梅雨が明けて最高気温が30度を超える日が続いています。空の色も流れる雲もすっかり夏の趣です。
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 こんな日こそ夏のお点前、ということで洗い茶巾のお稽古をしました。洗い茶巾は平茶碗に水を入れ、濡れた茶巾と茶筅、茶杓を仕組んで運びだし、席中で茶巾を絞って畳む所作のある薄茶の点前です。

 この点前では茶碗に入った水を建水に捨てるときのサラサラという水音がご馳走です。私の師匠などはよく「滝の水が落ちるように」とおっしゃっていました。冷房のない時代には五感で涼しさを演出する工夫が行われていました。耳で聞く「音」もその一つというわけです。

 幸い私たちのお稽古している茶室はエアコン完備。窓を開けて換気をしていても天井の方から冷風が出ているのでなんとか着物でお稽古することができます。ありがたいことです。

 稽古は時間帯ごとの入れ替え制・事前予約制で行っていますが、時間帯によってはお一人だけ、という場合もあったりします。そんな時間帯にはみっちりと唐物、台天目、盆点など少し時間のかかる中級の点前をお稽古していただきました。

 この日一番人数が多かったのは17時から19時の夜の時間帯でした。急遽お部屋の予約を追加して、夜は二つの茶室に人数を分散して稽古をいたしました。お仕事で忙しい皆様が茶道の稽古のために時間を割いてくださるのは私たち教える側にとっても嬉しいことです。
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 床の軸は「日々是好日」。新型コロナウィルスの影響でなかなか思うようにいかないことの多い今日この頃ではありますが、今目の前にある時間、目の前にあることを真剣に、大切にしていきたいものです。

 さて、庭園の方ですが暑さのためかお花の姿はあまりなく、相変わらず池はカルガモ天国。この日の稽古中も何度もカモたちのガァガァと騒がしく鳴く声が聞こえてきました。
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 人を恐れる様子がまったくないのも相変わらずです。
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 外は相当暑いでしょうに、この日も和装で!! 婚礼写真の前撮りをするカップルの姿がありました。振袖姿の女性の撮影もありました。着物を着なれている私でも夏は相当用心しないとあっという間に熱中症になりそうなのに、皆さんすごいなぁと感心しました。

 さて、次回の稽古は8月。8月といえば茶箱の季節です。昨年は結局茶箱の稽古をやらずじまいでしたので、今年はやらないわけにはいきません!