6月に入って最初のお稽古となった7日、お天気は快晴、日射しが眩しい朝です。少し蒸し暑さも感じられるようになりましたので、茶室には冷房を入れました。

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 久しぶりに唐物のお稽古をいたしました。唐物とは唐物茶入を使って行う点前です。

 室町時代から江戸時代にかけて、唐物の茶入を持つことは茶人にとって大きなステータスでした。茶道が武家、とりわけ大名の社交に欠かせなかった時代には唐物茶入は宝物でした。現在では多くの唐物茶入が美術館に収蔵されており、お茶会などでも見かけることはほとんどありません。

 それなのに、なぜ、今は誰も持っていないような唐物茶入を使う稽古をするのだろう?、点前を覚えてもまったく使い途はないのに……。私も最初はそんな風に思っていました。

 でも、昔の人が使っていた茶入と同じ形のものを自分が持ち、それで点前をしてみることにはある意味があります。それは体験していただかないと実感できないことですから、私はある程度薄茶・濃茶の点前に慣れた方には許状を取って唐物のお稽古をするようお勧めしています。

 茶道は単に「もてなしの技術」を伝えるだけのものではありません。点前の稽古という体験を通じて、ご自身の心と体で「何か」を感じ取っていくというのが醍醐味でもあります。唐物などの中級以上の点前稽古には小習の点前稽古では得られない別の醍醐味がある、そんな風に感じていただければ何よりです。

 この日の稽古では唐物だけでなく、初歩の盆略点前、運び薄茶平点前、棚付き薄茶点前、運び濃茶平点前などのお稽古をなさった方もありました。薄茶点前では棗に加え、金輪寺の扱いのお稽古も致しました。

 久しぶりにお稽古体験の方、ご見学の方もあって夜まで賑やかでした。

 さて、お庭の様子もご紹介しておきましょう。裏の芝生広場の近くでは梔子(クチナシ)の花が咲きはじめました。

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 こちらの花は八重咲きですね。一重咲きに比べるとずいぶん豪華な感じがします。

 庭園のカルガモたちもお天気が良いせいか、機嫌よく通路に上がって日向ぼっこでしょうか。
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 数えてみると全部で十二羽。多分、この中に親鳥が混じっていると思うのですがもうすっかり大きくなって親子の区別がつきません。
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 それにしても人馴れしているというのか、人を恐れないというのでしょうか。こんな近くから撮影しても全然気にも留めていない様子です。

 多いときだと年に三回雛がかえった年もありましたが、今年はどうでしょう?また可愛い雛たちが見られたりするでしょうか?