流水会目白だより

裏千家茶道 流水会のお稽古の様子などをご紹介しています。

2020年10月

今後の稽古予定
10月11日(水)10月18日(水)
11月1日(水)午前中のみ特別稽古
11月15日(水)

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10月21日のお稽古ー中置小板と大板

 10月2回目のお稽古日もよく晴れました。この日は久しぶりに13時スタート、第一和室と第二和室の両方のお部屋を使っての稽古でした。

 この日の掛物は「吾心似秋月」。私の心は秋の月に似ている、とは仏道の悟りを開いた者の心境を澄んだ夜空に浮かぶ冴え冴えと輝く月に喩えたものだと思いますが、墨跡というのは不思議なもので、この掛物を見ているだけで秋の夜の月を見ているような心持ちが致します。
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 茶花は宗全籠に秋の野の花を七種(ヨメナ、ホトトギス、シャクチリソバ、オオイヌタデ、セイタカアワダチソウ、エノコロ草、シマススキ)を入れました。これも十月だけの景色です。
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 中置の稽古も2回目となりましたので、第二和室の方では風炉の敷板を大板にしました。通常風炉の敷板(小板)は縦横が九寸五分(28.8センチ)ですが、大板はひとまわり大きい一尺四寸(42.4センチ)あります。

 小板でも大板でも基本的な茶道具の位置に変わりはないのですが、大板の場合は風炉を少し後ろに据えて、蓋置と柄杓が板の手前側に載るという点が異なります、と口で言うのは容易いのですが、目の前の景色が変わると意外に戸惑うものです。大板でお稽古された三名の方はそれを実感されたのではないかと思います。

 流水会ではコロナ対策として換気のため窓を全開に、廊下と和室の間の扉も開け放ってお稽古をしておりますが、この日は午後3時過ぎくらいからは空気が冷え込んで、袷の着物の肩がひんやりとするほどで、まさに「火を客の方に近づける季節」を実感しました。

 最後にこの日の庭園の様子もご紹介しましょう。

 赤鳥庵前の秋明菊がようやく開きはじめました。昨年はもっと多くの株があったのですが、今年は夏の暑さのせいでしょうか。少し少なめです。
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 台湾ホトトギスも咲き始めました。こちらも昨年より花は少ないようです。
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 今年は昨年に比べると全般に秋の花の開花が遅れている印象ですが、門を入ってすぐのところで山茶花が咲いていました。花は小ぶりですがとても華やかです。
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 そしてこちらはチャノキの花、そうお茶の花です。お茶の花は下を向いて咲きます。
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  次回は炉開きです。お稽古は十一月から炉の点前になります。

茶筅の共同購入をしました

 流水会の皆様と一緒に茶筅を共同購入することになりました。

 発端は流水会の方のうち三名が所属している裏千家の青年部で、茶筅師の谷村丹後さんのオンライン講演会が開催されたことでした。青年部のご好意で非会員でも受講できることになり、私を含めて数名が谷村さんのお話を聞きました。

 茶筅の歴史、茶筅の種類、茶筅がどのように作られるか竹の準備から作業の工程まで、盛り沢山のお話を二時間ほど伺いましたが、なかなか他では聞けない貴重な講演でした。

 茶道の世界では昔から茶筅は「消耗品」の扱いで、茶道具としてはあまり重く見られてきませんでしたが、実際に茶筅を作っておられる方のお話を伺ってみると、直接抹茶に触れる茶筅は薄茶・濃茶を美味しく点てたり練ったりする上で、とても大切なものであるという思いを新たにしました。

 そして、この講演のご縁で私たちも谷村丹後さんの茶筅を購入することになりました。谷村さんは裏千家のお家元に茶筅を納めていらっしゃるのでなんと「お家元と同じ茶筅が使える」ことになります。
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 上の写真が谷村さんの作られた「真数穂」の茶筅(夫が個人的に以前から購入していたので実は我が家には何本かあります)そして、次の写真が流水会の稽古で使っている茶筅(別の茶筅師の作で種類は「数穂」)です。
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 茶筅の形(とくに穂先)が違うのですが、写真ではわかりにくいですね。でも、茶筅の形の違いが茶を点てるときの感触の違いになります。個人的にはかなり違いがあると思うのですが、今回一緒に購入された皆様がどうお感じになられるか、感想を聞くのが今から楽しみです。

10月7日のお稽古ー小板中置

 10月になりました。朝から爽やかな秋空が広がりました。待ち望んでいた着物を着るのにちょうどよい季節の到来です。残念ながらこの日は昼過ぎから曇って午後には雨が降り出しましたので、お着物で来られたのは午前中の稽古の方だけでしたが。

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 10月といえば中置。中置というのは風炉を畳の中央に据えることを言います。毎年季節の点前を繰り返し稽古しておりますと、中置の風炉を見ただけで「ああ秋だなぁ」という思いがこみあげます。

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 この日は主に中置で薄茶・濃茶の平点前を中心にお稽古しました。午後の上級チームのお稽古はI先生のご指導の下、濃茶と薄茶を続けて行う続き薄茶の点前のお稽古でした。

 何名かの方にはいつも通りの風炉の位置(常据:じょうずえ)で唐物・台天目など中級点前のお稽古、 夕方以降にいらっしゃる初心者・初級者の皆様はこれまでの稽古の続きと、皆様それぞれのお稽古の進度に合わせてこの日も様々な点前を致しました。

 例年でしたらちょうど今ごろはお茶会シーズンなのですが、今年はほとんどの茶会、お茶のイベントが中止になっています。でも、そんな今だからこそ無心で稽古に励むのに良い時期であり、またそれがこの不安な時代に心の平穏を得ることにも役立つのではないか。そんな気がしております。

 東京では新型コロナウィルス陽性の方の人数が減らないのは気がかりですが、これまで同様十分に用心(手洗い、消毒、替茶碗の使用)しながら稽古を続けていきたいと思います。

 さて、最後に今のお庭の様子もご紹介しておきましょう。(写真は夫が撮ってくれました)

 赤鳥庵前の紫式部の実の色はこんなに濃くなりました。
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 こちらは白萩の花、近くでみると豆の仲間であることがよくわかりますね。
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 金木犀の花も咲き始めました。小さな愛らしい花ですがよく香ります。
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10月の抽選会

 10月1日は12月分の利用者抽選会でした。抽選会が再開された頃は目白庭園の職員の皆様も参加者も消毒と換気、ソーシャルディスタンスに気を使った妙な緊張感がありましたが、ここ数ヶ月で誰もがその状態にすっかり慣れた感じで、この日も粛々と抽選と予約が行われました。

 例年ですと12月の初旬に赤鳥庵で炉開きをされる方がいらっしゃるので、以外と激戦だったりするのですが、今年はさすがに少なめ。参加者は20名ほどでした。私の抽選番号は無情にも15番(このところ大変くじ運が悪い!)だったのですが、幸い二回の予約が確保できてほっとしました。

  では、恒例のお庭の様子を紹介しておきましょう。今年は猛暑の影響なのか、それとも庭園の管理会社が変わった影響なのか秋の花、今ひとつパッとしません。

 お彼岸はとっくに過ぎてしまいましたが、ようやく彼岸花が咲きました。
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 花の少ない中、唯一大健闘なのが萩です。今度は白萩が咲き始めました。
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 カルガモたちは相変わらずのんびりと過ごしています。まったく巣立つ気配が見えないのですが、よほど居心地が良いのでしょうね。
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 ススキも綺麗に穂が出ています。お月見にぴったりの見事なススキです。午前中は雨模様でしたが、果たして十五夜の月は如何に?
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ギャラリー
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