流水会目白だより

裏千家茶道 流水会のお稽古の様子などをご紹介しています。

2022年10月

今後の稽古予定
10月11日(水)10月18日(水)
11月1日(水)午前中のみ特別稽古
11月15日(水)

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10月25日のお稽古ー上級特別稽古・行之行

 25日火曜日は午後に特別稽古として上級のお点前の稽古をしました。上級の点前は時間がかかりますのでなかなかふだんのお稽古の時に行うのが難しいのです。上級の許状をお持ちでお稽古ができる方がこの日に三名集まることができたのは幸運なことでした。

 お茶室の前では秋明菊の花が迎えてくれました。
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 この日にお稽古したのは「行之行台子」でした。上級以上のお点前は「奥伝」と言って許状を持っていない方にはお見せすることができないものであり、またお稽古用の教本などもありません。すべて口頭でお伝えすることになっています。

 「口頭で伝えられるだけで覚えるなんて不可能じゃないか?」とお考えの方もいらっしゃるかと思います。たしかに自分が一回点前をするだけでは到底覚えきれませんが、今回は何名かの方がお点前をなさいましたので「人の点前を見る」ということができました。

 自分がお稽古する(お稽古した)のと同じ点前を他の人がやっているところを見る。実はこれがお茶のお稽古方法の一つであり、とても大切なことです。

 久しぶりの上級稽古をされた皆様に感想を伺ってみたところ「炉の時はとても足が痛かったという記憶があるのですが風炉ではそれほどでもありませんでした」「先生の言葉の通りにロボットのように動くだけで全然まだ覚えられていません」といったお声が上がりました。 

 皆様には「今日のお稽古で覚えたことを少しでも良いので家に帰ってからメモをとってください」とお話しました。 奥伝の点前は手順をひととおり覚えるだけでかなり大変なので、メモは大きな財産になります。 (ちなみにお茶の稽古中にメモを取るのは上級の点前に限らず厳禁です。これは流水会だけでなくどこのお稽古場でも同じだと思います。)

 この日は茶室の写真は撮りませんでしたが、窓から見える庭の景色はずいぶん秋めいてきました。

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 次回は11月、いよいよ炉の季節のはじまりです。
 

  

10月19日のお稽古ー中置・台天目など

 流水会10月2回目のお稽古日は雲間から青空ののぞくお天気となりました。もみじの梢も少しずつ色づきが始まっています。
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  お稽古は小板の中置薄茶、中級以上の方には台天目、初心者の方は盆略点前、常据での運びの薄茶平点前と、それぞれの方の進捗に合わせて行いました。

 稽古の時に鉄瓶と釜をいちいち置き換えるのは大変なので、このところは二つの茶室の三箇所に風炉を据えて行っていますが、この日はさらに置炉を据えて一足早く炉での薄茶点前の稽古も始めました。11月に行うお茶会のためです。
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 炉というのは小さな囲炉裏のことです。毎年11月になると、お稽古をしている赤鳥庵でも畳替えが行われて炉が開きますが、まだ10月なので畳に炉縁を置き、中に高さの低い釜を置いて炉に見立てて稽古をするという方式で行いました。

 一日のうちに風炉と炉の両方で点前をして少し戸惑い気味の方もいらっしゃいましたが、久しぶりのお茶会ということで皆様張り切ってお稽古してくださったことをとても頼もしく感じました。

 この日は久しぶりに夜の時間帯に体験稽古にいらした方がありました。高校生の頃に三年ほど裏千家のお稽古をされていたとのこと。ご本人は「すっかり忘れていると思います」とおっしゃっておられましたが、風炉の前に座ってみると帛紗さばきや茶巾の扱いも体の方が覚えていらしたようです。

 子供の頃や学生時代に手ほどきを受けた方は皆さんご自身が思っている以上に覚えていらっしゃるものです。風炉と炉の違いがあっても、また十年以上ブランクがあっても、自分がもう忘れてしまったと思っていてもまたはじめることができる。一度覚えたら体が忘れないという点で「自転車に乗れるようになる」のというのによく似ているかもしれませんね。

