流水会目白だより

裏千家茶道 流水会のお稽古の様子などをご紹介しています。

2022年06月

今後の稽古予定
10月11日(水)10月18日(水)
11月1日(水)午前中のみ特別稽古
11月15日(水)

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6月15日のお稽古ー平茶碗を使って

 今週に入ってほぼ全国が梅雨入りしましたね。梅雨は梅の雨という字を書きますが、なぜ梅雨と書いて「つゆ」と読ませるのか、理由ははっきりとはわかっていないようです。

 ただはっきりしているのはこの雨模様のお天気が続く日々はちょうど梅の実が熟す季節だということ。庭園には梅の大きな実がいくつも落ちていました。
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 お天気はあいにくの雨で気温も上がらなかったのですが、そろそろ夏も近いのでお稽古では平茶碗を使いました。平茶碗というのは通常よりも口径が広く、高さの低い抹茶茶碗のことです。

 稽古では平茶碗を使って「洗い茶巾」をしました。茶碗に水を張って茶巾、茶筅、茶杓を仕組んで行うお点前で、茶巾はいつものようにきっちりとたたむのではなく流して入れておき、点前の途中で茶巾を水から上げて絞ったり、それをお客様の目の前で畳みなおしたりする所作に特徴があります。

 私たちが現在行っている洗い茶巾の点前の手順は裏千家十三代圓能斎が定められたものだそうですが、「洗茶巾」という言葉そのものは「松屋会記」という天正年間の茶会記にも登場するそうですから、これに類した点前は安土桃山時代からあったということでしょう。

 中級以上の許状をお持ちの方には「盆点」のお稽古を、また最近入会してお茶を始められた数名の方には割稽古や盆略点前をしていただきました。しばらく前までは新型コロナウィルスの影響でお稽古にいらっしゃる方が減ったり、当日急におやすみされる方が続いたりしていたのですが、まるでそれが嘘のように賑やかなお稽古が午前中から夜まで続きました。

 忙しくて茶室内の写真を撮る暇はありませんでしたが、お庭の様子も少しご紹介いたしましょう。

 六月の花といえばまずは紫陽花。何種類か咲いていたようです。
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 そしてこちらは梔子(くちなし)の花。見事な八重咲きです。
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 もう一つ、この小さな蕾は南天です。「難を転じる」に通じる縁起の良い木で冬には赤い実がなります。

 次回のお稽古は7月6日です。




 



  

6月の抽選会

 お稽古の翌日、2日は赤鳥庵の8月分利用者抽選会でした。参加者は十五名ほどと少なめでしたが、茶道で利用される方が少しずつ増えてきています。良い兆しではありますが、それだけ茶室を借りるライバルが増えるということでもありなかなか悩ましいです。

 私の抽選番号は「6」。普段なら悪くはない番号なのですが、この日は水曜日を希望される方が結構いらっしゃって激戦でした。それでもなんとか二回のお稽古日を確保することができました。

 午前中のお庭に出てみると、昨日は気づかなかった発見がいくつもありました。

 第一の発見は夏椿(なつつばき)が咲いていたことです。目白庭園には門を入ってすぐ右側と、滝の向こう側の二箇所に夏椿の木がありますが、門を入ってすぐの夏椿の木に花がつきはじめていました。
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 名前の通り椿によく似た小さな白い花で私はこの花が大好きです。「花が咲いている」と言われないと見過ごしてしまうようなささやかな花ですが、庭園のお近くにお住まいの方はぜひご覧になってください。今がチャンスです。

 夏椿の木のすぐ近くには、いくつか初夏の花が咲いていました。まずこちらは鳥足升麻(とりあししょうま)です。
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 升麻(しょうま)というのは漢方薬の名前で、日本には○○ショウマという名の植物がいくつかあります。鳥足升麻は茎が鳥の足に似ているから、ということらしいのですが花は茶花にも使われます。

 鳥足升麻のすぐそばには山紫陽花も咲いていました。
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 園芸種の紫陽花に比べると茎がずっと細く、葉も薄くて柔らかな感じがします。このお花も茶花としてよく用いられますね。


 

6月1日のお稽古ー貴人点と台天目

 六月になりました。そろそろ雨の季節の到来ですが、この日は晴れて初夏の日差しの高さを感じました。赤鳥庵の前の緑もなにやら鬱蒼としてきた感があります。
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 久しぶりに新たに初級の許状のお渡しがあり、利休様の掛け軸をかけました。床のお花は芍薬です。
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 さて、この日の稽古は貴人点と台天目でした。どちらも台に乗った茶碗を使うお点前です。私たちが学んでいる裏千家流では通常は茶碗は直に畳の上に置きますが、実は元々中国から抹茶の飲み方と同時に入ってきた茶碗は台に乗せて使うものでした。

 聞くところによると中国の習慣では茶碗を直に置くことはなく、テーブル上でも必ず茶托や台の上に乗せるものなのだとか。よく考えてみると現代の私たちも畳の上に直に食器を置くことはまずありませんね。むしろ「茶碗を直に畳の上に置く」という方が、例外的と言えるのかもしれません。

 茶道の歴史を振り返ってみると、茶碗が直に畳におかれるようになったのは、おそらく「侘茶」(わびちゃ)という簡素な茶の形式が生まれてからのことかと思われますが、最初に茶碗を台に乗せるのをやめた茶人は誰だったのでしょうか。気になるところです。

 実をいうとお茶のお稽古というのは古くからある点前を先に習うのではなく、新しくできた点前を習ってから昔の点前にさかのぼっていくような性質があります。台に乗せた茶碗を扱うというのもその一つなのです。

 この日のお庭の様子も少しご紹介しておきましょう。
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 庭園では未央柳(びようやなぎ)が咲き始めました。黄色い花の中央におしべが長く伸びた特徴のある花が、庭園のあちこちで咲いていました。
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 そして、滝のすぐ横には紫片喰(むさらきかたばみ)。どこでもよく見られる雑草ですが、江戸時代末期に観賞用として入ってきた南アメリカ原産の花なのだそうです。
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 紫陽花(あじさい)も咲き始めました。もうすぐ梅雨入りですね。
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