10月になりました。いよいよ名残の季節です。 名残りとは、風炉の最後という意味に加え、前年の秋に開けた茶壺の茶が残り少なくなり、それを飲み終えるという意味があるそうです。名残の季節には風炉を畳の中央に据えて点前をいたします。これを中置と言います。

中置の点前では風炉の敷板に大板が使われることがあります。もちろん、小板でもお点前は出来ますが、せっかくの中置ということで、この日は大板でお稽古を致しました。

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中置の場合、風炉が点前畳の中央に据えられていますので、小棚を置く場所はありません。全て水指を水屋から運び出す「運び点前」となります。水指は風炉の勝手付側に置きます。小板の場合はいつもの水指でも置けますが、大板になるとスペースが狭いので口径の細い「細水指」を使います。

では、蓋置はどこに置くのかというと、なんと敷板の上です。点前の間、柄杓は敷板の上に横一文字に引くことになります。 

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中置では棚が使えませんので、濃茶・薄茶の平点前、濃茶の大津袋や長緒などをお稽古いたしました。ただ、この日は大板でしたので貴人清次をなさった方もいらっしゃいました。中置の小板では貴人清次はしませんが、大板ではすることができます。それは、大板の場合は柄杓と蓋置を敷板の上にかざることができるからなのです。

蓋置をかざる時には、蓋置の正面がお点前をする人の方を向くように、一度扱ってから向きを変えるのですが、この稽古をするために蓋置の正面には小さなシールを貼ってお稽古をしています。が、もちろんお茶会などでは景色のある竹の蓋置、場合によっては花押の付いたものが使われます。

初心者の方が勘違いしないよう、そろそろ「シール付きの蓋置」ではないものを用意した方がいいな、というのがお道具を準備した私の反省点でした。

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中置の時期はお花も「残花」といって、よく花の開いたもの、あるいは盛りを過ぎたものを使っても良いことになっています。また、お花の種類も沢山入れて良いのですが、この日の稽古で使いたかった籠花入はちょうどお隣の部屋でお稽古をされている方々がお使いでしたので、萩の花入に5種類を入れるに止めました。
 
この日のお庭はちょうど萩の花の花盛りでした。萩は夏に一度花をつけた後、秋にもう一度咲きます。満開の萩の花、そして風にそよぐススキ。茶道具にもよく描かれる武蔵野の姿のよう。こうした素晴らしいお庭のある茶室でお稽古ができるのは幸せなことだと感じました。

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