3月になりました。目白庭園のシンボルツリーの一つ、長屋門前の梅の木には愛らしい白い花が綻びはじめていました。長かった冬もようやく終わりそうです。
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 冬の終わりは見えてきましたが、感染症の流行はまだ終わりが見えません。「会社で感染者が出てしまいました」「喉が痛いのでお休みします」といったご連絡が入って、急なお休みの方が三名ありました。

 その一方で、最近は「お稽古を見学したい」「体験をしてみたい」といったお問い合わせもぽつりぽつりと頂いております。この日も体験ご希望の方がお見えになりました。嬉しいことです。

 この日のお稽古では久しぶりに「入子点」を致しました。入子点は薄茶のお点前で、木地の曲建水(曲げわっぱのお弁当箱によく似た丸い形の器です)の中に、茶碗を入れ子にして運び出して行う点前です。

 蓋置や柄杓などはあらかじめ棚にかざってから始めますので、運び出す道具は入れ子にした建水と茶碗だけです。お茶を点ててお客様にお出しした後、建水以外の茶道具は茶碗や帛紗も含めてすべて棚に飾ります。最後に持ち帰るのは建水だけ、ということになります。

 入子点は足の悪い方や子供さんなど、道具を運び出すのが心許ない方がお客様に心配をかけないように行う点前、とされていますが、この日のお稽古では元気いっぱいの皆様がたにお点前していただきました。飾り方が異なるだけでもやってみると様々な発見があります。

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 上の写真はちょうどお点前が終わった後に撮りました。「あれ?」と思った方もあるかもしれません。そうなのです。この日は釣釜にしました。釣釜とは文字通り茶の湯の釜を鎖で天井から吊ることを指します。私たちの学ぶ裏千家流では、三月にはこの釣釜をよく使います。

 春風に吹かれて釜がゆらーりゆらーりと動く風情を楽しむ、などと言ったりしますが慣れないうちは釜が不安定で点前をしていると何か落ち着かない心持ちになったりもします。
 
 そしてちょうど翌日がひな祭りでしたので、床には桃の花を飾り、お菓子は桃色のきんとんにしました。

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 茶道の稽古にはこうした季節の行事に応じた楽しみもあります。
 さて、今回はお庭の写真も撮ってきましたのでご紹介しましょう。
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 これは赤鳥庵から池を挟んで反対側の梅の木。白い花がちょうど咲き出していて、赤鳥庵の中からもよく見えました。

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 こちらは黄梅。名前に「梅」がつきますが、モクセイの仲間だそうです。

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 芝生広場のピンクの梅はちょうど満開でした。八重咲きの花が見事です。

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 同じく芝生広場の白梅はまだこんな感じ。 二分咲きといったところでしょうか。

 目白庭園の花々はこれから次々と見頃を迎えていくでしょう。ただ、残念ながら3月は今後二週間ほど修繕工事のために赤鳥庵が利用できなくなります。庭園には入れますが一部通路が通行止めになっていたり、赤鳥庵にブルーシートがかかっていたりすることがあるそうです。

 次回の稽古予定日は工事終了後の23日です。もしかしたらそろそろ庭園名物の枝垂れ桜が咲き始めているかもしれません。