流水会目白だより

裏千家茶道 流水会のお稽古の様子などをご紹介しています。

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12月25日のお稽古ー茶通箱、唐物など

 12月25日は今年最後の流水会のお稽古日でした。お天気は冬晴れです。

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 12月の茶席では「無事」という言葉の書かれた掛け軸を掛けて、一年の息災に感謝したりするのですが、この数年は毎年12月には感染症が流行しています。今年はインフルエンザが猛威を奮っているらしく、前日に数人から欠席の連絡がありました。

 お稽古に来られる方の人数がいつもより少ない、となれば時間のかかるお点前にじっくり 取り組んでいただくよいチャンスです。久しぶりに茶通箱のお稽古をすることに致しました。

 茶通箱は古い時代からあるお点前で、箱の中に二種類の異なるお茶が入った茶器を入れておき、お客様に二服のお濃茶を差し上げるものです。現在、私たちの学ぶ裏千家流茶道ではこの点前は中級科目の一つになっています。とはいっても、同じ中級科目である唐物や台天目のように、茶入や茶碗の清め方や扱いが小習の時と大きく変わったりはしません。

 この日お稽古された方々には、茶通箱という点前はストーリーのある点前だというお話をしました。一碗めの濃茶を出すまではほぼ平点前の手順と同じですが、その先どういう流れで点前が進んでいくのかを理解することが大切です。

 もう一つ、ストーリーが次の章に移る時には「きっかけ」があるというお話もしました。このきっかけを作るのが正客ですので、客が亭主に声をかけるタイミング、拝見のタイミングなども同時に覚えないとストーリーの全体像が見えてきません。

 やるのは難しくないけれど、覚えるのは難しいとお感じになられた方も多かった様ですが、稽古を重ねていけば必ず「ああ、こういうことだったのか」と分かる時が来ます。その日を信じて挑戦を続けていただければと思います。

 この他、何人かの方には唐物、濃茶薄茶の平点前のお稽古をしていただきました。皆さまがそれぞれの進捗に応じたお点前を稽古するのが流水会のスタイルです。稽古はあくまで自分自身のためのもの、誰かと比較する必要もなければ、人に遠慮する必要もありません。

 目の前にある課題に取り組み、少しずつご自身の歩みを進めていくのが茶道の稽古です。ぜひ、これからも皆様と一歩ずつ地道な歩みを続けて参りたいと思います。

  さて、この日の庭園の様子もいくつかご紹介しましょう。

 目白庭園のシンボルツリー、枝垂れ桜の木です。何やら鳥が止まっていますね。見えるでしょうか。
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 何と大きなアオサギでした。

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  そのアオサギの視線の先には二羽のカルガモ、上からの威嚇もあまり気にはしていない様です。

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 ボケの鮮やかな赤い花があちこちで見られました。

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12月18日のお稽古ー濃茶付花月、平花月

 12月18日は特別稽古として花月之式をいたしました。流水会の稽古は通常ですと午前中からですが、この日は午後1時開始です。冬至も近い今の時期、午後1時と言っても太陽は低く影は長く、どこかうら寂しい感じがありますね。

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 写真の茶花は寒菊です。十二月になると黄色の小さな花を咲かせる小菊の一種で、霜にあって葉が赤くなった姿が好まれます。残念ながらこの日の葉はまだ青々としていました。

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 さて、この日のお稽古科目である花月之式は七事式と呼ばれる集団稽古のうちの一つです。五人一組で行い、折据と呼ばれる小箱から一枚ずつ札を引いて花と書かれた札が当たればお点前、月と書かれた札が当たればお茶をいただくというのが基本です。

 この日の参加者はちょうど五名、うまく人数が揃いました。

 ところで、私たちの学ぶ裏千家流茶道には花月之式には十種類以上のバリエーションがあります。この日はその一つ、濃茶付花月をまずお稽古することにしました。

 濃茶付き花月は文字通り「濃茶」の付いた花月で、全員で濃茶を頓服した後、薄茶三服の花月になります。席入後に点前の準備が整うと、まず全員で折据を回して、濃茶を練る人(月)と最初の薄茶の亭主(初花)を決めます。

 月は点前座に上がって濃茶平点前をするのですが、炉の場合は濃茶を練って出したら中じまいをしてから仮座に移動したり、亭主から茶碗の拝見を請われたり、そのあとまた点前座に戻って中じまいを解いたりとなかなかの忙しさです。

 濃茶の後は薄茶三服ですが、初花は棗を清める、二の花は茶入を棚に載せて棗を茶入があった場所に置き直す、三の花は仕舞つけと拝見物を出す、とそれぞれにお仕事があります。

