赤鳥庵の窓から見える景色も、秋の色がより濃くなってきました。今月は20日ごろから庭園のライトアップが行われ、夜も散策できるようになるそうです。

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 さて、11月2度目のお稽古は唐物です。唐物の点前は「伝物」で、裏千家の教則本には載っていませんし、お茶会などで人前で披露することもありません。では、なぜそんなお点前を学ぶのでしょうか。私は、それは茶道の歴史や成り立ちを知る上で欠かせないものだから、だと考えています。

 私たちがお稽古で最初に習う「平点前」。このシンプルなお点前こそ、千利休が茶道修行の末に行き着いた 形で、むしろそれ以前の茶道の点前はお道具の扱いも、点前の手順もより多く複雑なものでした。茶道は簡便なやり方が複雑化する方向で進化したのではなく、中国から伝来した道具を使う儀式的で複雑だったものからそのエッセンスが抽出されて純粋化していく方向で進化してきたのです。

 「唐物」の点前は格の高い道具を扱う所作を学ぶ第一歩。これまで習ってきた濃茶の点前との違いをふまえながら、そんな茶道の歴史に思いを馳せていただければと思います。

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 今までの初級の稽古に比べると、いろいろと違う点も多く戸惑うこともあると思いますが、楽しくお稽古して参りましょう。

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 お軸は「歩々是道場」です。自身の心がけひとつで、どんな場所も学びの場、自分を高める場になり得る、といった意味の禅語です。 お花は菊と照り葉。花入は萩です。今では花屋さんで一年中見ることのできる菊の花ですが、自然の菊が咲く季節はそろそろ終わりです。