流水会目白だより

裏千家茶道 流水会のお稽古の様子などをご紹介しています。

今後の稽古予定
3月20日(水、祝)
4月3日(水)午後と夜間
4月17日(水)
4月24日(水)第一和室のみ終日
5月8日(水)、5月22日(水)
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3月13日のお稽古ー釣釜、台子で平点前

 朝から良く晴れました。3月に入ってから思いの外寒い日が続いていますが、この日も昼間は強い北風が吹いて、赤鳥庵の網戸がガラガラと音を立てて動き出すほどでした。

 さて、裏千家の三月の設えといえば釣釜です。釣窯はどんな茶室でも出来るお稽古ではありません。釜を釣ることができるようあらかじめ炉の上の天井に蛭釘という釘が打たれていることが必要なのです。幸い赤鳥庵では二つの和室両方に蛭釘が打たれていますので、どちらのお部屋でも釣釜は可能です。

 この日は8畳の部屋を釣釜に、10畳の方はいつも通り炉に釜を据えてこちらには竹台子を出し、濃茶と薄茶の平点前を中心にお稽古をしました。
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 同じ平点前でも釣釜にするだけで点前座の周りの景色は随分と違って見えます。いつもならどっしりと動かないはずの茶釜がゆらりゆらりと揺れていると柄杓を扱う時の感じも違ってきます。

 上級以上の皆様には台子を使っての濃茶、薄茶のお稽古をしていただきました。目の前に大きな台子があるとこちらも点前座から見える景色はかなり違ってきます。実際、台子を使ったお点前では火箸の出し入れ、柄杓の出し入れなど小棚の平点前にはない手順が加わるという面はあるものの、基本的な手順は小棚のときと同じです。

 しかしながら、目の前の景色がいつもと違うことにつられて思わぬところで帛紗を付けようとしたり、釜に水を入れようとしたりする方が続出しました。なかなか大変です。

 台子の点前は実践する機会が少ないので、家に帰ってから手順やポイント、間違いやすいところをぜひメモしておいてくださいとお話し致しました。

 また、この日はお稽古見学に来られた方も何人かありました。最近は子供の頃、あるいは学生時代にお茶をやった経験があるけれどしばらくの間ブランクがあってまた再開したい、という方が増えてきました。

 自分ではお点前などすっかり忘れたつもりでいても、いざ点前座に座ってみると帛紗のさばき方や棗の持ち方などは面白いくらいよく覚えているものです。ただ、流儀が異なると細かい違いが多々ありますので、できれば前に習っていたのと同じ流儀で再開される方が混乱しなくて良いと思います。

 最後に恒例のお庭の写真です。芝生広場の緋寒桜はまだ咲いていました。青い空に早咲きの桜の緋色が映えますね。

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 庭園入口近くのサンシュユもほぼ満開になりました。黄色は春の色ですね。

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 写真は撮りませんでしたが、この日は池にも水が入っており、カルガモも二羽ほど姿を見せていました。まだしばらく庭園のメンテナンスは続くようです。

 次回の稽古は20日、祭日ですが通常通り午前中から夜までお稽古できます。今のところ予約の人数は少な目ですのでどの時間帯でもじっくりお稽古できますよ。

3月の抽選会

 3月7日は5月分の赤鳥庵利用者抽選会でした。
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 3月とはいえまだ寒い日が続いていますが、抽選会は盛況で今回も40名近い参加者がありました。 珍しいことに園長さんが所用でお休み、代わりの方の司会進行で抽選会が行われました。

 5月は気候も良いのでまた撮影の方が大挙して押し寄せるのではと心配していたのですが(多分係の方もそれを予想してか、いつもより座席を詰めて大勢が座れるようになっていました)それほどでもなく、思ったよりサクサクと予約が進んでいきました。

 私は25番というまたまたあまり良くない札を引いてしまったのですが、水曜日狙いのライバルがお一人しかいなかったので無事に二回の稽古プラス一回の特別稽古の予約ができました。