 この日のお稽古では点前座に座られた方はそれぞれに上手く役割をこなしておられましたが、客になった時の所作を忘れてしまうことがよくありました。拝見ものを取り込んだり、返したりするタイミング、いつ折据を返すのかといったことを一つ一つ確実に覚えていくことが課題です。

 二回目は平花月をしましたが、こちらの方は濃茶付きに比べるとやることが少ないせいかスムーズに進行しました。が、亭主が仕舞つけを始めてしばらくしてから、座がわりをしていなかったことに気付きました。慣れてきた頃に失敗する、というのはよくあることです。

 それでも皆様足運びがかなり上手くなって、私が逐一ご注意しなくても良くなってきたのは格段の進歩と言えるでしょう。

 この日は三名が早くお帰りでしたので花月の稽古はここまで。残ったお二人からは薄茶平点前を半東を付けてお稽古したいとお申し出がありました。先日伺った青年部さんのお茶会で流水会のMさんがお点前、Kさんが席主兼半東を務められたのが刺激になったのでしょうか。

 お茶会に出るのも、客としてお茶会に参加するのもどちらも貴重な経験です。様々な経験を積み重ねていくところに茶人としての成長があり、また楽しみや喜びがあります。流水会の皆様方にはぜひそうした「点前稽古以外の経験」を積む機会をこれからもご提供していきたいと考えております。

 さて、最後に恒例の庭園の様子も少しだけご紹介します。 

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 庭園に建つ石塔です。十三層になっているので十三重の塔と呼ばれています。日本庭園によく見られる形ですが、ルーツはブッダの遺骨を収めた塔が十三重塔であったことに依るらしいです。たしかにこの塔もよく見ると台座のところに仏様が彫られていますね。

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 こちらの蕾はソシンロウバイです。冬に黄色い蝋細工のような花を咲かせるロウバイ、先日伺ったお茶会では見事に黄色く膨らんだ蕾が白いつばきと共に花入に入っていましたが、目白庭園のロウバイが咲くにはまだ早いようでした。
 

12月11日のお稽古ー濃茶平点前、唐物、台天目

 12月11日は約一ヶ月ぶりの流水会のお稽古日でした。

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 しばらくお茶室に来ない間にいつのまにか冬の気配が漂っています。季節のうつりかわりが早い、というより夏と冬に挟まれてあっという間に秋が過ぎていった感があります。

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 こちらの掛け軸は毎年12月になると流水会の稽古に登場します。書かれている言葉は「時不待人」時人を待たず、と読むのだと思います。時間はどんどん流れていく、だからこそ私たちは目の前にある一つ一つのことを大切にしていきたいですね。

 この日のお稽古は数日後に控えた青年部にお茶会に出られる方々はそのお稽古、それ以外の皆様は濃茶平点前、唐物、台天目などそれぞれの進捗に合わせてお稽古を致しました。

 お茶会に出るというのは人前で点前をするだけではありません。半東としてお菓子を出したり、お茶碗を取り次いだり、亭主役としてお正客とお話をする仕事もあります。今回初めて亭主の役をすることになった方には当日のお道具を説明する練習もしていただきました。

 青年部のお茶会で使う茶道具は皆様が持ち寄られたり、先生方からお借りしたものを使うことになりますので、全てのお道具の名前を覚えてお客さまに説明するだけでもなかなか大変ですが、ご自身にできる精一杯の準備をすればよい、とお話ししました。

 たとえ手元のメモを読みながらの説明であっても、お客様にきちんとお伝えしようと言う気持ちが伝わればそれでも構いません。お茶会の亭主は誠実にお客さまに向き合うことが一番大切なのですから。

 濃茶のお稽古の皆様は炉の季節ならではの中蓋、中じまいといった手順を覚えることに、また唐物、台天目の点前をお稽古された皆様にはそれぞれの道具の扱い方を知って頂くことに主眼を置いてお稽古を致しました。

 目新しい形の茶入や茶碗、茶杓、そして初めて見る帛紗の捌き方、中級以上のお点前は道具の扱いだけでなく手順にもこれまでちは違う部分が多々ありますが、ぜひしっかりと身につけていただきたいと思います。

 最後に簡単にお庭の様子をご紹介しておきましょう。赤鳥庵の紅葉はもう盛りを過ぎていました。それでもまだ一部に赤や黄色の木々が見えます。

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  こちらはマンリョウの実です。

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  よく似た赤い実を付ける千両は葉の上に実がなるもですが、マンリョウは葉の下側に木からぶら下がるような形で実がなります。小さなさくらんぼのようにも見えますね。

 この日の池にはカルガモも数羽訪れていました。来年はまたここで雛を育ててくれると良いのですが、春が来る前にはまた水を抜いての清掃が行われるそうです。カルガモたちに見限られてしまわないと良いのですが。 
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