八月は茶箱のお稽古です。この日もお部屋の二カ所に風炉を置いて、茶箱点前の稽古をしました。

 茶箱点前はその昔は特に手順は定められていなかったそうですが、裏千家では十一代のお家元である玄々斎が茶箱を使った雪、月、花の3つの点前を考案されました。その後、これを簡略化した卯の花点前を考案されています。点前ごとに微妙に使うお道具に違いがあり、それぞれに趣があります。

 雪点前の特徴は、お盆などを一切使わないことにあります。茶箱からすべてのお道具を取り出し、最後にまた仕舞うという機能的なお点前です。

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 上の写真は雪点前です。使った茶箱は利休好みのカンナ目茶箱です。
 月点前は茶箱点前の中で最も美しいと言われています。四枚の板をつないだ器据というものの上にお道具を広げてお点前をします。茶箱点前の中では唯一、お香を焚く手順が組み込まれています。

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 上の写真でもわかるように、小羽や香合など他の茶箱点前とはちょっと違ったお道具を使います。

 この日は皆さん2回から3回ずつ茶箱の稽古ができました。手順は一見複雑そうに見えますが、薄茶を点ててお客様にお出しする点前ですので、1回のお稽古にかかる時間は案外短いのです。

 昼間のあいだたっぷりお稽古をして、さて夕方以降は会社帰りの皆さんがお見えになるはず、と思っていたのですが体調を崩してお稽古を休みますというご連絡が相次いで、お稽古はいつもより1時間ほど早めに切り上げることになりました。

 最後にお庭の写真を。
 
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 そしてこちらはこの日の庭園から。これ、何の実か分かりますか?お茶の木の実だそうです。庭園にお茶の樹が植わっていることに初めて気がつきました。

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 こちらは庭園入口近くで明るい色の花を咲かせていたヒオウギです。毎日蒸し暑いので皆様もどうぞ体調管理にお気をつけくださいね。