22日は今月2回目のお稽古でした。赤鳥庵前の木々も紅葉の時期を過ぎてすっかり冬仕様です。
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  午前と午後のお稽古では第二和室を使いました。第二和室は第一和室と違って下座床(点前座から見て後方に床の間が位置しています)です。床の間の床柱は茶道口に近い方になりますので向かって右に床柱がありますね。
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 軸は「紅爐一点雪」(こうろいってんのゆき)、手前の写真は実は私の師匠の写真(テレホンカード)で、お隣には師匠の干支である申にちなんでくくり猿の香合を飾っています。師匠は四年前の十二月に亡くなられました。ご命日に近い稽古の日は私にとって師を偲ぶ日でもあります。

 さて、この日の稽古では午前中に来られたお二人の方に、前回につづいて盆点のお点前をしていただきました。盆に載せた唐物茶入の扱いを学ぶ点前で、中級の五つの点前の中ではもっとも格式の高い点前になります。盆点は濃茶の平点前などに比べると手順も所作も違いが大きいので、何度も稽古をする必要のある点前です。私も何度も師匠からご指導いただきました。

 お昼をはさんで午後は流し点を致しました。一客一亭で亭主と客が向かい合って点前をします。昔、私が夫と二人で稽古に伺うと師匠から時折この流し点の点前をするように言われたものでした。流し点は、お客様にお茶を差し上げた後、亭主もお茶をいただきます。亭主が自分でお茶を飲むことを「ご自服」といいますが、ご自服の良いお稽古にもなります。

 その後は夜まで初心者の皆様に棚付きの薄茶平点前を中心にお稽古していただきました。炉になって2ヶ月目、ようやく皆さま少しずつ点前が形になってきました。

 この日の夜には久しぶりに小学生の姉妹の方がお稽古に来られました。しばらくぶりでしたので夫が基礎からみっちりご指導したのですが、お二人が帰られた後でお母様からのメールに気がつきました。来月からご家族の仕事の都合で海外に行くことになりそうだ、とのこと。

 お二人からはそのお話がなかったので、いつも通りのご挨拶だけでお別れしてしまったことが心残りでした。
 
 では、お庭の様子も少しご紹介しておきましょう。茶室からは見えなかったのですが、池にはこんな珍客が来ていたようです。カワウ、でしょうか。
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 久しぶりにカルガモも姿を見せていました。目白庭園では誰も鳥たちに悪さをする人間がいないせいでしょうか。近くまで寄っても逃げるそぶりもなく、カメラを向けられても気にしない。そんな鳥たちでした。
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 そして次の二枚の写真は千両と万両。どちらも冬に赤い実をつける植物ですが、葉の上に実がついているのが千両、葉の下にさくらんぼのように実が垂れ下がっている方が万両です。

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 流水会の今年の稽古はこれで終了。コロナのせいでなかなかお稽古ができなかったこの一年でしたが、去年の暮に比べたら幸いにもずっと状況はよくなってきています。

 次回の稽古は来年、1月5日からスタートです。