緊急事態宣言が解除されて、ようやく稽古を再開しました。久しぶりの目白庭園赤鳥庵の前は青楓の葉が鬱蒼と繁っていました。
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 しばらくお休みしている間に季節は移りすでに6月も最終日。ようやく風炉の稽古の始まりです。風炉を出して釜をかけ、お花は宗全籠に入れました。許状をお渡しする方がありましたのでお軸は利休居士です。
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 ご自宅に風炉や釜をお持ちでない皆さんがほとんどなので、この日の稽古は実質的な初風炉となりましたので、薄茶、濃茶の平点前を中心に小習のお点前を致しました。

 私たちのお稽古しているお部屋は京間の十畳ですので、二ヶ月ぶりに稽古をしてみると広さを感じます。立ち座りや畳の上を歩く感覚を思い出しながらのお稽古で「思ったよりも足が疲れました」というお声が上がりました。
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 しばらくの間、自分で点てたお茶しか飲んでいなかったという方も多く、誰かが点ててくださったお茶をいただけることが嬉しかった、というお声もありました。

 「茶の湯とはただ湯を沸かし茶をたてて飲むばかりなることとしるべし」

 とは利休百首の中にある言葉ですが、お茶を点て、お茶をいただくことのよろこびを感じることのできたお稽古でした。

 さて、この日は一日どんよりとした曇り空で時折小雨の降る、いかにも梅雨らしいお天気だったのですが、庭園の池では今年もカルガモが元気に泳いでいました。
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 赤鳥庵の前ではギボウシが薄紫の花をつけていました。蕾が擬宝珠に似ていることから名付けられたそうですが、私の目にはあまり似ているようには見えません。
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 裏の芝生広場では八重のクチナシが白い花を咲かせていました。今の若い方がたは渡哲也さんの歌はご存知ないでしょうね。
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 次回は来週7月7日です。例年ですと庭園入口に大きな笹飾りが出る頃ですが今年はどうでしょうか。