六月になりました。そろそろ雨の季節の到来ですが、この日は晴れて初夏の日差しの高さを感じました。赤鳥庵の前の緑もなにやら鬱蒼としてきた感があります。
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 久しぶりに新たに初級の許状のお渡しがあり、利休様の掛け軸をかけました。床のお花は芍薬です。
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 さて、この日の稽古は貴人点と台天目でした。どちらも台に乗った茶碗を使うお点前です。私たちが学んでいる裏千家流では通常は茶碗は直に畳の上に置きますが、実は元々中国から抹茶の飲み方と同時に入ってきた茶碗は台に乗せて使うものでした。

 聞くところによると中国の習慣では茶碗を直に置くことはなく、テーブル上でも必ず茶托や台の上に乗せるものなのだとか。よく考えてみると現代の私たちも畳の上に直に食器を置くことはまずありませんね。むしろ「茶碗を直に畳の上に置く」という方が、例外的と言えるのかもしれません。

 茶道の歴史を振り返ってみると、茶碗が直に畳におかれるようになったのは、おそらく「侘茶」(わびちゃ)という簡素な茶の形式が生まれてからのことかと思われますが、最初に茶碗を台に乗せるのをやめた茶人は誰だったのでしょうか。気になるところです。

 実をいうとお茶のお稽古というのは古くからある点前を先に習うのではなく、新しくできた点前を習ってから昔の点前にさかのぼっていくような性質があります。台に乗せた茶碗を扱うというのもその一つなのです。

 この日のお庭の様子も少しご紹介しておきましょう。
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 庭園では未央柳(びようやなぎ)が咲き始めました。黄色い花の中央におしべが長く伸びた特徴のある花が、庭園のあちこちで咲いていました。
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 そして、滝のすぐ横には紫片喰(むさらきかたばみ)。どこでもよく見られる雑草ですが、江戸時代末期に観賞用として入ってきた南アメリカ原産の花なのだそうです。
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 紫陽花(あじさい)も咲き始めました。もうすぐ梅雨入りですね。
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