流水会目白だより

裏千家茶道 流水会のお稽古の様子などをご紹介しています。

目白庭園の四季

今後の稽古予定
4月17日(水)
4月24日(水)第一和室のみ終日
5月8日(水)、5月22日(水)
6月5日(水)、6月19日(水)
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2月28日のお稽古ー平花月、絞り茶巾、大津袋

 流水会のお稽古日は月二回、水曜日というのが原則ですが、今月は変則的に三回目のお稽古を入れました。いつものように朝から夜までではなく午後1時から夕方5時までの時間帯です。

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 お天気は快晴、雲一つない冬の空ですが、外の庭園はメンテナンスのため閉鎖中で今回も至って静かでした。

  この日は薄茶の稽古を中心に致しました。まずは人数が揃ったので平花月を一回致しました。札を引いて花が当たった方が薄茶を点て、月が当たった方がお茶を飲むというのを四回繰り返します。

 面白いことに今回はお茶を飲まれた方はお二人だけ。お点前を二回なさった方もありました。事前予告なしでいきなりの花月でしたが皆さまよくやってくださいました。 

 その後は二月最後なので絞り茶巾の復習です。筒茶碗を扱う点前は易しいようでなかなか手強く、茶碗の清め方を忘れていたり、茶筅がうまく振れずお茶がうまく点てられなかったりしましたが、それでもこの稽古は今日まで。出来なかったところはまた来年以降に持ち越しです。

 棗の代わりに弦付という薄茶器を使ってのお稽古もしました。弦付は四滴茶器と呼ばれる焼物の薄茶器の一つで、清め方やお茶の入れ方が独特です。稽古中に「四滴の残りの三つの名前が分かりますか」とお尋ねしたところ、なかなか名前が出てきませんでした。

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 薄茶器に弦付を使ったのは実は棗で濃茶の稽古をしようと思ったからでした。前回のお稽古でも何名かの方に大津袋のお稽古をしていただいたのですが、棗で行う濃茶点前は私たちの学ぶ裏千家流には欠かせません。ぜひ、しっかりと身につけていただきたいと思います。

 四滴茶入の名称にしても、棗での濃茶点前にしても一度ではなかなか覚えきれません。人は忘れるもの、でも忘れたこともまたその都度覚え直していけばよいので、忘れることを恐れたり悲観したりする必要はありません。

 大切なのは実践すること、自分で手を動かして点前をすること、それを繰り返していくことです。学校や仕事、ご家庭の事情など皆様忙しいことはよく承知しておりますが、どうかお稽古はできるだけ休まずに来ていただけることを願っております。

 さて、お庭の様子も少しだけご紹介します。前回同様この日も水を抜かれた池にアオサギが来ていました。同じ個体でしょうか。前日まで降っていた雨のせいか池の底には大きな水溜まりができていて、それをじっと覗き込むようにしていました。

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 なかなかの貫禄です。この大きなアオサギの存在に恐れをなしたのかカルガモなどは見られませんでした。

 次回は来週3月6日、時間はまた午後のみです。当初は花月特別稽古としてご案内しておりましたが、人数が集まらないので通常の稽古となります。

 

2月21日のお稽古ー大円草、大津袋、絞り茶巾

 二月二回目となるお稽古はあいにくの雨模様でしたが、門を入ってすぐ目の前で白梅が咲いていました。そろそろ庭園の梅も見頃が近づいてきました。

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 ただ、残念なことに今年は二月中旬から庭園が大規模なメンテナンスに入っていて、日本庭園部分は全面入場禁止になっていました。茶室から見るとこの通り池の水が全て抜かれています。水がないだけで見慣れているはずの景色も随分と違って見えるものですね。

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 さて、この日は久しぶりに大円草の点前をお稽古しました。大円草は奥伝ですので点前の詳細は書けないのですが、とにかく時間がかかるという特徴があります。お一人の方がお稽古を終えるのに約45分、やることも多く、足も痺れます。

 奥伝稽古は集中力と体力を要します。ある意味自分自身との闘いです。この日は3名の方がこの点前に挑みましたが、皆さん本当によくやってくださったと思います。

 お濃茶の点前に少し慣れてきた方々は大津袋のお稽古をしました。大津袋は棗を使って行う濃茶点前です。お茶の点前では薄茶は棗(漆器)に、濃茶は茶入(陶器)に入れて用いますが、千利休居士は棗を使った濃茶点前も考案されています。

