と洗い茶巾をお稽古しました。

 水指の蓋の代わりに植物の葉を使う葉蓋は裏千家十一代の玄々斎が七夕の茶会に籠花入の受け筒を水指に見立て、梶の葉を蓋にして用いたのが始まりです。お稽古では蕗の葉とアカメガシワの葉を使いました。

 洗い茶巾は水を張った平茶碗に茶巾を流して入れ、客の前で茶巾を絞って畳むという所作のある点前です。茶碗の水を建水に空けるときの音が涼やかですが、こちらのお点前は時間の関係でできなかった方もありましたので、次回もまたご用意しようと思います。

 感染症対策として、お菓子とお茶をいただく方は同時に一名のみ、お茶を飲み終えた茶碗はその場で未使用の茶碗と交換(一度使った茶碗は水屋に下げる)という形でのお稽古としました。

 伺ってみますと、この日お稽古にいらした皆様のほとんどが「誰かに点ててもらったお茶をいただくのは久しぶり」とのこと。そんな皆様の嬉しそうなお顔を拝見しているだけでも、お稽古が再開できてよかったと心から思えました。

 茶筅通しに戸惑ったり、柄杓の扱い方を忘れていたり、初風炉ならではのハプニングも色々とありましたが、皆様が思っていた以上にお点前を覚えていてくださったこと、私が想像している以上にお一人お一人が成長されていることに驚きを感じました。

 庭園の様子も少しだけご紹介しておきましょう。
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 雨が降って人も少ない庭園ですが、オニユリが咲いていました。そこだけぱっと明るくなったようです。
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 池にはいつものカルガモたち。生まれてまだ間もない小さなカモが時折出てきては水すましのようにツイーツイーと水面を駆け抜けていくのが見えました。4羽ほどいるようです。

 次回は二週間後、またこちらの茶室でお稽古するのが楽しみです。

7月の抽選会

 2日はお茶室の利用者抽選会でした。6月はお稽古がなかったので、目白庭園に行くのは6月の抽選会以来一ヶ月ぶりのことです。

 この日の抽選は9月の利用日を予約するものでしたが参加人数は15名と少なめで、まだまだ皆様集まって活動することに慎重なのだなと感じました。私の抽選番号は15名中14番とかなり後ろの方でしたが、無事二回の稽古日を予約することができました。 

 久しぶりのお庭の様子が気になったので、少し写真を撮ってきました。

 紫式部の花が咲いていました。実は色鮮やかですが、花の方はうっかりすると見過ごしてしまいそうな小さくささやかなものです。
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 もう咲き終えてしまったかと心配していたヤマユリはまだ蕾でした。次のお稽古ではもう咲いているでしょうか?

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 久しぶりの晴れ間に鮮やかなピンクの花を咲かせていたのはシモツケ。不思議な形の花です。
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 カルガモの親子の姿を見かけましたが雛の姿は一羽だけ。人間の活動自粛がカルガモの繁殖も影響しているのでしょうか。だとしたらちょっと気の毒な感じです。
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 いつもの年は今頃庭園の門の前に大きな七夕飾りにたくさんの短冊が下がっているのですが、今日の目白庭園はとても静かでした。次にこちらを訪れるのは久しぶりの稽古再開日。どうなっているでしょうか。
 
ギャラリー
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