 今年は6月か7月に一度お茶会をやりたいと考えていますが、土日は本当に籤運が良くないと予約できない、というのが難しいところです。

 さて、前日より少しお天気も良かったので帰りにお庭で写真を何枚か撮りました。

 まずは赤鳥庵前の植え込みで地面から顔を出していた蕗の花。要するに「花が開いたフキノトウ」です。
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 こちらの黄色い花は山茱萸(サンシュユ)です。
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 梅はもうほとんど終わってしまいましたが、これから春の花がどんどん咲いていくでしょうね。楽しみです。


 
 

3月6日のお稽古ー四滴茶入の扱い

 この日のお稽古は花月の予定でしたが人数が揃わなかったので急遽普通のお稽古に変更となりました。前回のお稽古でも使った四滴茶入を使ってみたいというお声がありましたので、四滴茶入の扱いを中心にお稽古しました。

 四滴茶入というのは四種類の茶器、油滴、水滴、手瓶(てがめ)、弦付(つるつき)の総称、つまり四つをまとめて呼ぶときの名前です。名前こそ「茶入」ですが私たちの学ぶ裏千家流の茶道ではこの四種類すべて薄茶器として用います。

 この日は写真の油滴(左)と弦付(右)を使いましたが、油滴を使おうとお稽古の準備を始めた方から早速「先生、蓋がありません!」というお声がかかりました。

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 実はお稽古用の四滴茶入セットでは四つの薄茶器の蓋は全て共通、つまり右側の弦付の蓋を外して油滴に載せて使わなくてはならないのです。ちなみにこの日使わなかった残りの二つの写真も載せておきます。

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 左が水滴、右が手瓶です。この四滴茶入は色変わりで全て異なる釉薬がかけられていますが、同じ釉薬をかけて作られている四滴茶入もありますのでこれが当たり前だとは思わないでくださいね。

 さて、これらを使うときのお点前ですが、点前としては「薄茶の平点前」、棗の代わりにこれら焼物の薄茶器を用いて行うというだけのことです。茶入の置き方、清め方、お茶を入れるときの向き、蓋の開け方、拝見に出す際の清め方などが棗のときとは少し違いがあります。

 皆様にご注意申し上げたのは「四滴の扱い方をインターネットでむやみに検索しないこと」です。これには理由があります。四滴茶入自体かなり古い時代から茶器として使われているため、さまざまなご流儀で用いられており、流儀ごとに扱い方が微妙に違うのです。

 ちなみに裏千家では四滴茶入の扱い方は秘伝ではないので淡交社発行の「茶道具の扱い」的な書籍を見れば写真付きで公開されています。過去の月刊「淡交」のバックナンバーにも「四滴茶器の扱い」として業躰による点前の解説が出ていることは申し添えておきます。

 さて、お庭の様子も少しご紹介します。

 この日は池に水が戻っていました。まだコイはいないようです。管理事務所の方に「もうメンテナンスは終わったのですか」と伺ってみると「いや、また水を抜くことになるでしょう」とのこと。魚も水鳥もいない池はひっそりとして寂しげに見えました。
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 赤鳥庵の前ではカンアヤメが咲いていました。冬咲きのアヤメ、知らずにみるとびっくりしてしまいます。
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 裏の芝生広場では早咲きの寒緋桜が満開でした。ここもまもなく芝生の張り替え工事が始まって、養生のためしばらくの間立ち入り禁止になるそうです。見るなら今が最後のチャンスかも。
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 次回のお稽古は来週13日です。
   
ギャラリー
  • 3月13日のお稽古ー釣釜、台子で平点前
  • 3月13日のお稽古ー釣釜、台子で平点前
  • 3月13日のお稽古ー釣釜、台子で平点前
  • 3月13日のお稽古ー釣釜、台子で平点前
  • 3月の抽選会
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  • 3月6日のお稽古ー四滴茶入の扱い
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