 その時代の常識にとらわれることなく様々なアイデアを実践したという点で、千利休という方はとても革新的な方だったのでしょうね。

 薄茶は前回に続いて絞り茶巾をしました。今週は気温の異常に高い日もありましたが、この日は冬らしい気温に戻りましたので、筒茶碗を使うにはちょうどよかったです。

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 写真はこの日の床の間です。夜のお稽古の時間に「掛け軸の字は何と読みますか」とお尋ねがありました。お習字をされている方でも掛け軸の言葉が読めない、ということは割とよくあります。茶室の掛け軸の言葉は「禅語」、仏教の禅宗から来た言葉が多いのでよく使われる禅語を覚えておくと自然に読めるようになります。

 ちなみにこちらの四文字は「和敬清寂」と読みます。

 お天気が悪くその上庭園に入れないこともあって、この日は一日中とても静かでした。カルガモたちもどこか水のある川か池に避難しているのでしょうか。
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 水の無い池にアオサギが一羽いました。「池の底に残ったドジョウを食べているようです」と園長がおっしゃっていましたが、見ていると何やらぴょこぴょこ跳ねているものを突いています。カエルでしょうか。気温の高い日が続いて冬眠から目覚めた途端、アオサギに突かれているのだとしたらカエルも何と運の悪いことでしょう。

 次回は28日。午後のみのお稽古の予定です。

2月7日のお稽古ー盆点、流し点、絞り茶巾

 2024年2月最初のお稽古日も晴天に恵まれました。庭園入り口の白梅も綻び始めています。
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 目白周辺は前々日の月曜日の午後から夜にかけて雪が降ったのですが、庭園にはまだかなり雪が残っているようでした。驚いたことに稽古中に何度かドドドッという大きな音とともに赤鳥庵の屋根に積もった雪が落ちてきました。こんな経験はこの茶室をお借りするようになって初めてのことでした。

 さて、2月は一般にはそれほど多忙な時期ではないとされていますが、寒さのせいなのか、それともお仕事や勉強にお忙しいのかお休みの方が重なりました。その分、ご出席いただいた皆様方はじっくりとお稽古に取り組めたのではないでしょうか。

 この日の科目は盆点、そして薄茶は流し点と絞り茶巾を致しました。盆点は盆の上に唐物茶入を載せて行う中級のお点前です。伝物ですので詳細は書けませんが、この点前をしっかり習得しておくことが、さらに上の点前を習う際の基盤になります。

 冬の薄茶点前として前回に引き続き絞り茶巾、そしてもう一つ流し点をしました。流し点はお茶を点てる亭主と客とが向かい合わせに座って行う点前で、別名「お見合い点前」とも言い、本来は四畳半以下の小さな茶室に少人数のお客様を招いて行います。

 点前の手順はいつもの薄茶平点前と変わらないのですが、亭主の座る位置、茶道具を置く位置が大きく異なります。茶道にはこうした「頭の体操」的なことを求められる点前がいくつもあります。お茶の点前は一定の規則に従って身体と頭の両方を使って行いますので、ある意味スポーツにも似ているかもしれませんね。

 この日はまた、お稽古のご見学に来られた方がお二人ほどありました。久しぶりのことです。毎年11月ごろから4月ごろまでは見学の申し込みが多いのですが、このところお茶室の予約がうまくとれず、見学者の受け入れができない日が多かったのでした。

 流水会に見学にこられる方はほとんどの方が初心者です。茶道の世界に興味を持ち、稽古場に見学にきてくださっただけでも嬉しいことですが、一緒にお茶を学ぶことができたら私たちにとっても何よりの喜びです。

 珍しい雪の目白庭園の様子もご紹介しておきましょう。

 ちょうど池のほとり、赤鳥庵の下側辺りの写真です。上から雪が落ちてきた!というのがよくわかります。(この日は通行止めの場所もありました)
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 裏の芝生広場に積もった雪です。誰か雪だるまを作ろうとした人がいるようですね。
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 芝生広場の梅の木も咲き始めています。これぞ雪中梅。
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 次回のお稽古は21日です。庭園の点検のため池の水が抜かれて庭園部分は立ち入り禁止になる予定ですが、赤鳥庵には入れます。どうぞよろしくお願いします。
 

