7月最初のお稽古日のお天気は曇り、東京都内はすでに梅雨明けが発表されていますが、前日までの天気予報では台風くずれの低気圧の影響で大雨になるとも言われていたことを思うと「お天気に恵まれた」と言っても良いでしょう。
IMG_6782

七夕の前日ということもあってお稽古科目は葉蓋です。葉蓋は名前の通り水指の蓋に替えて植物の大きな葉をのせて行う、裏千家独自のお点前です。このお点前を考案された裏千家十一代の玄々斎が七夕の茶会でこの点前を披露したと伝えられていることから、私たち裏千家を学ぶ者には七夕と葉蓋は切ってもきれないご縁がある、ということになります。

玄々斎が葉蓋に使われたのは梶の木の葉ですが、この日のお稽古では蕗の葉とアカメガシワの葉を用意しました。蕗は茎を食べるものですし、アカメガシワも新芽や若葉を食用にすることができます。

葉蓋点前の面白いところは、お点前中に葉を畳んで建水に落とすところにあります。私の師匠は「お人形さんの着物のようにたたむと良い」と教えてくれましたが、この言い方は着物に馴染みのない若いみなさんにはなかなか伝わらないので、毎年稽古のたびに「どういう風にご説明しようか」と悩むところではあります。

中級の許状をお持ちの皆様は和巾点のお稽古をしました。和巾点も葉蓋と同じく裏千家十一代の玄々斎が考案されたお点前です。幕末から明治初期という激動の時代に考案されたお点前ですので、背景となる逸話をお話しながらのお稽古でした。
IMG_0525

稽古中は忙しくほとんど写真が撮れませんでしたので、この日ご用意していた干菓子の写真(翌日に自宅で撮りました)をご紹介します。ピンク、白、ブルーの三色の錦玉糖は豊島屋さんの「星乃橋」紅白の小さな和三盆は両口屋是清の「二人静」です。
 
流水会の皆様にはご自宅でもお抹茶を点てたり和菓子を召し上がったりしていただきたい、というのが私の七夕のささやかな願いです。

さて、この日のお庭の様子も少しご紹介しておきましょう。今回は目白庭園の生き物シリーズです。まずは毎度おなじみのカルガモから。寛いでいて人が近寄っても逃げません。
IMG_6792

こちらはコシアキトンボ。水面に映っているわけではなく二匹です。
IMG_6793

そしてこの小さな鳥はどうやらムクドリの雛のようです。巣から落ちてしまったのかもしれませんが、どうやら親鳥が近くにいるらしく、その声を聞いてはピーピー鳴いていたので保護はしませんでした。
IMG_6787

次回の稽古は20日です。またあの灼熱のような強い陽射しが戻ってくるのでしょうか。