5月になりました。赤鳥庵前の青楓が青空に映えて見事です。

世間ではマスクを外す方が増えてきました。今後はマスクの着用は個人の判断に任せるというのが国の方針となり、裏千家のお家元からもその方針に準ずるお達しがありましたが、流水会ではこの日も引き続き皆様にマスクの着用をお願いいたしました。
お稽古に来られる方の中にはいわゆる「高リスク」の方もいらっしゃいます。お互いを思いやるというのが茶道においては最も大切です。誰もが安心してお稽古できるようにするためのマスク着用ですので、どうかご理解いただきたいと思います。
さて、茶道の世界では5月は大きな節目です。前年の11月から使ってきた炉を閉じ、畳を敷きかえて5月からは風炉を使ってのお稽古となります。
掛軸は「和敬清寂」です。この四文字が茶の心のすべてを表すと言われています。いつもと違って花入がたくさん飾ってあります。この日はお花が多く手に入ったので、皆様にもお花を入れていただきました。
「茶道のお稽古なのに花?」と思われた方もあるかもしれませんが、茶室に花は欠かせません。茶道の花は「茶花」と呼びます。華道とは違って少ない本数を自然な形に見えるように花入に入れます(「花を活ける」とは言いません)。

上の写真では細長い唐銅(からかね)の花入に、花菖蒲を一本だけ入れています。茶花は茶席の主役ではありませんから、技巧を凝らしてたくさんの花を入れるのではなく、さりげなく、あっさりとした姿にする方が良いとされています。
畳の床に唐銅の花入を置くときは上の写真のように薄板を敷きます。薄板、花入、花の三つが揃って初めて茶花になります。花入の種類によっては薄板を用いないものもありますし、床柱に掛けて用いる掛け花入というものもあります。
お点前の稽古も大切ですが、掛軸や茶花など床のしつらえは茶室には欠かせないものですから、こうしたことも少しずつ稽古を通じて覚えていただければ幸いです。
さて、この日のお点前では桑小卓(くわこじょく)と丸卓(まるじょく)を使いました。桑小卓はふだんのお稽古ではあまり使っていないので、初めてご覧になった方もいらっしゃったかと思います。この棚は点前の最後に柄杓と蓋置を飾る位置が変わっています。
桑小卓を使うときは建水に平建水という底面が広く底の浅い建水を用います。 お点前の最後にこの建水に蓋置を入れて、棚の下の段に飾るというのが桑小卓の面白いところです。
この日は薄茶平点前、濃茶平点前など基本のお点前を中心にしました。少し慣れている方には続き薄茶(濃茶に続いて薄茶をする点前)にも挑戦していただきました。中には久しぶり(あるいは初めて)の風炉のお稽古に戸惑う方もいらっしゃいましたが、これから少しずつ慣れていきましょう。
お庭の写真も少しだけご紹介します。

朝の池の様子です。この時間帯は静かだったのですが、時間が経つに連れて池にかるがもの親子が出てきました(残念ながら写真はありません)。雛誕生のニュースは新聞にも載ったそうで、かるがも親子目当てに庭園に来る人も続々、この日のお庭は一日中にぎやかでした。


世間ではマスクを外す方が増えてきました。今後はマスクの着用は個人の判断に任せるというのが国の方針となり、裏千家のお家元からもその方針に準ずるお達しがありましたが、流水会ではこの日も引き続き皆様にマスクの着用をお願いいたしました。
お稽古に来られる方の中にはいわゆる「高リスク」の方もいらっしゃいます。お互いを思いやるというのが茶道においては最も大切です。誰もが安心してお稽古できるようにするためのマスク着用ですので、どうかご理解いただきたいと思います。
さて、茶道の世界では5月は大きな節目です。前年の11月から使ってきた炉を閉じ、畳を敷きかえて5月からは風炉を使ってのお稽古となります。
掛軸は「和敬清寂」です。この四文字が茶の心のすべてを表すと言われています。いつもと違って花入がたくさん飾ってあります。この日はお花が多く手に入ったので、皆様にもお花を入れていただきました。
「茶道のお稽古なのに花?」と思われた方もあるかもしれませんが、茶室に花は欠かせません。茶道の花は「茶花」と呼びます。華道とは違って少ない本数を自然な形に見えるように花入に入れます(「花を活ける」とは言いません)。

上の写真では細長い唐銅(からかね)の花入に、花菖蒲を一本だけ入れています。茶花は茶席の主役ではありませんから、技巧を凝らしてたくさんの花を入れるのではなく、さりげなく、あっさりとした姿にする方が良いとされています。
畳の床に唐銅の花入を置くときは上の写真のように薄板を敷きます。薄板、花入、花の三つが揃って初めて茶花になります。花入の種類によっては薄板を用いないものもありますし、床柱に掛けて用いる掛け花入というものもあります。
お点前の稽古も大切ですが、掛軸や茶花など床のしつらえは茶室には欠かせないものですから、こうしたことも少しずつ稽古を通じて覚えていただければ幸いです。
さて、この日のお点前では桑小卓(くわこじょく)と丸卓(まるじょく)を使いました。桑小卓はふだんのお稽古ではあまり使っていないので、初めてご覧になった方もいらっしゃったかと思います。この棚は点前の最後に柄杓と蓋置を飾る位置が変わっています。
桑小卓を使うときは建水に平建水という底面が広く底の浅い建水を用います。 お点前の最後にこの建水に蓋置を入れて、棚の下の段に飾るというのが桑小卓の面白いところです。
この日は薄茶平点前、濃茶平点前など基本のお点前を中心にしました。少し慣れている方には続き薄茶(濃茶に続いて薄茶をする点前)にも挑戦していただきました。中には久しぶり(あるいは初めて)の風炉のお稽古に戸惑う方もいらっしゃいましたが、これから少しずつ慣れていきましょう。
お庭の写真も少しだけご紹介します。

朝の池の様子です。この時間帯は静かだったのですが、時間が経つに連れて池にかるがもの親子が出てきました(残念ながら写真はありません)。雛誕生のニュースは新聞にも載ったそうで、かるがも親子目当てに庭園に来る人も続々、この日のお庭は一日中にぎやかでした。

この緑色の細い棒のような植物は「木賊」(とくさ)です。茎の表面がざらざらしていて、日本では昔からこれを木製品などを磨く際にやすりとして利用されてきました。赤鳥庵の前にもたくさん生えています。
棗や薄茶器にはこの木賊を図案化してものも見られます。まだご覧になっていないという方はぜひ見ておいてくださいね。
次回のお稽古は5月24日(水)です。
棗や薄茶器にはこの木賊を図案化してものも見られます。まだご覧になっていないという方はぜひ見ておいてくださいね。
次回のお稽古は5月24日(水)です。