 次回からはいよいよ炉でのお稽古です。お茶会に向けての稽古も本格的に始めたいと思っています。

 さて、恒例のお庭の様子です。この日は数日ぶりに青空がのぞいて、お庭に出てみると空の様子が池の水面に映ってとても綺麗でした。
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 こちらは何の花かお分かりでしょうか?椿?いいえ「茶の木」の花です。花は下を向いて咲くことが多いのですが、この花は珍しく上向きでした。
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 庭園の入り口近くにはこんな花も。この花が椿なのか山茶花なのか毎年はっきりしないので、一度きちんと確かめてみなくては。(花が落ちる姿を見れば明らかなハズなのですが)
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 杜鵑草もまだまだ咲いています。背景に見えている葉はギボウシでしょうか。
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10月の抽選会

 10月6日に12月分の赤鳥庵利用者抽選会が行われました。前日の午後から急に気温が下がり、朝はすっかり冷え込んで秋本番。これからどんどん涼しくなっていくのでしょうね。

 先月に続いて撮影関係者の方が多く、抽選は激戦でした。もっとも撮影関係の方のお目当ては庭園で紅葉が見られるであろう12月初旬であることははっきりしていたので、それ以外の日に狙いを定めてなんとか二回分のお稽古の予約と特別稽古の日の予約が取れました。

 流水会のお稽古は月2回水曜日なのですが、実は今年の夏から試験的にもう1回 「特別稽古の日」を設けています。特別稽古は曜日を定めず、予約が取れた日に行っています。7月は花月、8月と9月は茶箱、10月は上級稽古(行之行)、11月はお茶会があるので特別稽古はおやすみです。

 12月の特別稽古は24日(土)の午前中です。科目は炉の平花月を予定していますが、何といってもクリスマスイブなので果たして参加してくださる方はいらっしゃるでしょうか。

 この日のお庭から写真を一枚。萩の花の下に上から落ちてきた金木犀の花がたくさん落ちていました。今の季節ならではの光景ですね。

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10月5日のお稽古ー中置・小板と唐物

 10月に入って朝夕はかなり涼しくなってきました。この日の朝は曇りでしたが雨が降り出してからは次第に気温が下がっていきました。私も夫もこの日は今シーズン最初の袷の着物(裏地のついた着物のことです)を着ていったのですが、それでちょうど良いくらいでした。

 これまで浴衣を着てお稽古をされれいた皆様も、この日はさすがに洋服かなと思いきや、お一人まだ浴衣の方もいらっしゃいました。どうか風邪をひかないように気をつけていただきたいものです。
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 写真はこの日のお花です。10月8日が十三夜(旧暦の九月十三日)のお月見になりますので、月見の花を意識してみました。

 さて、お茶の世界で10月の点前といえば中置です。中置はこれまで勝手付側に置かれていた風炉を畳の中央に据えて行う点前のことをいいます。風炉を中央に置いた分だけ左右のスペースが狭くなりますので、いつもよりも直径の小さい細水指を使います。

 流水会では現在二つの和室で三箇所に風炉を置いてお稽古していますが、この日は一つを中置、一つを常据え(中置でない普通の風炉の置き方のことです)、もう一つは常に鉄瓶をかけて初心者のお稽古用としました。

 中置の風炉では主に薄茶の稽古をしました。中置であっても手順は普通の薄茶平点前とほぼ同じで、茶道具の置き場所が違っているというだけなのですが、「やってみるとかなり違った感じがしました」とおっしゃる方もありました。

 「自分で実際にやってみる」というのはお茶の稽古ではとても大切なことです。何度も繰り返すことでそれが身に付いていきます。中にはお点前が覚えられない、できない、と悩んだり、間違えることを辛く感じたりする方もいらっしゃるのですが、稽古というのは与えられた課題を「やってみる」こと自体が目的であり、「覚えた」「できた」というのは付随する結果に過ぎない、そんな風にお考えいただいた方がよいのではないかと思います。

 中級以上の許状をお持ちの方々には、風炉を常据えに戻して唐物の点前をしていただきました。風炉の季節もそろそろ終わりますので今月中に中級・上級の点前の稽古もしていきたいと考えています。

 急に気温が下がったこともあり、この日は体調不良でお休みの方がありました。皆様どうぞお体に気をつけてお過ごしください。

 さて、最後はいつもの通りお庭の様子です。
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 庭園の萩の花はさすがに盛りを過ぎたようですが、萩の花、とくに白萩は目白庭園の見所の一つだと思います。今の時期しか見られません。
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 こちらはススキ。穂が良い具合に出てきました。十三夜のお月見はできるでしょうか。
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 秋が駆け足で深まっていきます。次回のお稽古は21日です。




ギャラリー
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