師走第一回目のお稽古です。お茶室の前は木々の葉も落ちて初冬の趣です。
IMG_4453

 久しぶりのお稽古とあって、この日も大勢の方がお見えになりました。上の許状までお持ちの皆様は四ヶ伝のお稽古です。この日は唐物と台天目を中心にお稽古しましたが、途中人数が多かったこともあって1回だけ「濃茶付き花月」の稽古も致しました。

 月に二回のお稽古ではなかなか花月まで手が回りませんので平花月・濃茶付花月くらいしかできないのですが、 この日のように人数が揃ったときにはぜひまた花月をやりたいと思います。

 もう一方のお部屋では茶筅荘のお稽古をしました。茶筅荘は「荘もの」のお点前の一つです。裏千家には茶筅荘のほかに茶碗荘、茶入荘、茶杓荘という四つの点前があります。これらの点前は目上の方からいただいたお道具をお客様にお披露目するときの点前です。

 入会して間もない皆様はこの日も盆略点前のお稽古でした。

 人によってお茶の点前を覚えるスピードは違いがありますが、お茶の稽古ではそれを他人と比べることに意味はありません。自分のペースで少しずつ積み重ねていくこと、お稽古を休まないことが点前の上達の秘訣です。

 が、点前ばかりがお茶の稽古ではありません。稽古の支度をする、お茶やお菓子をいただく、他の方の点前をよく見る、茶室という空間を味わう、そのすべてがお茶のお稽古です。稽古を通じてご自分なりのお茶の楽しみ方を見つけていただければ、私にとってもこれほど嬉しいことはありません。
 
 この日のお軸は「関」。玄関の関、あるいは関門の関です。関門を超えたその先には、自由闊達な境地が待っているというような意味があるそうです。
IMG_6067

 さて、お庭の様子もご紹介しておきましょう。

  庭園の松の木もすっかり冬支度。東京では雪吊りが必要なほど降ることは滅多にありませんが、この冬はどうでしょう?
IMG_6068

 庭園の石畳を落ち葉が彩っています。初冬ならではの眺めですね。
IMG_4456

 ひときわ鮮やかに花を咲かせているのは石蕗(つわぶき)です。
IMG_4491

  今年の稽古も残すところあと1回となりました。次回はご都合でお休みの方も多いので、I先生が上級のお稽古をつけてくださる予定です。