 

2月の抽選会

 2月1日は4月分の赤鳥庵利用者抽選会がありました。
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 実は、目白庭園は2月13日から3月31日まで池の水を抜いて本格的な改修の必要があるかどうかを調査すること決まっています。庭園はこの期間入場ができません。

 赤鳥庵は利用可能ですが、万一大規模な改修工事が必要で大型重機を入れることになると、赤鳥庵も利用中止になる可能性がある、改修工事が4月に延びたらその場合は4月以降も庭園の利用や赤鳥庵の利用が停止になることがある、というアナウンスがありました。

 抽選会はやるけれど、大規模工事が決まったら使えないので了承してね、ということですね。それでも36名が抽選会に参加しました。大した人気です。

 私の引いた番号は20番台後半、決して良い番号ではありませんが、なんとか水曜日を確保しました。工事の影響を受けないよう可能な限り多めに日程を確保しましたので、4月の稽古日は三回あります。年度がわりですので、皆様のご都合とうまく合うと良いのですが。

 のちほどウェブサイトの方でも稽古予定日を更新しますのでぜひチェックしておいてください。

  さて、庭園ではようやく梅が綻び始めました。池の向こうの紅梅は見頃、庭園入口と池の向こう側の白梅はまだ数輪咲いているのみ、芝生広場のピンクの八重咲きの梅はかなり咲いていますが、白梅や寒緋桜はまだです。

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 次回のお稽古日は2月7日ですので、庭園も芝生広場もまだ入場可能です。お稽古に来たついでにぜひ庭園散策を楽しんでください。予定通りなら今月二回目ののお稽古日には池の水がすべて抜かれているはずです。

1月24日のお稽古ー台天目、絞り茶巾

 1月24日は流水会の今月二回目のお稽古日でした。今年の冬は暖冬で暖かい日も多いのですがこの日の朝は久しぶりに冷え込みました。
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  お稽古ではいつも二つの茶室をお借りしていますが、この日は午後が一室しか借りられませんでしたので、主に8畳の第二和室を使ってお稽古をしました。

 大勢がお稽古に来られる時間帯に炉が一つでは足りないので、電熱器と炉縁を使って簡易的な置き炉としてもう一箇所点前のできるスペースを作りました。これは私の師匠が昔よくやっていた方法なのですが、皆様には意外だったようです。炉の切られていないお部屋でも、こうした工夫をすれば炉の稽古はできます。

 床には先週私がお家元の初釜式に参加した際にいただいたお土産を飾って皆様にご披露しました。寿扇に書かれている文字は「黄龍吐明珠」でしょうか。お干菓子は末富です。白いお皿のように見えるのは焼物の盃です。
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  さて、お稽古科目ですがこの日は台天目と絞り茶巾を中心に致しました。台天目は天目茶碗の扱いを学ぶお点前です。日本で国宝に指定されている抹茶茶碗は全部で八つありますが、このうち五つが天目茶碗であることはご存知でしょうか。

 今日天目茶碗がお茶会に登場することはまずありませんが、それを使う点前は今も伝承されていて、茶道を学べばそれを知ることができます。歴史を自ら体感できるというのが茶道の魅力の一つでもあります。

 絞り茶巾は冬の点前で、筒茶碗と呼ばれる口径が小さく底の深い茶碗を用います。絞った状態で茶巾を茶碗に入れておき、これを客の前で畳みます。茶碗が深いので拭き方も独特です。2月も引き続き筒茶碗をご用意しますので、まだお稽古されていない方にはぜひ挑戦していただきたいと考えております。

 お庭の様子も少しだけご紹介しましょう。庭園の蝋梅も梅もまだ咲いていませんでしたが、この日は冬らしい青空がとても綺麗でした。
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 雪吊りされた松の木。東北や北陸ではこの光景はお馴染みでしょうが、あまり雪の降らない関東では意外に珍しい景色です。
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 こも巻きされた松の幹。藁の中は温かくここに集まった虫を藁ごと焼いて駆除するというものです。

  
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